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熊本市のランニングコース完全ガイド——江津湖・熊本城・坪井川を「水の都」で走る
フィットネス
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熊本市のランニングコース完全ガイド——江津湖・熊本城・坪井川を「水の都」で走る

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「水の都」を、足で味わう

熊本市は走るのに恵まれた街です。市街地の大半は白川と緑川がつくった平らな沖積平野で、急な坂を避けてフラットな距離を積めるコースが選びやすいのが第一の理由。そしてもう一つ、熊本ならではの強みが「水」です。人口50万人を超える都市で水道水を100%地下水でまかなっているのは全国で熊本市だけ。市内には湧水群が点在し、その豊かな地下水が下流の江津湖を満たしています。走り終えたあとに口にする水のおいしさまで含めて、ランニングが気持ちよく続く土地だと感じます。

一方で夏は蒸し暑く、内陸性で日中の気温が上がりやすいのが弱点。だからこそ走る時間帯とコース選びがものを言います。土の路面の周回コースが複数あり、距離の刻みも幅広いので、初心者の歩きはじめから熊本城マラソンを目指す本格派まで、自分のレベルに合う一本が必ず見つかります。

江津湖——熊本ランナーの聖地

熊本でランニングといえば、まず名前が挙がるのが江津湖(えづこ)です。市街地から南東へおよそ5km、上江津湖と下江津湖からなる細長い水辺で、湖畔には遊歩道とサイクリングロードが整備されています。ここがランナーに支持される理由は明快で、路面の大半が土のクロスカントリーだから。アスファルトに比べて着地の衝撃が膝や足首にやさしく、長い距離でも脚が残りやすいのです。

距離の設計もよくできています。下江津湖をぐるりと回る周回はおよそ3.8km、上江津湖まで足を延ばして上下の湖を一周すると約7.3km。日本ノルディックフィットネス協会の公認コースにもなっており、コース上にはキロ数を示す看板が立っているので、ペース管理がしやすいのも実走派にはありがたいところです。スタートとゴールは広木地区の管理棟前が定番で、駐車場も備わっています。

高低差はごくわずかでほぼ平坦。テンポ走やロング走の土台づくりに向き、まずは3.8kmを基準にして、調子が上がってきたら7.3kmへ——という距離の積み上げが自然にできます。湖面には水鳥が浮かび、西には金峰山。夕方には山の稜線に日が沈んでいくので、暑い季節は朝か夕方に時間を合わせると、景色まで含めて報われる一本になります。湧水が育てた澄んだ水辺を横目に走る感覚は、ほかの街では味わえない江津湖だけのものです。

熊本城をめぐる——二の丸広場の780m

街なかで手軽に走りたい日は、熊本城がうってつけです。核になるのは二の丸広場の周回コースで、芝生と土が広がる広場の外周は1周およそ780m。フラットな土道で関節への負担が小さく、復興が進む大天守・小天守と、築城当時の姿を残す宇土櫓を眺めながら走れる、観光と運動を兼ねた贅沢な周回です。780mという距離はインターバルやペース走の1本の単位として扱いやすく、周回数で総距離を自在に組み立てられます。

二の丸からさらに城内へ足を延ばせば、本丸方面を含めておおよそ3km前後のコースも取れます。ただし熊本城は2016年の地震からの復旧が今も続いており、通行できる経路は時期によって変わります。走る前に開放状況を確認しておくと安心です。城のすぐそば、行幸橋の近くには「桜の馬場 城彩苑」があり、走ったあとに立ち寄って熊本の食や土産を楽しむ動線も組めます。早朝の人が少ない時間帯に、石垣を見上げながら二の丸を回る——城下町・熊本ならではのランニングです。

坪井川緑地と川沿いの周回

熊本城の北東に広がる坪井川緑地も、地元ランナーに親しまれる場所です。坪井川の治水を担う遊水地で、その土手の上に未舗装の遊歩道が走っています。周回はおよそ1kmと短めですが、全体がほぼ平坦で足あたりがやわらかく、初心者の入門にも、同じ周回を繰り返すインターバル練習にも向く実用的なコース。初夏には睡蓮の花が水面を彩ります。熊本電鉄の駅からすぐというアクセスのよさも、電車で通って走る人には魅力です。

もう少し距離を伸ばしたい、あるいは街の中心に近い場所で走りたいときは、白川の河川敷を使う手もあります。市街地を貫く白川沿いには遊歩道が続き、午前中は土手や橋の影で日陰を拾えるため、日差しの強い時期の朝ランに向きます。上流・下流のどちらへ取るかで距離を調整でき、信号で止まらず一定のリズムを保てるのが河川敷の利点です。

距離と目的でコースを選ぶ

熊本市内の主要コースは、距離の刻みがちょうどよく分かれています。その日の目的に合わせて選ぶと、練習に無駄がありません。

コースおおよその距離路面向いている人・使い方
坪井川緑地 周回約1km土手の未舗装路走りはじめ・短い周回でのインターバル
熊本城 二の丸広場約780m土道街なかで手軽に・ペース走の1本単位
江津湖 下江津湖周回約3.8km土のクロスカントリーテンポ走・距離を踏む土台づくり
江津湖 上下一周約7.3km土のクロスカントリーロング走・本格的な距離練習

短い周回でフォームを整え、江津湖で距離を伸ばす。この組み合わせだけで、入門から中級まで一通りの練習がまかなえます。

夏の暑さと、水の都の給水

熊本のランニングで最も意識したいのが夏の暑さです。蒸し暑く気温が上がりやすいため、真夏は日中を避け、気温の低い早朝か日が傾いてからの時間帯を選ぶのが基本。江津湖や白川河川敷のように木陰や水辺のあるコースは、同じ気温でも体感がいくらか楽になります。帽子とこまめな水分補給を欠かさず、無理にペースを追わないことが、熊本の夏を走り切るコツです。

水がおいしい街であることも、地味ながら効いてきます。市内の公園や施設の水道から出てくるのは良質な地下水。走る前後の給水や、頭から水をかぶってのクールダウンまで、水まわりのありがたみを実感できるのは「水の都」熊本ならではです。水分と塩分の補給は自分で携行する前提で計画を立てつつ、熊本の水のおいしさも楽しみの一つに数えてみてください。

熊本城マラソンという目標

走り続けるモチベーションがほしいなら、毎年2月に開かれる熊本城マラソンを目標に据えるのがおすすめです。フルマラソンに加え、金栗記念熊日30キロロードレース、城下町を巡るファンランの区分があり、城下町・熊本の街を1万人を超えるランナーが駆け抜ける一大イベント。沿道の応援が手厚いことでも知られています。

本番に向けた練習なら、距離は江津湖で、スピードとフォームは二の丸広場や坪井川緑地で——と役割を分けると組み立てやすくなります。土の路面で脚をいたわりながら距離を積み、目標の大会で城下町を走る。熊本の地形と水と歴史を味わい尽くす、それが熊本市ランニングを続ける醍醐味です。

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Written by

伊藤 健一

フードコーディネーター

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