ショッピング
道後温泉街でみつける、心ときめく買い物時間|湯上りのあとは、思い出をおみやげに
愛媛県松山市の道後地域は、日本最古の湯として知られる名高い温泉地。白鷺伝説が残る湯の町には、明治時代に建てられた道後温泉本館をはじめ、歴史ある建造物が立ち並び、訪れる人々をゆっくりと別世界へ導きます。本館は国の重要文化財にも指定されており、その周囲に広がる温泉街全体が、日本の原風景とも言える景観を今に伝えています。そんな道後で、温泉旅を彩る「買い物」は、ただの消費行動ではなく、思い出をかたちにする大切な時間。湯上りの心地よさと、町歩きの楽しさが重なるショッピングスポットを、このコラムで丁寧にご案内します。
温泉の香りに包まれた、昭和レトロな商店街
道後温泉本館から続く「道後ハイカラ通り」は、地元の人々と観光客が入り混じる活気ある商店街。全長約250メートルのアーケード街には、石畳が敷かれた通りの両脇に懐かしい看板建築が軒を連ね、歩くだけで時間がゆっくり流れるように感じます。
ここでの買い物は、ただ物を選ぶことではなく、風情ある町並みそのものを味わう体験です。200円から500円程度で手に取れる民芸品や、地元職人が丁寧に作った小物類が、棚を埋め尽くしています。特に人気なのは、道後温泉本館を象ったミニチュア置物や、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の主人公をモチーフにした雑貨類。これらは価格も手頃で、複数の友人・知人へのおみやげを一気にそろえるのに重宝します。
商店街は朝8時から夜7時頃まで開いており、その時々で異なる表情を見せます。午前中は地元の人々の日常的な買い物姿が見られ、夕方になると観光客でにぎわいを増します。黄昏時に訪れると、和紙の暖簾がランプの灯りに照らされてさらに味わい深く見え、思わず写真を撮りたくなることでしょう。温泉の湯気が漂う中での買い物は、五感すべてを使う贅沢な体験です。
湯の香りをおみやげに|温泉関連商品の宝庫
道後に訪れたなら、温泉気分を自宅でも再現したい——そんな願いを叶えてくれるのが、温泉関連の商品を扱う専門店です。入浴剤から、温泉の湯を練り込んだ石けん、香りの良いボディーバター、さらには温泉水を使ったスキンケア化粧品まで、バリエーションは驚くほど豊かです。なかには道後温泉の源泉を配合したという希少な商品もあり、本物の温泉成分を持ち帰れる贅沢さが人気を集めています。
価格帯も手頃で、入浴剤は1個150円から800円程度、石けんセットなら1000円から2000円のものが主流。ちょっとした感謝の気持ちを込めた同僚へのおみやげから、自分への自愛ギフトまで、選ぶ楽しさが詰まっています。
特に季節の入浴剤は見逃せません。春は桜の香り、夏はひんやりとした柑橘系、秋は温かみのある和漢の香り、冬はゆずや檜の深い香りと、四季折々の表情を楽しめます。湯上りの柔らかい肌に、自分用に購入した香りの良い石けんを使う——そんな日常のちょっとした幸せが、道後での買い物から始まります。
地元の味を持ち帰る|食のおみやげスポット
温泉街には、必ず「あの味」が存在します。道後でも、地元の食文化が生きた食品店が点在しており、ここでの買い物は家族や友人への最高のおもてなしになります。
愛媛名物のみかんを使った羊羹やまんじゅう、地産の野菜を漬けた漬物、温泉卵をモチーフにした和菓子など、品揃えは多彩です。特に「坊っちゃん団子」は道後を代表する銘菓で、赤・緑・黄の3色の団子が串に刺さった愛らしい見た目が特徴。夏目漱石の名作「坊っちゃん」の舞台となった縁から生まれたこのお菓子は、観光客だけでなく地元の人々にも長年愛され続けています。
価格帯は800円から3000円程度で、ボリューム感のあるセット購入も可能です。冬の時期には、あたたかい汁物の素や、温泉地ならではの「温泉粥」セットなども登場。湯上りの空腹感をイメージしながら選んだおみやげは、受け取った側も道後の温かさを感じることができるはずです。
職人の想いが込もった工芸品を探す喜び
道後は、古い歴史の中で培われた職人技が今も息づく町。愛媛が誇る砥部焼(とべやき)の器、竹細工、木工品など、手仕事の温もりが伝わる工芸品を扱う小さな工房やギャラリーが、温泉街の路地裏に静かに営まれています。
砥部焼は松山市の隣、砥部町で生産される白磁の焼き物で、藍色の染め付けが特徴的。丈夫で実用的でありながら、その落ち着いた美しさは日常使いの食器として最適です。茶碗や湯呑みは1500円から5000円程度、少し大きな鉢や皿は5000円以上のものもありますが、使うたびに道後の旅を思い出せる一生ものの品として、多くの訪問者に選ばれています。
温泉に浸かって心身ともにほぐれた状態で職人の作品と向き合うと、なぜか心がすっと落ち着き、その品物を手に取りたくなるもの。オフシーズンの秋口や初夏なら、店主とのんびり話ができる良い機会でもあります。作品の背景にある想いを聞きながら選べば、おみやげではなく「物語を持った品物」を家に持ち帰ることになるのです。
湯上り散策でめぐる、道後のショッピングルート
道後でのショッピングを最大限に楽しむには、動線を意識した計画が大切です。おすすめは、道後温泉本館での入浴を済ませてから温泉街を歩くルート。本館から道後ハイカラ通りを抜けて商店街を回り、路地裏に点在する小さな工房やギャラリーを覗きながら、最終的に伊予鉄道・道後温泉駅方面へ向かう流れが、効率よく多様な店を楽しめる定番コースです。
買い物に適した時間帯は、午前10時から正午か、夕方16時以降。昼から夕方にかけては観光客が集中しやすいため、ゆっくりと品を選ぶなら時間帯を工夫することが賢明です。また、荷物が増えることを見越して、宿泊施設への一時預けが可能か事前に確認しておくと安心。身軽な状態で商店街を巡ると、より多くの発見ができます。
季節を感じる、道後ショッピングの旬を知る
道後は四季折々、異なる買い物体験を用意してくれます。春は新緑と桜のモチーフ商品、初夏は清涼感のある色合いの手ぬぐいや浴衣、秋は栗や柿を使った上生菓子、冬は温かみのある和柄の小物や、ゆずを使った入浴剤が人気を集めます。毎回訪れるたびに季節による新しい出会いがあるのが、道後温泉街での買い物の醍醐味です。
道後温泉街での買い物は、ただ商品を選ぶのではなく、湯の町の文化と向き合い、訪れた自分自身を新しく見つめ直す時間。次の休みに、温泉の湯けむりの中で、「あの品物」との出会いを待ってみませんか。
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