
丸亀城と石垣の美
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四国・香川県の中央部に位置する丸亀市のシンボル、丸亀城。江戸時代から変わらぬ姿で現代に受け継がれてきたこの名城は、訪れる人々を歴史の深みへと誘う、唯一無二の存在です。現存十二天守の一つとして知られ、日本一の高さを誇る石垣とともに、何度訪れても新たな発見をもたらしてくれます。
亀山に刻まれた城の歴史
丸亀城の歴史は、戦国時代末期にまでさかのぼります。1597年(慶長2年)、讃岐を統治した生駒親正が亀山に城を築いたことが、この城の始まりとされています。その後、1641年(寛永18年)に山崎家治が入城し、現在の石垣の基礎を整備。さらに京極高和が藩主となって以降、京極氏は明治維新まで代々この城を治め続けました。
天守閣は1660年(万治3年)に建てられたとされており、370年近くの歳月を経た今も、その姿を現代に伝えています。江戸時代初期に建てられた木造の天守がそのまま残っているという事実は、城郭建築の歴史を語る上で非常に重要な意味を持ちます。丸亀城は、全国に現存する十二天守のうちの一つとして、国の重要文化財にも指定されています。
日本一を誇る石垣の芸術
丸亀城を語るうえで欠かせないのが、その圧倒的な石垣の存在です。城郭の石垣としては日本一の高さを誇り、内堀から天守台まで積み重ねられた総高は約60メートルにおよびます。四層にわたって積み上げられた石垣は、扇の勾配と呼ばれる独特の反り返った曲線を描いており、下部はなだらかで上部にいくほど急勾配になるその形は、まるで大きな扇を広げたような美しさです。
この石垣の積み方は「野面積み」「打込みハギ」「切込みハギ」など複数の技法が混在しており、時代ごとに異なる工法が重ねられてきた様子を間近で観察することができます。石一つひとつは自然石をほぼそのまま活かしており、その不規則な形が絶妙に組み合わさって強固な構造を生み出しているのは、当時の石工たちの高い技術の証です。城の四方からそれぞれ異なる表情を見せる石垣は、訪れるたびに新しい発見をもたらします。城内の案内板では石垣修復の歴史も紹介されており、現在も継続されている保存活動について知ることができます。
三重の天守が語る城郭建築の美
急峻な石垣の頂点に立つ天守は、三重三階の小ぶりな構造ながら、凛とした存在感を放っています。外観は白漆喰の壁と黒い柱や窓枠のコントラストが際立つ、典型的な近世城郭建築の様式を踏まえています。内部は急な木製の階段が続き、最上階まで登ると丸亀市街や瀬戸内海を一望することができます。晴れた日には讃岐富士とも呼ばれる飯野山や、遠く瀬戸内の島々まで見渡せ、かつての城主たちが眺めたであろう風景を追体験できます。
天守内部には丸亀藩に関わる史料や展示があり、京極氏の治世や城の変遷について学ぶことができます。現存十二天守の中でも規模は比較的小さいものの、その分だけ木造建築ならではの質感と温もりを肌で感じられるのが魅力の一つです。靴を脱いで素足で踏みしめる歴史ある床板の感触は、ほかでは味わえない体験です。
桜と緑に彩られる四季の風景
丸亀城はその美しさが季節ごとに異なる表情を見せる点も、多くのリピーターを引き付ける理由の一つです。なかでも春の桜の季節は格別で、城内に植えられた約1,000本のソメイヨシノが一斉に咲き誇ります。薄桃色の花びらと白い石垣、そして青空が織りなす光景は、「日本さくら名所100選」にも選ばれており、多くのカメラマンや花見客でにぎわいます。夜桜のライトアップも行われ、昼とはまた異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。
初夏から夏にかけては青葉が城内を包み、涼しい木陰の中を散策するのに適した季節になります。秋には紅葉が城郭を彩り、石垣の灰色と紅葉の赤・橙が対比をなす光景が広がります。冬は比較的温暖な瀬戸内の気候もあって凍えるほどの寒さになることは少なく、空気が澄んだ冬の日には遠景まで見渡せる眺望が楽しめます。どの季節に訪れても、丸亀城はその時々の美しさで来訪者を迎えてくれます。
アクセスと周辺散策のすすめ
丸亀城へのアクセスは非常に便利です。JR丸亀駅から徒歩約10分と、公共交通機関での訪問も容易です。城の入口となる大手門までは、駅前からほぼ一直線の道のりで、初めての方でも迷わずたどり着けます。車の場合は城周辺に有料駐車場があり、観光シーズンにも比較的利用しやすい環境が整っています。
周辺にも見どころが多く、城の南側を流れる堀沿いの遊歩道は散策に最適です。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)は、駅から城への道中に位置しており、現代美術のコレクションを擁するユニークな美術館として知られています。また、丸亀うちわは全国シェア90%以上を占める伝統工芸品であり、市内には製造体験ができる施設もあります。名物の骨付鳥をはじめとする地元グルメも充実しており、城見学と組み合わせた丸亀観光は一日では収まりきらないほどの充実度です。瀬戸大橋を渡ってくる本州からの旅行者にとっても、四国への入り口として訪れやすいロケーションにあります。
アクセス
JR丸亀駅から徒歩10分
営業時間
天守9:00〜16:30(城山は24時間開放)
予算内訳
大人
¥200
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