円山動物園
札幌市中央区に位置する円山動物園は、北海道を代表する動物園として70年以上にわたり地域の人々に愛され続けてきました。市街地からほど近い自然豊かな環境の中で、世界各地から集まった動物たちとの出会いが待っています。
歴史と歩み――市民とともに育ってきた動物園
円山動物園の歴史は1951年(昭和26年)に始まります。戦後間もない時代、復興を歩む札幌市民の心の拠りどころとして開園したこの動物園は、当初こそ小規模な施設でしたが、長年にわたる拡張と整備を経て、今では約170種・900点を超える動物を飼育する北海道最大級の動物園へと成長しました。
開園以来、札幌市民の「身近な自然体験の場」として親しまれてきた背景には、地域との深いつながりがあります。子どもの頃に家族で訪れた思い出を持つ市民が、今度は自分の子どもや孫を連れて再訪するという光景は今も変わりません。地域に根ざした動物園として、動物の展示にとどまらず、環境教育や種の保存活動にも積極的に取り組んでいます。
ホッキョクグマ館――水中トンネルで体感する北極の世界
円山動物園を語るうえで欠かせないのが、何といっても「ホッキョクグマ館」の存在です。体長2メートルを超す白い巨体が大きなプールを悠々と泳ぐ姿は、訪れる人々を圧倒します。この施設の最大の特徴は、プールの底部に設けられた水中観察トンネルです。分厚いガラス越しに、ホッキョクグマが水中を泳ぐ姿をすぐ目の前で観察できるこの体験は、他の動物園ではなかなか味わえない特別なものです。
ホッキョクグマは本来、北極圏の氷上で暮らす動物。その力強い泳ぎは、野生の本能が凝縮されているようで、見る者を釘付けにします。飼育員によるガイドタイムも定期的に開催されており、ホッキョクグマの生態や北極の環境問題についての解説を聞くことができます。子どもはもちろん、大人も思わず見入ってしまう必見スポットです。
アジアゾーンと北海道ゾーン――多彩な動物との出会い
ホッキョクグマ館に加え、「アジアゾーン」も人気エリアのひとつです。ここでは、丸い顔と愛らしい動きで人気のレッサーパンダをはじめ、美しい斑点模様を持つユキヒョウ、アムールトラなど、アジアを中心とした希少な動物たちに会うことができます。特にレッサーパンダは円山動物園の「顔」ともいえる存在で、高い台の上でバランスをとって休む姿や、食事する姿を間近で観察できると大変好評です。
一方、「北海道ゾーン」では、地元・北海道に生息する野生動物たちにスポットが当たります。エゾヒグマやエゾシカ、エゾタヌキなど、北海道の自然を象徴する動物たちが展示されており、本来は野山で暮らす動物たちの生態を学ぶ貴重な機会となっています。観光で北海道を訪れた方にとっても、こうした在来種との出会いは印象深いものとなるでしょう。
季節ごとの楽しみ方――一年を通じて変わる表情
円山動物園の魅力は、どの季節に訪れても異なる表情が楽しめる点にもあります。
春は、冬の間、活動を抑えていた動物たちが活発になる季節。子ども連れのファミリーが増え始め、園内が一気ににぎわいを増します。新緑の木々の中を散策しながら動物たちを眺める春の午後は、のどかな心地よさがあります。
夏は北海道らしい涼しい気候のなかで、動物たちの活動的な姿を観察できます。ホッキョクグマが水中で遊ぶ回数も増え、子どもたちに大人気のシーズンです。夕方まで開園時間が延長されるサマーナイトズーも開催されており、夜の動物園という特別な雰囲気を楽しめます。
秋は園内の木々が黄や赤に色づき、紅葉の中を散策するだけで絵になる風景が広がります。観光シーズンでもあり、遠方からの来園者も多く見られます。
冬は、札幌の厳しい寒さの中で、北方の動物たちが最も生き生きとする季節です。雪に覆われた園内でホッキョクグマやシロフクロウを眺めると、北極や北の大地の雰囲気がより一層リアルに感じられます。防寒対策をしっかりしたうえで、冬の動物園ならではの体験をぜひ楽しんでください。
ふれあい広場と子ども向け施設――家族で一日楽しめる
小さな子ども連れのファミリーに特に人気なのが「ふれあい動物園」です。モルモットやウサギ、ヒツジなど、普段はなかなか触れ合えない小動物と直接触れ合うことができ、子どもたちの歓声が絶えないエリアです。動物の体温や感触を直接感じることで、生き物への親しみや命の大切さを自然に学べる場となっています。
園内には遊具広場も整備されており、動物の見学で疲れた子どもたちがひと休みするのにぴったりです。レストランや売店も充実しており、動物をモチーフにしたオリジナルグッズや北海道らしいお土産も揃っています。一日かけてゆっくりと楽しめる環境が整っているので、家族旅行の目玉スポットとして計画に組み込む価値は十分にあります。
アクセスと周辺情報――観光の拠点として
円山動物園へのアクセスは非常に便利です。札幌市営地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩約10分、またはバスで約5分ほどで到着します。駅周辺には円山公園が広がっており、動物園の前後に散策を楽しむこともできます。特に春の桜の季節は、円山公園が美しい花見スポットとなり、動物園とセットで訪れる人が多くいます。
周辺には北海道神宮も位置しており、歴史ある神社境内の散歩も組み合わせることができます。札幌市街中心部からも近く、大通公園やすすきのといった観光スポットへのアクセスもスムーズ。宿泊拠点を札幌市内に置けば、半日から一日のプランで無理なく訪問できるでしょう。
北海道旅行の定番スポットとして、また地元市民の日常に根ざした動物園として、円山動物園は幅広い世代に長く愛され続けています。ホッキョクグマの泳ぐ姿に感動し、レッサーパンダの愛らしさに癒され、北海道の大自然に生きる動物たちの力強さを感じる――そんな体験がここには詰まっています。
アクセス
地下鉄東西線円山公園駅から徒歩15分
営業時間
夏期 9:30〜16:30、冬期 9:30〜16:00
予算内訳
大人
¥800
施設の特徴
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