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松本のランニングコース完全ガイド|国宝松本城のお堀から信州スカイパーク10kmまで
フィットネス
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松本のランニングコース完全ガイド|国宝松本城のお堀から信州スカイパーク10kmまで

北アルプスを望む高原盆地・松本を走る

松本市ランニングと相性のよい街です。市街地の標高はおよそ600m。周囲を3,000m級の北アルプスや美ヶ原に囲まれた松本盆地は、内陸性気候で湿度が低く晴れの日が多いため、走っていて空気が軽く感じられます。城下町らしく道は碁盤の目状に整い、中心部を女鳥羽川(めとばがわ)が流れ、その水はやがて田川へと合わさって街を貫きます。観光のついでに走る数キロのお堀周遊から、河川敷を延々と伸ばすロング走、丘を駆け上がるヒルトレーニング、滑走路の脇を一周する10kmコースまで、地形のバリエーションが一つの街にそろっているのが松本の強みです。ここでは目的と脚力に合わせて選べる実走コースを、地形と距離の視点で紹介します。

街なかをゆるりと:松本城とお堀の周遊ラン(約5km)

はじめての一本なら、松本駅を起点に国宝松本城をめぐる周遊コースがおすすめです。駅お城口から北東へ向かい、なまこ壁の土蔵が約400m続く中町通りを抜け、女鳥羽川沿いの歩行者天国・なわて通りと四柱神社(よはしらじんじゃ)を経て、松本城へ。漆黒の天守を映すお堀の外周は開放感があり、信号で足を止めずにぐるりと回れます。城の北側にある重要文化財・旧開智学校まで足を延ばし、駅へ戻ると合計でおおよそ5km。ほぼ平坦で見どころが連続するため、ジョグペースでも飽きません。早朝は人通りが少なく、朝日に照らされた天守を独り占めできる時間帯です。観光ランとして写真を撮りながら走るのにも向いています。

緑のなかをフラットに:あがたの森公園

松本駅から南東へ1kmほど、旧制松本高等学校(重要文化財)の木造校舎が残るあがたの森公園は、約6.1ヘクタールの落ち着いた都市公園です。園のシンボルである約150mのヒマラヤスギ並木は大正期に植えられた約25本の大木で、夏でも木陰が涼しく、芝生広場のまわりはフラットで足にやさしい路面。1周は短めですが、その分インターバルやウインドスプリント、ビギナーの距離慣らしには使い勝手のよい空間です。歴史的な洋館を眺めながらクールダウンのウォークで締めれば、心拍も気持ちもきれいに整います。市街地ランの折り返し地点としても便利な立地です。

川沿いをのびのび:薄川・田川の河畔ラン

まとまった距離を信号待ちなく走りたい日は、市街地の南を流れる薄川(すすきがわ)の河川敷へ。のどかな川沿いの道は視界が開け、東に美ヶ原、西に北アルプスを望みながら走れる、まさに松本らしいロケーションです。実際、松本マラソンのコースもこの薄川沿いを取り込んでいます。河川敷は距離を自分で刻めるのが魅力で、その日の調子に合わせて折り返し地点を決められます。市街中心を流れる女鳥羽川や、合流する田川沿いにも遊歩道が続き、街なかとは思えない静かな水辺をつないでいけます。風景の変化が乏しくなりがちなロング走でも、山並みと水の流れが目を楽しませてくれます。

起伏で追い込む:アルプス公園のヒルラン

平坦路に物足りなさを感じたら、市街地の北西、標高およそ800mの丘陵に広がるアルプス公園へ。面積約71ヘクタールの起伏に富んだ園内は、北アルプス連峰と安曇野を一望する眺望が自慢で、登坂を取り入れたトレーニングにうってつけです。市街地(約600m)からアプローチするだけでもしっかりとした登りになり、坂を意識した心肺強化やトレイルラン入門の脚づくりに向いています。アップダウンを繰り返すうちに視界が開け、頂上付近で振り返れば残雪をいただく北アルプスがご褒美のように現れます。下りは膝への負担が大きいので、フォームとペースを抑えて走るのが安全です。

滑走路の脇を10km:信州スカイパーク「スカイロード10」

本格的にロング走やペース走を積みたいランナーの聖地が、市の南西に広がる松本平広域公園・信州スカイパークです。園内には全長10kmの周回コース「スカイロード10」が整備され、松本空港の滑走路を中心に園全体をぐるりと巡ります。離着陸する飛行機を間近に見上げ、北アルプスと美ヶ原の双方を眺めながら走れるのは、広大なこの公園ならでは。やまびこドームを拠点にスタートでき、ほぼフラットで距離表示も明確なので、10kmやハーフのタイムトライアル、設定ペースの確認に最適です。周回コースゆえに途中リタイアもしやすく、距離やラップを管理しやすいのも練習向き。春秋にはランニングイベントの会場にもなり、多くの市民ランナーに親しまれています。

高原の気候を味方にする:季節と時間帯のコツ

松本で走るなら、内陸性気候のクセを知っておくと快適さが段違いです。夏は盆地でも山から吹き下ろす風で朝晩が涼しく、早朝ランがことのほか気持ちよい季節。一方で日中は日差しが強く空気が乾いているため、汗の蒸発が速く脱水に気づきにくいので、こまめな給水を心がけましょう。

冬は放射冷却で朝晩の冷え込みが厳しく、晴天続きで市街地の降雪自体は多くないものの、路面凍結が起こりやすいのが要注意ポイント。冷え込んだ早朝は日が高くなって路面がゆるむ時間帯を選び、滑りにくいシューズと防風・保温ウェアで臨むのが安全です。

なお、標高約600mの市街地は本格的な高地トレーニングと呼べる高度ではありません(高地効果が期待できるのはもっと高い領域です)。それでも乾いた冷涼な空気は走り込みに快適で、本気で高地刺激を求めるなら、近郊の乗鞍高原など標高1,500mを超える高原まで足を延ばす選択肢があります。城下町の風情、水辺の開放感、丘の眺望、そして滑走路脇の直線——松本は一つの街で何通りもの「走る楽しさ」を味わえる、稀有なランニングタウンです。

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Written by

佐藤 美紀

ライフスタイルエディター