ニセコアンヌプリの山腹、標高約600メートルに佇む五色温泉は、北海道が誇る秘湯のひとつです。豊かな原生林に囲まれたこの温泉は、都会の喧騒から離れ、大自然のなかで心身をゆっくりと解きほぐしたいと願う旅人たちを、長年にわたって迎え続けてきました。
「五色」の名が示す、神秘の湯
五色温泉の名前の由来は、その泉質にあります。含硫黄・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉という複雑な成分を持つこの温泉は、天候や気温、湧出量などの条件によって湯の色が変化することで知られています。乳白色、淡いエメラルドグリーン、青みがかった透明など、訪れるたびに異なる表情を見せるため、同じ温泉に何度も足を運ぶリピーターが後を絶ちません。
硫黄の香りが漂う湯は、古くから療養の湯として親しまれてきました。皮膚疾患や筋肉痛、疲労回復などへの効能が期待され、地元の人々はもちろん、遠方から湯治目的で訪れる人も少なくありません。温泉宿でじっくりと湯に浸かりながら、日常の疲れをほぐす時間は、何物にも代えがたい贅沢です。
露天風呂から望む、アンヌプリの絶景
五色温泉の醍醐味のひとつが、ニセコアンヌプリの雄大な自然を眺めながら入浴できる露天風呂です。原生林の樹々が四方を囲み、鳥のさえずりや風の音だけが聞こえる静寂のなかで過ごす入浴体験は、格別のひと言に尽きます。
露天風呂からはアンヌプリの山肌を間近に感じることができ、晴れた日には澄み切った青空が広がります。夜になると、周辺に人工の光が少ないため、満天の星空を湯船から眺めることもできます。北海道の澄んだ空気のもとで見上げる星空は、都会では決して味わえない感動をもたらしてくれるでしょう。
四季それぞれの楽しみ方
五色温泉は、季節ごとに全く異なる魅力を持つスポットです。
**春(5月〜6月)** は、残雪と新緑が混在するダイナミックな景観が広がります。雪解けとともに山野草が一斉に芽吹き、温泉周辺はフキノトウやタラの芽など山菜の宝庫となります。長い冬を乗り越えた北海道の大地の息吹を、肌で感じることができます。
**夏(7月〜8月)** はトレッキングシーズンの最盛期です。ニセコアンヌプリ山頂への登山道が開通し、温泉を起点に登山を楽しむ旅行者が増えます。山頂からは羊蹄山(蝦夷富士)をはじめ、日本海や周辺の山々まで見渡す大パノラマが広がります。登山後の一風呂は、疲れた筋肉を一気に癒してくれます。
**秋(9月〜10月)** は、紅葉に染まる山の景色が温泉の白濁した湯と鮮やかなコントラストを描きます。この時期の五色温泉は特に人気が高く、赤や黄に色づいた原生林を眺めながらの露天風呂は、まさに絶景です。
**冬(11月〜3月)** は、ニセコが世界的なスキーリゾートとして賑わう季節です。質の高いパウダースノーを楽しんだあと、雪景色のなかで温まる露天風呂は、スキーヤー・スノーボーダーたちの最大の楽しみのひとつとなっています。湯船の縁に積もった雪と乳白色の湯のコントラストは、冬ならではの情緒ある光景です。
周辺の見どころとアクセス
五色温泉周辺には、ニセコエリアならではの魅力的なスポットが点在しています。車で15〜20分ほどの距離にはニセコ町の中心部があり、地元の農産物や乳製品、土産物を取り扱うショップやレストランが集まっています。北海道産の食材を使ったジンギスカンや新鮮な海の幸、濃厚なソフトクリームなど、食の楽しみも豊富です。
また、ニセコエリアには複数のスキー場が集まっており、ニセコアンヌプリ国際スキー場、ニセコGRANHIRAFUなど、国内外から多くのスキーヤーが訪れます。五色温泉はこれらのゲレンデからもアクセスしやすく、スキーと温泉をセットで楽しむ旅のプランが人気です。
アクセスは、倶知安駅(JR函館本線)からバスまたはタクシーを利用するのが一般的です。冬季は積雪のため、レンタカーを利用する場合はスタッドレスタイヤ装着が必須となります。新千歳空港からは車で約1時間30分〜2時間ほどの距離で、日帰りドライブとしても十分に訪れることができます。
旅の計画に役立つポイント
五色温泉を訪れる際にはいくつかの点を心がけると、より充実した滞在ができます。まず、温泉の泉質の特性上、金属製のアクセサリーは硫黄成分で変色することがあるため、入浴前には外しておくことをおすすめします。
また、山の上に位置するため、平地よりも気温が低く、特に朝晩の冷え込みは季節を問わず強めです。夏でも薄手の上着を一枚持参しておくと安心です。冬季は路面凍結に十分注意し、最新の道路情報を確認してから出発するようにしてください。
宿泊施設は限られているため、週末や連休、スキーシーズンには早めの予約が欠かせません。できれば1泊以上の滞在を計画し、朝の静けさのなかで入浴する早朝風呂や、夜の星空露天風呂をぜひ体験してみてください。五色温泉は、一度訪れれば必ずまた来たいと思わせる、そんな力を持った温泉です。
Access
北海道ニセコ町内、最寄り駅またはバス停からアクセス
Hours
10:00〜21:00
Budget
500〜1,500円
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