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岩手山を望んで走る盛岡サイクリングガイド — 三河川の河川敷から御所湖・雫石高原まで
観光・体験
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岩手山を望んで走る盛岡サイクリングガイド — 三河川の河川敷から御所湖・雫石高原まで

盛岡のサイクリングは「岩手山を望む三つの川と、その先の高原」へ

盛岡市内をペダルで走ると、街がいかに水と山に抱かれているかがよく分かります。市街地では北上川・雫石川・中津川という三本の川が合流し、その向こうには標高2,038メートルの岩手山がそびえます。歩いて巡る城下町の風情とはまた別物で、自転車だからこそ味わえるのは、川沿いの堤防を一気に流すフラットなロング走と、御所湖や雫石の田園、岩手山麓のヒルクライムまで足を延ばせる行動半径の広さです。盛岡駅を起点に、平坦な河川敷から本格的な坂まで一日のなかで性格の違う道をつなげられるのが、この街のサイクリングの醍醐味です。

まずは三河川の堤防をフラットに流す

盛岡で最初に走りたいのは、市街地を抜ける川沿いの道です。開運橋や旭橋のあたりからは北上川越しに岩手山が望め、晴れた日には川面に山容が映ります。開運橋と旭橋のあいだの北上川沿いには木伏(きっぷし)緑地が整備され、川と空と岩手山を眺めながらの小休止に向きます。

手軽に走るなら都南大橋コース。北上川の両岸を使い、都南大橋から上流に遡って南大橋で対岸へ渡り戻る、全長およそ7.1キロのフラットな周回です。信号に煩わされず、初めての一台でも安心して脚を慣らせます。

距離を伸ばしたい人の本命が、盛岡矢巾自転車道(岩手県道502号盛岡矢巾自転車道線)。全長29.7キロの大規模自転車道で、盛岡市繋(つなぎ)の御所湖湖畔あたりを起点に、雫石川の堤防を下って市街近くを抜け、北上川と合流したあとは川沿いに南下して紫波郡矢巾町まで続きます。湖畔・川沿いと景色が移り変わり、片道だけでも十分に走りごたえがあります。

御所湖を一周する湖畔ライド

盛岡市街から雫石川をさかのぼった先にあるのが、雫石川をせきとめてできたダム湖・御所湖です。湖畔のつなぎ温泉を発着点に、つなぎ大橋を渡って反時計まわりに一周する約11.4キロのコースは、ほぼ平坦で信号もほとんどなく、湖と岩手山の眺めを止まらずに楽しめます。御所湖広域公園として整備され、芝生広場や水辺のエリアもあるので、のんびり派や慣らし走りにちょうどよい距離感です。走り終えたら、つなぎ温泉の日帰り湯で脚を休めるのも一興。発着点のつなぎ温泉は盛岡市繋にあり、盛岡駅からは車道を西へ走るか、バスや輪行を組み合わせてアクセスします。

雫石・小岩井農場の田園をロングで

もう一段スケールの大きい一日を望むなら、隣町の雫石町(岩手郡雫石町=盛岡市の外)へ。雫石駅を起点に玄武温泉、岩手高原のペンション村、そして創業130年余の小岩井農場を巡る周遊ルートは、おおよそ39キロ・半日ほどの行程です。牧草地の向こうに岩手山がどっしりと構え、農場のシンボル「一本桜」をはじめ、開けた高原の風景が続きます。多少のアップダウンはありますが、緑の田園を岩手山に向かって走る爽快感は盛岡周辺ならでは。雫石駅まで輪行し、現地を起点に組み立てると走りやすい一日になります。

岩手山麓のヒルクライム

登りで脚を試したい上級者には、岩手山の裾野が待っています。雫石町側では、小岩井農場の売店横を起点に岩手県道212号(雫石東八幡平線)を網張温泉方面へ上る大松倉山方面のヒルクライムが知られ、通行止め地点までで距離はおよそ19キロ、獲得標高は700メートル超に達します。路面状態がよく、木々の合間から牧場の風景がのぞくのが魅力です。滝沢市側では、岩手山登山口の馬返し(標高約630メートル)まで県道を上っていくアプローチがあり、登山者で賑わう高原に出ます。さらに足を延ばすなら、八幡平市の岩手山パノラマライン(約15.5キロ)が高原道路の定番ですが、こちらは盛岡市街からかなり離れるため、車載や輪行と組み合わせた一日がかりのツーリング向けです。いずれも交通量のある県道を通るので、明るいライトと反射材を備え、下りはスピードを抑えて走ってください。

レンタサイクルと走り出す前のメモ

手ぶらで走るなら、盛岡駅前にレンタサイクルがあります。駅前の自転車駐車場では一般車のほか電動アシスト車なども当日貸し出しており、料金は車種によって一日あたり数百円〜千円程度が目安です(予約不可・当日中の返却・営業時間や在庫は要確認)。中心市街地のプラザおでってにも観光向けのレンタサイクルがあります。坂の多い盛岡市街や御所湖方面への往復には、電動アシストを選ぶとぐっと楽になります。

走る時期は春から秋がおすすめです。御所湖や雫石、岩手山麓の高原ルートは、雪国の盛岡では冬季に積雪・凍結で実質的に走れなくなるため、雪が解ける春以降に計画してください。市街の川沿いも、岩手山が雪をかぶる初冬までがもっとも快適です。装備は、日差しと風の強い河川敷・高原に備えた防風と日よけ、そして山あいは天候が変わりやすいので雨具を一つ。岩手山を正面に見据えて走る一本は、盛岡でしか描けないサイクリングの記憶になります。

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Written by

高橋 大地

アグリツーリズム推進者

日本刀×日本文化体験

観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。