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長野市サイクリングガイド——千曲川の堤防から飯綱・戸隠のヒルクライムまで
観光・体験
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長野市サイクリングガイド——千曲川の堤防から飯綱・戸隠のヒルクライムまで

川も高原も一つの街で——長野市がサイクリストに愛される理由

長野市は、善光寺平(長野盆地)の平坦な谷底と、その北に連なる飯綱(いいづな)・戸隠(とがくし)の高原が一つの市域に収まる、変化に富んだサイクリングの拠点です。盆地を流れる千曲川と犀川(さいがわ)の堤防には平坦な専用道が延び、初心者でも体力に応じて距離を選べます。一方、北へハンドルを向ければ標高1,000m級のヒルクライムが待っています。盆地を囲むのは斑尾(まだらお)・妙高(みょうこう)・黒姫(くろひめ)・戸隠・飯縄の「北信五岳(ほくしんごがく)」。頭文字をとって「まみくとい」と覚えるこの山並みを眺めながら走れるのが、長野市ならではのサイクリングの醍醐味です。起点はJR長野駅で、観光のあとそのまま走り出せます。

平坦ロングの王道——千曲川サイクリングロード

長野市サイクリングの背骨が、千曲川の堤防を使った自転車歩行者専用道「千曲川サイクリングロード(一般県道上田千曲長野自転車道)」です。上田市中之条から長野市篠ノ井塩崎まで全長およそ23.1km、堤防の上をほぼ信号なしで走り抜けられます。アップダウンが少なく、ロードバイク初心者でも風景を楽しむ余裕があるのが魅力です。

川沿いにはりんご畑が広がり、収穫期の秋には赤い実が連なる長野らしい光景が続きます。長野市と須坂市を結ぶ村山橋(むらやまばし)あたりが休憩の目安になります。川中島古戦場を起点に松代(まつしろ)を回り、千曲市の戸倉上山田(とぐらかみやまだ)温泉まで足を延ばすコースは約42.8km・所要およそ2時間10分(休憩を除く)。獲得標高は116m前後とごく緩やかで、終点の温泉地は長野市外の千曲市にあたります。さらに坂城(さかき)町のバラ公園まで往復すれば60km超のロングになりますが、それでもほぼ平坦という、この川沿いならではの懐の深さがあります。

北信五岳を眺める善光寺平の周回

平坦路にもう少し変化をつけたいなら、長野駅を出て小布施(おぶせ)町を経由し、犀川と千曲川が潤す善光寺平の田園を回って善光寺へ戻る約39.0kmの周回が定番です。所要はおよそ2時間10分、獲得標高262m前後と、緩い起伏が織り込まれます。視界の開けた堤防や田園からは、雪をかぶった北信五岳が一望でき、写真を撮る手が止まりません。小布施は長野市外の隣町ですが、栗菓子で知られる門前町として立ち寄り甲斐があります。善光寺は徒歩観光の主役ですが、ここではあくまで周回の折り返し点として、門前の空気を自転車の速度で味わうのがこの記事の流儀です。

飯綱・戸隠へ——長野市北部のヒルクライム

長野市の魅力は、盆地から一気に高原へ駆け上がれることにあります。市の北部に広がる飯綱高原・戸隠は、行政上は長野市域でありながら、市街地から20km以上離れた標高1,000m前後の別世界です。代表的なのが「飯綱高原・戸隠鏡池(かがみいけ)コース」で、走行距離約23.2km・獲得標高523m・所要およそ1時間25分の中級ヒルクライム。登り切った先の鏡池は、戸隠連峰を水面に映す名所として知られます。

さらに本格派には、鬼無里(きなさ)を経由する戸隠コース(約45.8km・獲得標高1,173m・所要およそ2時間50分)があり、峰方(みねかた)峠は標高1,055mに達します。高原一帯はそば畑や牧場が点在し、登坂の苦労に見合う眺望が広がります。ただし山岳エリアのため、高原向けレンタサイクルの営業はおおむね4月下旬から11月上旬まで。冬は積雪で通行できない区間が多く、ヒルクライムは雪のない季節に限られる点に注意してください。

オリンピック道路と上級者のロングライド

走り込んだサイクリストには、長野市北西部から白馬方面へ抜けるロングライドも選択肢です。長野オリンピックの幹線として整備されたオリンピック道路(県道31号長野大町線)は、長野市と大町・白馬を結ぶ道として知られます。長野市の道の駅中条(なかじょう)を起点に峰方峠を越えて市域の外へ抜ける約95.2kmのコースは、獲得標高1,690m・所要およそ5時間の上級ロングです。長野市内で完結はしませんが、盆地の街なかから一日で北アルプスの懐まで届く立地の良さを実感できるはずです。

レンタサイクルと装備の目安

手ぶらで楽しむなら、長野駅周辺と川中島古戦場史跡公園に設置されたシェアサイクル(電動アシスト・Eバイク)が便利です。料金は目安として、小径車が最初の30分で130円前後・12時間上限1,800円ほど、大径車が最初の30分で200円前後・12時間上限3,000円ほど。アプリ登録制で貸出・返却・支払いが完結します。JR長野駅の観光情報センターではヘルメットの無料貸出もあります。

飯綱・戸隠や鬼無里では、高原向けのEバイクレンタルが季節限定で用意されています。料金の目安は半日で2,000〜3,000円、一日で3,000〜5,000円程度ですが、車種・エリア・期間によって変わるため、利用前に各事業者へ確認するのが確実です。いずれもヘルメット着用を前提に、高原は気温が市街地より低い点を踏まえた服装で臨んでください。

季節ごとの走り方と注意点

長野市のサイクリングは、コースによって適期が分かれます。千曲川・犀川沿いの平坦路は比較的長い期間走れますが、冬は路面の凍結と寒風、夏は盆地特有の暑さに注意が必要です。春は川沿いのあんずや桜、秋はりんごの収穫と山の紅葉、そして空気の澄む晩秋から冬には北信五岳の冠雪が美しく映えます。

一方、飯綱・戸隠などの高原ヒルクライムは雪のない4月下旬〜11月上旬が基本。標高差が大きいぶん下りは体が冷えるので、ウインドブレーカーを携行すると安心です。平坦ロングで脚を慣らし、慣れてきたら高原へ——川と山を一日で味わえる長野市ならではの組み立てを、ぜひ自分の脚で描いてみてください。

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Written by

小林 拓也

サイクリスト・旅人

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