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栗林公園の大名庭園美

栗林公園の大名庭園美

Photo: Leela Soden / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons
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高松市の中心部に位置する栗林公園は、国内はもとより世界からも訪れる人が絶えない、日本を代表する大名庭園です。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星を獲得した格式と、生きた自然の美しさが渾然一体となった空間で、訪れる者は時を忘れて歩き続けてしまうでしょう。

400年の歴史が息づく大名庭園

栗林公園の歴史は17世紀前半にさかのぼります。もとは讃岐の豪族・生駒家が整備した地であり、高松藩が松平家(水戸徳川家の支流)の所領となった1642年以降、藩主たちが約100年の歳月をかけて丹念に造り上げた回遊式の大名庭園です。特に3代藩主・松平頼重の時代に南庭の骨格が完成し、現在の庭園の基礎が築かれました。明治維新後は一般公開され、1953年には国の特別名勝に指定。特別名勝の庭園としては日本最大の面積を誇ります。

75万平方メートルに及ぶ広大な敷地には6つの池と13の築山が配され、どこを切り取っても絵になる景観が広がります。池の水は岩清水に由来し、人工的に引かれたものでありながら、自然の湧き水のような澄んだたたずまいを今日まで保っています。江戸時代の大名が愛でた風景が、ほぼそのままの姿で現代に残されているという事実は、この庭園の価値をいっそう際立たせています。

紫雲山を借景にした南庭の絶景

栗林公園の見どころとして真っ先に挙げられるのが、南庭の景観です。園の南西にそびえる紫雲山(標高約226メートル)を借景として取り込み、山と庭が一体となった雄大な風景を生み出しているのが最大の特徴です。この借景の技法は日本庭園の醍醐味のひとつであり、栗林公園ではそれが最大限に活かされています。

南庭の中心に架かる偃月橋(えんげつきょう)は、三連の太鼓橋で、橋上から眺める芙蓉峰(ふようほう)や大池の風景はまさに絶景。石橋の曲線と池面に映る逆さ紫雲山が織りなす光景は、訪れた人が思わず足を止めて見入る場面です。南庭には他にも、松の木を巧みに剪定した「根上がり松」や、水面にせり出した茶室・掬月亭など、見どころが凝縮されています。

緑と静寂に包まれる北庭

南庭が格式ある大名庭園の趣を持つのに対し、北庭は自然の風致を活かした林泉庭園の雰囲気が漂います。江戸時代には実用的な植物園や農園としての役割も担っていた北庭は、今日では梅林が有名で、春の訪れとともに多くの梅ファンが足を運びます。

北庭を歩くと、深い木立の中で鳥のさえずりだけが聞こえる静謐な空間に出会うことができます。南庭の洗練された美しさとは異なる、素朴で落ち着いた雰囲気がここにはあり、散歩や瞑想を楽しむ地元の人々の姿も見受けられます。また、北庭には商工奨励館(きっか館)が建てられており、香川県の伝統工芸品の展示・販売も行われています。

四季折々の表情を楽しむ

栗林公園の魅力のひとつは、季節ごとにまったく異なる顔を見せることです。

春(2月〜4月) は梅と桜の季節。北庭の梅林では約200本の梅が咲き誇り、続いて桜が南庭・北庭を淡いピンク色に染め上げます。花見の名所としても知られ、週末には地元の家族連れや観光客で賑わいます。

夏(7月〜8月) には大池に大輪の蓮の花が咲き、早朝に訪れると幻想的な光景を目にすることができます。蓮の花は午前中に開いて午後には閉じるため、早起きして開園直後に訪れるのがおすすめです。緑が濃くなる夏の庭園は、涼を求めて歩くのにも絶好の季節です。

秋(10月〜11月) は紅葉の季節。カエデやモミジが赤や黄に色づき、池の水面に美しく映ります。紫雲山の木々も紅葉し、借景の効果がいっそう際立つ時季です。夜間ライトアップも開催され、昼間とはまた異なる幽玄な世界が広がります。

冬(12月〜2月) は梅の蕾が膨らみ始め、静かな庭園の中で新春の気配を感じられる季節。観光客が少なくなるため、庭園本来の静けさをゆっくりと味わうことができます。

掬月亭で楽しむ抹茶と讃岐の風雅

回遊式庭園を歩いたあとには、ぜひ掬月亭(きくげつてい)に立ち寄ってください。大池に面したこの茶室は、江戸時代から藩主の休憩所として使われてきた由緒ある建物で、現在は一般の観光客も抹茶と讃岐の和菓子を楽しめる茶処として開放されています。

縁側に腰を下ろし、目の前に広がる大池と紫雲山の眺めを愛でながらいただく抹茶は格別です。讃岐の職人が作った上生菓子は季節ごとに意匠が変わり、旅の記念にもなります。掬月亭の縁側から眺める夕暮れ時の庭園は特に美しく、光の変化とともに刻々と表情を変えるさまは、何時間でも見ていられるような魔力があります。

アクセスと周辺情報

栗林公園へのアクセスは非常に便利です。JR予讃線・高徳線の高松駅からJR琴平線に乗り換え、栗林公園北口駅で下車すればすぐ目の前です。高松駅からは約10分、フェリーターミナルからも近く、瀬戸内海の島々(直島・小豆島など)を巡る旅と組み合わせるのに最適な立地です。

園内は広いため、全体を歩くと1〜2時間ほどかかります。レンタサイクルも利用でき、広い敷地を効率よく回ることができます。開園時間は季節によって異なりますが、日の出から日没まで通常営業しており、早朝の澄んだ空気の中で庭園を独占するように歩くのは格別な体験です。

周辺には高松城跡(玉藻公園)や高松市街地もあり、本場の讃岐うどんを提供する名店も数多く存在します。四国の玄関口である高松を訪れた際には、ぜひ半日以上の時間を確保して、栗林公園の深い美しさをじっくりと堪能してください。

アクセス

JR高松駅からバスで15分

営業時間

日の出〜日没

編集部最終確認: 2026-04-25 (AI抽出)

予算内訳

大人

¥410

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