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龍渕寺
※写真はイメージです。

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霊松山龍渕寺は、石川県金沢市野町に静かに佇む曹洞宗の禅寺。創建から400年以上の歴史を持ちながら、金沢市の保存樹林に指定された豊かな自然と、加賀の文化に深く根ざした寺宝が共存する。市街地に位置しながらも、境内に足を踏み入れた瞬間に時間の流れが変わるような場所だ。

戦国の重臣が創建した禅刹

龍渕寺の歴史は天正10年(1582)にさかのぼる。尾張在住だった近藤善右衛門長広が創建したこの寺は、開創後まもなく歴史の荒波に揉まれた。近藤長広が後に加賀藩主・前田利家の重臣として名を連ねるように、龍渕寺もまた加賀の地と深い縁で結ばれてゆく。

慶長16年(1611)には摂津国へ移り「金龍寺」と称したが、火災によって伽藍を失う。寺号を龍渕寺に戻し、寛永5年(1628)に金沢の河原町で再興。さらに正保元年(1645)に現在の野町へ伽藍を移転し、今日に至る。開山は大圓慧展大和尚、開基は近藤大和という二人の名が、この寺の礎を支えている。

金沢市保存樹林の境内と苔の庭

龍渕寺の境内全体は、金沢市の保存樹林に指定されている。本堂裏に広がる空間には、欅の大木を筆頭に、杉・楓・樅といった多様な樹木が茂り、その根元を青々とした苔が覆う。光の差し込み方によって苔の色が変わり、季節の花が点々と色を加える様子は、人の手を借りながらも野性味を残した、得がたい庭園の景観をなしている。

山門の左側に残る竹林もまた見逃せない。改正法施行に伴い公用指定された経緯を持つこの竹林は、かつての泉野原野の面影を今に伝える数少ない存在として大切に守られている。

加賀古流生花の始祖を祀る

前庭の祠には、近藤理清翁の座像が安置されている。近藤理清翁は加賀古流生花の始祖とされる人物であり、金沢の花道文化の源流に連なる。武家文化と生活美が交差する金沢らしい文化財として、この座像は静かな存在感を放っている。

本堂には御本尊の木造釈迦牟尼仏座像が祀られ、木像文殊菩薩座像・木像普賢菩薩座像とともに寺宝として伝えられている。

涅槃会と境内参拝

年中行事として3月に涅槃会が営まれる。釈迦の入滅を悼むこの法要は、曹洞宗寺院において重要な意味を持ち、境内に厳かな空気をもたらす時節でもある。

拝観は境内(外)のみで、拝観時間は9時から17時まで。バスは北鉄バスの沼田町停留所が最寄りで、片町スクランブル交差点からは車で5分ほどの距離にある。

アクセス

片町スクランブル交差点より車で5分 北鉄バス沼田町下車徒歩5分

営業時間

9:00~17:00(拝観:境内(外)のみ可能)

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