戸越銀座商店街
東京・品川区に位置する戸越銀座商店街は、全長約1.3kmにわたって約400店舗が軒を連ねる、東京で最も長い商店街として知られています。「コロッケストリート」の異名をとるほどコロッケ専門店や精肉店が集中し、毎日多くの食べ歩きファンを引きつける下町グルメの聖地です。
「銀座」という名前の由来と歴史
戸越銀座の「銀座」という名前は、東京・中央区の銀座に由来しています。大正12年(1923年)の関東大震災後、銀座の瓦礫がこの地の道路舗装に使われたことから、地元の人々が「銀座の土を踏んでいる」と誇りに思い、「戸越銀座」と名付けたとされています。
商店街としての歴史は大正時代後期にさかのぼり、昭和30〜40年代の高度経済成長期には最盛期を迎えました。周辺住宅地の拡大とともに生活を支える商業地として発展し、肉屋・八百屋・魚屋・豆腐屋といった食料品店が通りを賑わせました。その後、郊外型大型スーパーやコンビニエンスストアの台頭による「シャッター商店街」問題が全国を席巻するなか、戸越銀座は独自の個性と地域密着力を武器に、廃れることなく活気を保ち続けてきました。現在も昔ながらの専門店と新しいカフェやベーカリーが共存し、時代に合わせて進化を続ける商店街の模範例として注目されています。
コロッケ激戦区・食べ歩きの魅力
戸越銀座を全国的に有名にした最大の理由が、「コロッケの激戦区」としての地位です。商店街には複数の精肉店やコロッケ専門店が点在し、それぞれが個性豊かなコロッケを揃えています。揚げたての熱々を1個100円前後から気軽に購入できるのが魅力で、週末には各店舗前に行列ができることもめずらしくありません。
各店の工夫も見逃せません。厳選した和牛を使ったビーフコロッケ、スパイスの効いたカレーコロッケ、クリーミーなコーンクリームコロッケ、ほっくりとしたじゃがいもが際立つ昔ながらのシンプルなコロッケなど、店ごとに異なる味のバリエーションを食べ比べる楽しみがあります。「何軒はしごできるか」を競い合うように食べ歩くのが、戸越銀座流の楽しみ方です。
コロッケ以外にも食べ歩きメニューは充実しています。焼き鳥、串揚げ、たこ焼き、今川焼き(大判焼き)、メロンパンなど、昔ながらの惣菜から和洋折衷のスイーツまで、飽きることなく歩ける充実のラインナップが揃っています。
進化する商店街の現在
戸越銀座が長く愛されている理由のひとつが、伝統と革新の共存です。昭和から続く老舗の八百屋、魚屋、和菓子店が健在である一方、近年は個性的なカフェ、おしゃれなパン屋、スペシャルティコーヒーの店、クラフトビールが楽しめるバーなども増え、若い世代や観光客も取り込んでいます。
また、商店街のアーケードが途中で途切れることなく続いているため、雨の日でも傘を差さずに散策できるのが嬉しいポイント。通り全体がひとつの大きな屋根に守られているわけではないものの、屋根つきのアーケード区間が長く続いているため、天候を気にせず食べ歩きを楽しめます。
商店主たちの熱心なコミュニティ活動も商店街の活力の源です。独自のスタンプラリーやイベント企画、SNSでの情報発信など、時代のニーズに合わせた集客努力が、地元客と観光客の双方に支持される理由となっています。
季節ごとの楽しみ方
戸越銀座は一年を通じて楽しめますが、季節によって異なる魅力があります。
春(3〜5月)は、近隣の戸越公園の桜が見ごろを迎えるシーズンです。花見を楽しんだ後に商店街に立ち寄り、惣菜や弁当を購入して公園でピクニックをするというコースが地元住民に人気です。商店街にも春らしい食材や季節の和菓子が並び始め、彩り豊かな光景が広がります。
夏(7〜8月)には、商店街を舞台にした夏まつりや縁日が開催されることがあります。浴衣姿で商店街を歩く人も増え、かき氷や冷たい甘酒など夏ならではのメニューが登場します。夕暮れ時の商店街は涼しい風が通り、下町情緒あふれる夕涼みの散歩が楽しめます。
秋(9〜11月)は、さつまいもや栗を使った季節限定コロッケや惣菜が各店に登場します。商店街には秋の味覚を使った新作メニューが並び、食べ歩きの楽しさが一段と増す時期です。気候も穏やかで歩きやすく、散策には最適なシーズンです。
冬(12〜2月)は、おでんや揚げたての天ぷら、豚汁などの温かいメニューが恋しくなる季節。揚げたてコロッケの温かさが体に沁みるこの時期は、冬の食べ歩きの醍醐味を存分に味わえます。年末には正月用の食材を求める地元住民で商店街が大いに賑わい、活気あふれる年の瀬の風景を体感できます。
アクセスと周辺スポット
戸越銀座へのアクセスは非常に便利です。東急池上線「戸越銀座駅」が商店街のほぼ中央に位置しており、五反田駅から乗車すれば2駅・約4分と都心からの距離感も絶妙です。また、都営浅草線「戸越駅」も商店街の北側端に近く、こちらからのアクセスも良好です。
周辺には静かな住宅街が広がり、地元の日常生活と観光の空気が自然に混じり合う独特の雰囲気を楽しめます。商店街を抜けた先にある戸越公園は、都内でも有数の梅林と日本庭園を持つ静かな公園で、食べ歩きの後の腹ごなしに最適です。
品川区内の他スポットとの組み合わせも便利です。品川駅周辺や目黒、五反田といった主要ターミナル駅からも電車で数分のため、都内観光の「ひと休み」として組み込みやすい立地です。休日の昼下がり、ふらりと立ち寄って揚げたてコロッケを頬張りながら下町の風情を感じる──そんな気軽な旅の一コマにも、戸越銀座はぴったりです。
旅行者へのアドバイス
戸越銀座を最大限に楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。まず、訪れるなら週末の昼前後がおすすめです。多くの店が揚げたてを提供するピークタイムに重なり、商店街全体が最も活気にあふれる時間帯です。平日は比較的すいており、地元の方たちの日常的な買い物風景をゆったりと眺めながら散策できる楽しみがあります。
コロッケは複数店舗で少量ずつ購入して食べ比べるのが鉄則。現金のみの店舗も多いため、小銭を用意しておくと安心です。服や持ち物に揚げ物のにおいがつきやすいので、お気に入りの服で訪れる場合は注意が必要です。
地図や観光ガイドをあまり見すぎず、気ままにのんびり歩くのが戸越銀座の正しい楽しみ方。「次の角を曲がったら何があるだろう」という期待感とともに歩みを進めると、思わぬ名店や個性的な店舗との出会いがあります。東京の下町文化を肌で感じたい方にとって、戸越銀座は他には代えがたい体験を提供してくれる、特別な場所です。
アクセス
東急池上線 戸越銀座駅 徒歩1分
営業時間
10:00〜20:00(店舗により異なる)
予算内訳
飲食
¥1,500
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