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上杉神社稽照殿

上杉神社稽照殿

※写真はイメージです。

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上杉神社の境内に静かに佇む稽照殿(けいしょうでん)は、戦国武将・上杉謙信公ゆかりの宝物を今に伝える宝物殿です。収蔵品のひとつひとつが、米沢という土地に刻まれた武家の歴史そのものであり、教科書や図鑑では味わえない「本物の迫力」を間近に体感できる場所です。

大正8年の大火が生んだ宝物殿

稽照殿の誕生は、1919年(大正8年)に起きた米沢大火にまで遡ります。この火災で上杉神社は大きな被害を受け、社殿が再建されることとなりました。その再建に際し、散逸を防ぐために宝物を一元管理する施設として設けられたのが稽照殿です。初代米沢藩主・景勝公、軍師として知られる直江兼続、そして「なせば成る」の言葉で知られる九代藩主・鷹山公——三者にわたる遺品が、絵画・書跡・古文書・刀剣・甲冑・武具・仏器・陶漆器・服飾類と多岐にわたって収蔵されています。

酒豪の逸話を伝える「馬上盃」

所蔵品の中でも特に来館者の目を引くのが「馬上盃(ばじょうはい)」です。碗形の身に円筒形の柄が付いたこの盃は、酒豪として知られた上杉謙信が馬上で柄を握り、飲み干したと伝わります。身の内側は金箔押しで仕上げられ、外面には青地に赤・白・黄・紫の色糸で菊花文が描かれ、身の下部には蓮弁が有線七宝で施されています。金属製で中国明時代の作と考えられており、精緻な細工と豪快な逸話のギャップが、謙信という人物の多面性を伝えます。

重要文化財「色々威腹巻」——武将の信仰と美意識

室町時代に製作されたこの甲冑は、実際に上杉謙信の身を護ったとされる重要文化財です。胴と袖は上から紫糸・紅糸・紫糸、草摺には藍韋の革や糸と、複数の色合いを段ごとに変えながら鎧の札を綴り合わせた「色々威」という技法で仕立てられており、全体として上品な色調を醸し出しています。兜は六十間の筋兜に、上杉家の兜の特徴とされる二重しころが付き、前立には謙信が篤く信仰した飯縄明神が象られています。雲の上を三鈷杵をくわえた狐に乗って駆け、火焔を背負い右手に三鈷柄剣・左手に索をとるその姿は、謙信の宗教的な世界観を甲冑という形に凝縮したものといえます。

重要文化財「烏帽子形白綾頭巾」——僧将の素顔

上杉謙信は戦国武将であると同時に僧侶でもありました。その象徴が「烏帽子形白綾頭巾(えぼしなりしろあやずきん)」です。肖像画や川中島合戦図に描かれた白頭巾の実物であり、烏帽子形の竹籠に紙を貼り合わせて芯を作り、その上に松竹梅文の白綾地を被せた構造になっています。この頭巾の存在は広くは知られておらず、形態が絵画に反映された例も確認されていないという、来館して初めてその実物と向き合える希少な遺物です。

企画展で変わる「謙信公のよそおい」

稽照殿の収蔵品はすべてが常時公開されているわけではなく、期ごとに異なるテーマで展示替えが行われます。「上杉謙信公のよそおい」をテーマとした春〜初夏の優品展のように、季節に合わせた企画展が組まれるため、訪れる時期によって出合える宝物が変わります。観覧前に公式サイトで展示期間や開館情報を確認しておくと、目当ての所蔵品を確実に鑑賞できます。なお、館内ではオリジナルグッズや書籍の販売も行われており、訪問の記念品として手に取ることができます。

アクセス

米沢市丸の内1丁目4番13号

営業時間

9:00~17:00

料金目安

300円~1,000円

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