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長崎市外海歴史民俗資料館(出津文化村)

長崎市外海歴史民俗資料館(出津文化村)

※写真はイメージです。

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長崎市の西端、玄界灘を望む外海(そとめ)地区に位置する長崎市外海歴史民俗資料館は、縄文時代から現代に至る数千年分の歴史を一つの施設で体感できる、この地域唯一の総合的な歴史・民俗ミュージアムです。出津文化村の中核施設として、地層のように積み重なった外海の記憶を掘り起こします。

縄文から中世まで——重層する古代の遺産

外海地区は、それ自体が一つの巨大な野外博物館といえる土地です。縄文・弥生時代の砂丘遺跡「出津遺跡」、古墳時代の「宮田古墳群」、そして平安末期から鎌倉時代にかけて全国に流通した滑石製の厨房具「石鍋」の工房跡——これらの遺跡群がこの地に集中していること自体、交易と人の往来が古くから盛んだった証拠です。資料館ではこれらの遺跡から出土した土器や石鍋の実物を展示しており、教科書の記述が実体を伴って目の前に現れる感覚を味わえます。中世には「神浦(こうのうら)城跡」が残るなど、戦国期の支配構造もこの地に刻まれています。

かくれキリシタンの信仰と抵抗——マリア観音が語るもの

資料館の展示でとりわけ充実しているのが、キリシタン関連の資料群です。大村藩・佐賀藩という二つの藩の支配が入り組んだ外海地区は、禁教期においても信仰を地下に潜らせながら守り続けた「かくれキリシタン」の里として知られています。その信仰形態を象徴するのが、マリア像を観音菩薩に見立てた「マリア観音」です。仏像の形を借りながら聖母への信仰を繋いだこうした遺物は、弾圧と共存の中で生まれた外海独自の精神文化を今に伝えます。資料館には、こうしたかくれキリシタンにまつわる資料が豊富に収蔵されており、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する外海の出津集落・大野集落をより深く理解するための拠点として機能しています。

ド・ロ神父——慈善と産業の先駆者

展示の中でもう一つの核をなすのが、フランス人宣教師マルク・マリー・ド・ロ神父の業績です。19世紀後半に外海へ赴任した神父は、宗教活動にとどまらず地域の人々の生活改善に尽力しました。資料館では神父の生涯と業績を紹介するとともに、神父の指導のもとで生まれた各種の道具類を実物展示しています。入館料には同じ出津文化村内にある「ド・ロ神父記念館」の観覧料も含まれており、資料館での概観をふまえたうえで記念館を訪れることで、神父の足跡をより立体的に辿ることができます。

池島炭鉱——近代産業の記憶

古代・中世・近世の重厚な歴史に加え、資料館は近現代の産業遺産にも目を向けています。外海沖に浮かぶ池島では、2001年の閉山まで炭鉱が操業し、島全体が炭鉱の町として栄えた時代がありました。資料館内のパネル展示はその歴史を記録し、農村・漁村としての外海とは異なる産業労働の歴史を補完しています。遠藤周作文学館や旧出津救助院など周辺施設と合わせて巡ることで、信仰・労働・暮らしという三つの軸から外海という土地の全体像が浮かび上がってきます。

アクセス

長崎駅前から車で約50分。バス利用:駅前バス停から(100番)板の浦行で約1時間6分、出津文化村バス停下車、徒歩すぐ。または乗り換えで約1時間6分(長崎駅前→桜の里ターミナル約43分→板の浦行乗り換え約23分→出津バス停)

営業時間

9:00~17:00、休日:12月29日~1月3日

料金目安

大人 650円、こども(小・中学生及び高校生)330円、障害者減免(長崎市在住)無料、障害者減免(長崎市以外)半額(ド・ロ神父記念館の料金を含む)

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