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青森市のB級グルメ完全ガイド|味噌カレー牛乳ラーメン・のっけ丼・生姜味噌おでん
グルメ
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青森市のB級グルメ完全ガイド|味噌カレー牛乳ラーメン・のっけ丼・生姜味噌おでん

「青森市の名物」を正しく押さえる

青森というと、八戸のせんべい汁やいちご煮、黒石のつゆやきそばを思い浮かべる人も多いのですが、これらはいずれも県南の八戸市や中弘南黒の黒石市が本場で、県都・青森市の名物ではありません。青森市そのもののB級グルメの核は、市内で生まれ育った味噌カレー牛乳ラーメンのっけ丼生姜味噌おでんの三本柱です。これに、青森市が玄関口となって味わえる陸奥湾や津軽海峡の海の幸が加わります。本州最北の県都らしく、寒さと港の歴史が料理に色濃く刻まれているのが青森市の食の個性。JR青森駅・新青森駅を起点に、市の中心街でこの三本柱から攻めるのが王道です。

ご当地ラーメンの極北、味噌カレー牛乳ラーメン

青森市を語るうえで外せないのが、味噌・カレー・牛乳という一見奇妙な組み合わせを一杯にまとめた味噌カレー牛乳ラーメンです。発祥は青森市内の「味の札幌」。札幌でラーメン店をしていた店主が1968年に青森へ移って開業し、店でラーメンにさまざまなものを入れて食べるのが流行るなかから、客の声に応えて1978年に正式メニュー化したと伝わります。味噌のコクにカレーのスパイス、そして牛乳とバターのまろやかさが重なり、最後にバターが溶け出すと驚くほど一体感が出る——理屈ではなく食べて納得する味です。

スープは札幌仕込みの濃いめの味噌ベースで、そこにカレー粉と牛乳が加わるため、見た目よりもまろやかでクリーミー。中太のちぢれ麺がスープをよく持ち上げ、もやしや挽き肉と一緒にすすると、最初に味噌、次にカレーのスパイス、最後に牛乳とバターのコクが追いかけてくる多層的な味わいになります。提供するのは初代店主の流れをくむ市内の数軒で、一杯あたり900〜1,200円前後が目安。トッピングにわかめ・メンマ・バターを乗せるのが定番です。「ゲテモノでは」と身構える人ほど、すすった瞬間にファンになりがち。青森市内のラーメン店や食堂で広く扱われるようになり、今では青森市民のソウルフードとして根付いた、ここでしか出会えない一杯です。

市場で自分だけの一杯を作る、のっけ丼

青森駅から徒歩数分、昭和40年代から市民の台所として親しまれてきた古川市場(青森魚菜センター)で楽しめるのが、のっけ丼です。これは2010年の東北新幹線・新青森駅開業を機に、青森商工会議所が観光振興として始めた比較的新しい食べ方。まず食券を買い、どんぶりのご飯を受け取ったら、市場の店々を回って好きな海の幸を一品ずつ「のっけて」いきます。

マグロの赤身や中トロ、ホタテ、サーモン、イクラ、甘エビ、ウニなど、その日に揚がった旬のネタを自分の好みで組み合わせられるのが醍醐味。食券を何枚使うかで値段が決まる仕組みで、軽めなら1,000円前後、贅沢にネタを盛れば2,000〜3,000円ほどが相場の目安です。市場のおばちゃんと言葉を交わしながら一品ずつ選ぶ時間そのものが楽しく、できあがる丼は世界に一つだけ。朝から開いているので、朝食や早めの昼食にぴったりです。

港町の知恵が生んだ、生姜味噌おでん

寒い季節に青森市の屋台や居酒屋で温まるなら、生姜味噌おでんを。おでんのタネに、すりおろした生姜を効かせた甘めの味噌だれをたっぷりかけて食べる、青森市ならではのスタイルです。発祥は戦後まもない昭和20年代。極寒の冬に青函連絡船で北海道へ渡る乗客の体を少しでも温めようと、青森駅周辺の屋台でおかみさんがおでんに生姜入りの味噌だれをかけて出したのが始まりと言われています。連絡船が結んだ港町の歴史が、そのまま一皿に残っているわけです。

タネにはツブ貝や根曲がり竹(細いタケノコ)、大角天といった青森らしい具材が並ぶのも特徴で、定番のダイコンや玉子はもちろん、ホタテを入れる店もあります。一品おおむね100〜300円程度が相場の目安で、串でつまみながら熱燗を傾けるのが地元流です。生姜味噌は今や市内のコンビニのおでんにも常備されるほど浸透しており、辛子の代わりにこれを添えてくれる店も少なくありません。冷えた体に生姜の辛味と味噌の甘みがじんわり染み、青森の冬の厳しさと優しさを同時に味わえます。一年を通して出す店もありますが、雪の積もる時期に屋台や小さな居酒屋ののれんをくぐって食べる一皿は、季節の体験としても格別です。

県都で味わう、陸奥湾と津軽海峡の海の幸

青森市は、市そのものの名物だけでなく、青森県が誇る海産ブランドが集まる集積地でもあります。なかでも身近なのが、青森市も面する陸奥湾のホタテ。養殖ホタテ水揚げ日本一を誇る平内町をはじめ湾内各地で育てられ、八甲田山系などから注ぐ栄養豊かな水が、肉厚でまろやかな甘みの身を育てます。青森駅近くには釣り竿でホタテ釣りを体験できる施設もあり、刺身や焼き、フライで楽しめます。

もう一つの憧れが大間まぐろ。ただしこれは青森市の漁ではなく、本州最北端・下北半島の大間町が水揚げするブランドで、青森市からは車でおよそ3時間と距離があります。それでも県都の青森市には大間産をうたう寿司店や割烹もあり、わざわざ大間まで足を運ばずとも、津軽海峡の荒波で締まった本マグロの大トロを味わえるのは県都ならでは。「市の名物」ではなく「青森県の宝を県都でいただく」という位置づけで楽しむのが、正しい味わい方です。

食べ歩きの拠点と回り方

これらを巡る拠点になるのが、青森駅東口から県庁方向へ約1kmのびる新町(しんまち)通りの商店街です。雪国らしくアーケードが整い、デパートや物販店に飲食店が混じる、旧市街でいちばん賑わうエリア。市場でのっけ丼を味わうなら朝から動き、夜は中心街の居酒屋で生姜味噌おでんと地物のホタテ、味噌カレー牛乳ラーメンで締める——そんな一日の流れが組みやすい街です。

リンゴ生産量日本一の県らしく、市内にはアップルパイの名店や専門店も点在しているので、食後の甘いものにも事欠きません。青森市のB級グルメは、奇抜なラーメン、自分で作る海鮮丼、港町生まれのおでんと、どれも一目で「他の街にはない」とわかる顔ぶれ。八戸や黒石の名物と混同せず、青森市生まれの味から攻めれば、本州最北の県都の食の輪郭がくっきり見えてきます。

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Written by

吉田 麻衣

フォトグラファー

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