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札幌のミュージアム散歩|北海道立近代美術館と北海道のアート
観光・体験
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札幌のミュージアム散歩|北海道立近代美術館と北海道のアート

北海道立近代美術館──札幌が誇る文化の拠点

札幌市中央区北1条西17丁目、地下鉄東西線「西18丁目」駅から徒歩5分ほどの場所に、北海道立近代美術館はひっそりと佇んでいます。1977年の開館以来、北海道を代表するアートの殿堂として地域の文化を支え続けてきた施設です。ガラス張りの開放的なエントランスと、植栽の緑が調和した外観は、訪れる前から芸術的な空気を漂わせています。

常設展示では、北海道ゆかりの作家たちによる絵画・彫刻・版画が時代ごとに整理されており、近代から現代にかけての北海道美術史をひと通り体感できます。特に注目したいのが、道内を代表する洋画家・三岸好太郎の作品群です。大正から昭和初期にかけて活躍した彼の独特のタッチは、北海道の風土と都会的な感性が交差する独自の世界観を持ち、初めて目にする人でも強く引き込まれます。また、地元ゆかりのガラス工芸や彫刻作品も豊富に収蔵されており、美術史に詳しくない人でも楽しめる多様な鑑賞体験が用意されています。観覧料は常設展のみであれば大人510円とリーズナブルで、特別展開催中は別途料金が必要ですが、それでも全国の主要美術館と比較して手頃な価格設定です。

特別展・企画展で見る現代アートの潮流

北海道立近代美術館の魅力は常設展だけにとどまりません。年間を通じて複数の特別展・企画展が開催されており、国内外の著名作家の作品を間近で鑑賞できる機会が定期的に設けられています。過去にはピカソやシャガール、日本を代表する現代アーティストの大規模回顧展が開催され、期間中は道外からも多くのアートファンが訪れました。

展覧会情報は公式ウェブサイトで随時更新されており、夜間開館(20時まで)が実施される特別展期間中は、仕事帰りに立ち寄ることもできます。ミュージアムショップでは展覧会図録のほか、地元アーティストのポストカードやオリジナルグッズも販売されており、旅の記念品としても人気です。館内のカフェスペースでは、鑑賞の合間にコーヒーを片手にゆっくり過ごすことができ、訪問全体をひとつの文化的な体験として完結させる工夫が随所に感じられます。

近隣のアートスポット──三岸好太郎美術館と周辺散策

北海道立近代美術館を訪れたなら、徒歩数分の距離にある三岸好太郎美術館もぜひ立ち寄りたいスポットです。1967年に開設されたこの美術館は、早世の天才画家・三岸好太郎の作品を専門に収蔵・展示しています。31歳という若さでこの世を去った三岸が残した約400点の作品のうち、代表作を中心に常時40〜50点が展示されており、その色彩の鮮やかさと画面から漂う独特の緊張感は、観る者の心に深く刻まれます。

こちらの観覧料は大人250円と非常に低廉で、北海道立近代美術館との共通観覧券(560円)を利用すれば、両館をリーズナブルに巡ることができます。周辺は緑豊かな円山公園エリアに近く、美術館をはしごした後は円山動物園(入園料600円)や北海道神宮への参拝と組み合わせた散策コースも組みやすい立地です。特に秋は紅葉が美しく、北海道神宮の境内のモミジが赤く染まる10月下旬〜11月上旬は、アートと自然の両方を楽しめる贅沢な一日を過ごせます。

北海道のアートシーンを支えるクリエイターたち

北海道アートシーンは、美術館の枠を超えて街全体に広がっています。札幌市内には個性豊かなギャラリーが点在しており、中でもサッポロファクトリー(元サッポロビール工場跡地を再開発した複合施設)には、定期的に展示イベントが開催されるギャラリースペースが設けられています。また、大通公園周辺のビルの地下や路面店には、若手アーティストが運営するアートギャラリーが集まり、最新の道産子アートを無料または低価格で体験できます。

2017年に始まった「SAPPORO INTERNATIONAL ART FESTIVAL(SIAF)」は、3年に1度開催される国際的なアートフェスティバルとして道内外の注目を集めています。札幌市内各所を会場に、国内外のアーティストが参加するこの祭典は、街そのものをアートの舞台に変えることをコンセプトとしており、参加アーティストの多くが北海道の風土や歴史からインスピレーションを受けた新作を発表しています。次回開催の際には、美術館訪問と組み合わせてSIAF会場を回るルートを組むと、現代アートの最前線を肌で感じられる特別な体験になるでしょう。

ミュージアム訪問のベストシーズンと実用情報

北海道立近代美術館と周辺アートスポットを巡るなら、春(4〜5月)と秋(10〜11月)がおすすめです。春は桜の開花とともに新企画展がスタートすることが多く、フレッシュな展示を楽しみながら大通公園の花見も同時に楽しめます。秋は紅葉シーズンとも重なり、円山公園の色鮮やかな木々を眺めながら美術館への道を歩くだけで、すでに心が豊かになる感覚があります。

夏は冷涼な北海道らしい気候のおかげで、空調の効いた美術館が絶好の避暑スポットになります。逆に冬は観光客が比較的少なく、混雑を気にせずじっくりと作品に向き合えるのが魅力です。アクセスは地下鉄東西線「西18丁目」駅が最寄りで、地下鉄1日乗車券(830円)を使えば市内各所への移動もコスパよく済ませられます。ランチには近隣の円山エリアにおしゃれなカフェや定食屋が多く、美術館鑑賞の前後に立ち寄る店を事前にリストアップしておくと、より充実したミュージアム散歩になるでしょう。

北海道のアートを旅のテーマに

観光地の有名スポットをただ巡るだけでなく、北海道アートを旅のテーマに設定してみると、札幌訪問の奥行きがぐっと広がります。北海道立近代美術館と三岸好太郎美術館を軸に、円山公園の散策、すすきの周辺の現代アートギャラリー巡り、そしてSIAFの会期中であれば市内各地のアートインスタレーションを探す街歩きを組み合わせれば、1泊2日では足りないほど濃密なアート旅が実現します。

北海道の広大な自然が培った開拓者精神と、多様な文化が交差する道都・札幌が生み出すクリエイティビティは、他の都市では体験できない独自のアートシーンを形成しています。ぜひカメラと好奇心を手に、札幌のミュージアムを起点にした豊かな文化体験の旅へ出発してみてください。

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Written by

高橋 大地

アグリツーリズム推進者

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