
苗名滝
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新潟県妙高市杉野沢に流れ落ちる苗名滝は、落差55メートルの豪快な瀑布として「日本の滝百選」に選ばれた名瀑です。轟音とともに白煙を上げるその姿は、初めて目にする人を圧倒し、古くから地域の人々に畏敬の念をもって親しまれてきました。
「地震滝」という異名の正体
苗名滝が「地震滝」と呼ばれるのは、揺れるような轟音だけが理由ではありません。この滝の岩盤はマグマが冷却される際に形成された柱状節理が顕著に発達しており、規則的に割れた石柱が連なる岩肌が滝の両脇を縁取っています。自然が刻んだこの造形美は、大量の水が落下する迫力とあいまって、単なる景勝地を超えた地質学的な見ごたえを生み出しています。
春・夏・秋、三つの顔
同じ滝でも訪れる季節によって表情は大きく変わります。春は山の雪解け水が一気に集まるため水量が爆発的に増し、滝全体が白いカーテンで覆われるような迫力を体験できます。夏は周囲の緑に包まれた清涼感が際立ち、滝が発する冷気は天然のクーラーそのもの。秋は紅葉が滝の白さを引き立て、赤・橙・黄のグラデーションの中に水しぶきが輝く美しさは格別です。
遊歩道に沿った15分の旅
大駐車場(普通車104台・大型車11台収容、水洗トイレあり)を出発し、滝つぼ近くまで片道約15分の遊歩道が整備されています。最初のつり橋を渡ると関川を越えて長野県に足を踏み入れ、砂防堰堤を横目に階段を登ります。ユキツバキが両側を彩る歩道を抜けると、やがてシダが生い茂る岩壁が現れ、二つ目の吊り橋を渡ったところでいよいよ滝つぼ間近に立つことができます。
一茶の俳句と水神様
遊歩道の途中には、江戸時代の俳人・小林一茶が苗名滝を訪れた際に詠んだ句が石に刻まれています。
> 瀧けぶり 側で見てさへ 花の雲
水しぶきを花の雲に見立てた一句は、目の前に広がる光景とぴたりと重なります。また、二つ目の吊り橋を渡った先の大石には水神様が祀られており、古来からこの滝が神聖な場所として大切にされてきたことが伝わってきます。
「苗名」という名に秘められた由来
滝の名前の成り立ちも興味深い。古来、日本では地震を「なゐ」と呼んでいたことから、轟音を立てる滝は「なゐのたき」と呼ばれ、転じて「なえなたき」となりました。さらに、この水が高田平野の水田を潤す農業用水の源であることから「苗」の字があてられ、「苗名滝」という名が定着したと伝えられています。音・自然・農の歴史が一つの名に凝縮されているのです。
立ち寄りスポットと整備されたアクセス
2016年4月には関川沿いに全長約1.5kmの2車線道路「市道苗名滝川街道線」が開通し、大型観光バスでのアクセスも可能になりました。遊歩道入口には苗名滝苑があり、流しそうめんが名物として知られています。隣接するカフェグランでは、ブルーベリーやラズベリーなどを自由にトッピングできるソフトクリームが人気で、滝を満喫したあとの締めくくりにぴったりです。
アクセス
駐車場から徒歩15分
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