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しまなみ海道サイクリング

しまなみ海道サイクリング

Photo: Junichi Nishimura / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
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瀬戸内海に浮かぶ島々を橋でつなぎ、広島県尾道市から愛媛県今治市まで約70kmを自転車で旅するしまなみ海道。国内外のサイクリストから「聖地」と称えられるこのルートは、絶景と文化、グルメが一体となった唯一無二の旅体験を提供しています。

しまなみ海道の成り立ちと背景

しまなみ海道の正式名称は「西瀬戸自動車道」。1999年に開通したこの道路は、本州と四国を結ぶ3本目の海峡ルートとして整備されました。自動車専用道路ではありますが、並走する形で自転車・歩行者専用の道が整備されており、日本では珍しい「自転車で海峡を渡れる道」として早くから注目を集めました。

開通当初はまだ無名に近い存在でしたが、2012年には米CNNトラベルが「世界7大サイクリングロード」のひとつに選定。これを機に海外からのサイクリストが急増し、今では年間を通じて台湾・欧米・オーストラリアなど世界各国からライダーが集まる国際的なサイクリングスポットへと成長しました。ルート沿いには数多くのレンタサイクルターミナルやゲストハウスが整備され、自転車旅を中心とした観光インフラが充実しています。

6つの島を渡る、橋と絶景の連続

しまなみ海道のサイクリングルートは、尾道から今治にかけて向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島の6島を7本の橋でつないでいます。それぞれの橋は高さや長さが異なり、橋の上から見える景色もまったく違います。

最初に渡る尾道大橋(新尾道大橋と並走)を越えると向島に入ります。穏やかな田園風景が広がるこの島は、まさに「瀬戸内の原風景」といった趣。続く因島大橋は全長1,270mの吊り橋で、橋の下層部が自転車・歩行者専用になっており、橋上から見渡す多島美は圧巻です。

生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋は全長1,480mを誇り、しまなみ海道最長の橋。橋の中央に県境があり、橋上でひと休みすると風が心地よく吹き抜けます。大三島から大島にかけては伯方島を経由しますが、この区間は特にアップダウンが少なくスピードに乗って走れるため、サイクリスト同士が笑顔で挨拶を交わし合う姿が多く見られます。

ゴール地点の今治は「タオルの街」としても知られ、今治城の石垣が青空に映える港町。ルート最後の来島海峡大橋は世界初の三連吊り橋で、全長4,105mという圧倒的なスケールを誇ります。橋の上からは潮流の速い来島海峡と無数の島々が一望でき、達成感と感動が一気に押し寄せてきます。

島ごとに異なる文化とグルメを楽しむ

しまなみ海道の魅力はサイクリングだけではありません。各島に立ち寄ることで、それぞれ異なる歴史・文化・食の世界が待ち受けています。

因島は戦国時代に瀬戸内海の制海権を握った「村上水軍」ゆかりの地。因島水軍城では当時の海賊衆(水軍)の歴史を伝える資料が展示されており、海の覇者たちのロマンを感じることができます。また、因島はハッサクの発祥地としても有名で、ハッサク大福や八朔ジュースはぜひ試したい名物です。

生口島には「耕三寺」という壮麗な伽藍が立ち並ぶ寺院があり、白大理石の庭園「未来心の丘」では異空間のような景色が広がります。島全体が「芸術の島」とも呼ばれ、平山郁夫美術館(世界遺産の画家・平山郁夫の出身地)も見どころのひとつ。レモンの産地としても知られ、島内のカフェではレモンを使ったスイーツや料理が豊富に揃います。

大三島は「神の島」と称され、全国に2,300社以上ある大山祇神社の総本社が鎮座しています。武具の宝庫としても名高く、国宝・重要文化財の武器・甲冑が数多く奉納されています。大山祇神社周辺には地元の海産物を使った食堂が点在し、タコ飯や鯛めしなど瀬戸内の恵みを味わえます。

季節ごとの楽しみ方

しまなみ海道は一年を通してサイクリングが楽しめますが、季節によって表情が大きく変わります。

春(3〜5月) は最もおすすめのシーズン。島々の斜面を覆うように咲く桜やみかんの花の香り、穏やかな気候が相まって、サイクリングの快適さは格別です。特にゴールデンウィーク前後は混雑しますが、その分島全体が活気に満ちています。

夏(6〜8月) は日差しが強く、暑さ対策が必要ですが、エメラルドグリーンに輝く海の色が最も美しい季節でもあります。各島の海水浴場は地元の人たちで賑わい、しらす丼や新鮮な魚介類が食卓を彩ります。早朝出発で暑さを避けるのがベテランサイクリストの流儀です。

秋(9〜11月) は再び快適な走行シーズン。みかんやハッサクが色づき始め、島ごとに収穫の賑わいが見られます。沿道の直売所では新鮮な柑橘類が手頃な価格で並び、サイクリングの途中で買い食いするのがお楽しみのひとつです。

冬(12〜2月) は空気が澄んで遠くまで見渡せる絶景日和が多く、混雑も少なめ。防寒さえしっかりすれば静かな島旅を満喫できます。

レンタサイクルと初心者向けの走り方

しまなみ海道のサイクリングは初心者でも安心して挑戦できます。尾道駅前のおのみちサイクルターミナルをはじめ、各島にレンタサイクルターミナルが設置されており、借りた島と異なる島で返却できる「乗り捨てサービス」が便利です。クロスバイクや電動アシスト付き自転車も選べるため、体力に自信がない方でも無理なく楽しめます。

フルルート(約70km)を走り切ることにこだわらず、気に入った島でゆっくり過ごしたり、フェリーを組み合わせて移動したりするのも賢い楽しみ方。所要時間の目安はフルルートで体力のある方が6〜8時間、のんびり途中観光も挟むなら1泊2日がおすすめです。

アクセスと周辺情報

尾道へのアクセスは、新幹線を利用する場合は福山駅(山陽新幹線停車)からJR山陽本線で約30分。広島駅からも快速で1時間弱でアクセスできます。今治側からスタートする場合は、新幹線で新尾道駅利用、または松山空港から今治まで約1時間がおすすめです。

尾道市内には古寺めぐりのコースや「文学のこみち」など、サイクリング前後に楽しめる観光スポットも充実。ロープウェイで千光寺公園に上がれば、尾道水道と向島を見下ろす絶景が広がります。また、尾道はネコの街としても有名で、路地を歩けば人懐っこい猫たちが出迎えてくれます。

旅の締めくくりには尾道ラーメンを。醤油ベースのあっさりスープに背脂が浮く独特の風味は、一日の疲れをやさしく癒してくれる尾道名物です。自転車で海を渡り、島の文化と食を味わい、また旅に出たくなる——しまなみ海道はそんな旅人の心を揺さぶる道です。

アクセス

JR尾道駅前のレンタサイクルターミナル

営業時間

レンタサイクル7:00〜21:00

編集部最終確認: 2026-04-25 (AI抽出)

予算内訳

大人

¥3,000

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