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竹原町並み保存地区

竹原町並み保存地区

Photo: The Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism of Japan / Attribution / Wikimedia Commons
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広島県の瀬戸内海沿岸に位置する竹原市。穏やかな潮風が漂うこの港町の一角に、まるで時が止まったかのような江戸時代の街並みが広がっています。「安芸の小京都」と称される竹原町並み保存地区は、白壁と格子戸が連なる通りに、かつての繁栄の歴史と日本の美意識を今も静かに語りかけてくる場所です。

塩と酒が育てた商人の町

竹原の歴史を語るうえで欠かせないのが、製塩業の繁栄です。江戸時代、竹原の沿岸部では「入浜式塩田」と呼ばれる技法による塩の大規模生産が行われ、良質な塩が瀬戸内海の航路を通じて全国へと流通しました。この塩産業が生み出した莫大な富によって、豪商たちは現在の保存地区に立派な町家を建て連ね、文化や学問のパトロンとしても活躍しました。

さらに竹原は、日本酒の産地としても名を馳せました。製塩と並ぶ地場産業として酒造業が根付き、今も竹原市内にはその伝統を受け継ぐ酒蔵が残っています。江戸中期から後期にかけて繁栄した商人文化は、寺社仏閣の建立や私塾の開設にも波及し、学問・芸術を愛する知的な気風を生み出しました。商人たちが蓄えた経済力と文化的素養が重なり合い、この小さな港町は西日本有数の文化的な都市へと発展していったのです。

江戸の面影が残る町並みを歩く

保存地区の中心は「竹原本町地区」と呼ばれるエリアで、1974年に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されています。石畳の通りに沿って並ぶのは、江戸後期から明治にかけて建てられた白漆喰塗りの商家や武家屋敷。格子窓や虫籠窓(むしこまど)、なまこ壁といった伝統的な建築意匠が当時のままの姿で保存されており、一歩足を踏み入れると自然と歩調がゆっくりになります。

なかでも見逃せないのが「竹鶴酒造」周辺の一帯です。ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝の生家として知られる竹鶴酒造は、今も酒造りの伝統を守り続けており、建物外観を眺めながら歴史に思いを馳せることができます。また、保存地区内には「竹原市立歴史民俗資料館」をはじめ無料または低料金で見学できる施設も点在しており、じっくり歩きながら竹原の歴史の重みを体感できます。通りのあちこちに設けられた説明板を読み進めるだけでも、製塩業や酒造業が支えた商人文化の豊かさが自然と伝わってきます。

四季折々の表情を楽しむ

竹原の町並みは、季節ごとに異なる顔を見せてくれます。春は町内の随所に咲く桜が白壁と調和し、淡いピンクと漆喰の白のコントラストが美しい風景を作り出します。保存地区近くの頼惟清旧宅や春風館周辺では、古い塀と桜のとりあわせが写真映えするスポットとして人気があります。

夏は瀬戸内の温暖な気候のもと、風鈴や縁台といった涼やかな演出が保存地区を彩ります。秋になると、イチョウやモミジが古い家屋の軒先を赤や黄に染め、歴史的な景観に深みのある色を加えます。そして毎年秋に開催される「たけはら憧憬の路(どうけいのみち)」では、保存地区の通りに竹灯籠やキャンドルが並べられ、夕暮れとともに幻想的な光景が広がります。普段の昼間とはまったく異なる、ロマンチックな竹原の夜を体験できる人気イベントです。冬は観光客が少なく、しっとりと静かな雰囲気のなかでゆっくりと町を歩けるシーズンでもあります。

立ち寄りたい周辺スポット

竹原を訪れたなら、保存地区だけでなく周辺のスポットも合わせて楽しみたいところです。竹原港からフェリーで約15分の沖合には、野生のウサギが生息することで有名な「大久野島(おおくのしま)」があります。かつて旧日本軍の毒ガス製造施設が置かれた歴史的な背景を持つ島でもあり、現在は「うさぎの島」として国内外から多くの観光客が訪れています。島内を歩けば人懐こいウサギたちが次々と近づいてきて、子どもから大人まで楽しめる自然体験の場となっています。

保存地区の周辺には、地元の食材や工芸品を扱う土産物店やカフェも点在しています。瀬戸内産の新鮮な魚介類を使った料理や、竹鶴酒造をはじめとする地元酒蔵の日本酒は、竹原ならではの味覚として旅の記憶に残ることでしょう。散策の合間にひと休みしながら、地域の食文化に触れてみてください。

アクセスとめぐり方のヒント

竹原へのアクセスは、JR呉線「竹原駅」が最寄り駅です。広島駅からは呉線直通で約1時間30分、三原駅からは約35分で到着します。車の場合は山陽自動車道の河内インターチェンジから約20分ほどです。

保存地区は竹原駅から徒歩約10分とアクセスが良く、地区内はコンパクトにまとまっているため、2〜3時間あれば主要な見どころをひと通り歩いて回ることができます。大久野島への日帰りも合わせた場合は、午前中に保存地区を散策し、午後にフェリーで島を訪れるプランがおすすめです。歴史ある町並みと瀬戸内の自然をバランスよく楽しめる、充実した一日旅となるでしょう。春の桜や秋のライトアップのシーズンはとくに混雑するため、早めの行動と事前の情報収集をおすすめします。

アクセス

広島県竹原市内、最寄り駅またはバス停からアクセス

営業時間

散策自由

料金目安

散策無料

編集部最終確認: 2026-04-25 (AI抽出)

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