
古民家しみず
GALLERY
広島県三原市の中心部、三原駅からほど近い本町の路地に、築150年余りの古民家をリノベーションした宿「古民家しみず」はひっそりとたたずんでいます。瀬戸内の港町ならではの落ち着いた空気と、歴史ある建物の温もりが、訪れる旅人をやさしく包んでくれる、ほかにはない宿泊体験がここにあります。
歴史ある建物の物語 — 築150年の民家が宿へ
古民家しみずの建物は、広島県三原市本町3丁目に立つ、築150年を超える民家です。1950年から1999年まで清水歯科医院として地域の人々に親しまれ、その後空き家となっていた建物を、家主の清水靖久さんが丁寧に改修。2021年3月末、民泊・カフェ・ギャラリーとして新たな命を吹き込みました。
建物の構造は、古くからの和風建築に1975年の増改築が重なる独特の佇まいです。玄関を入ると広い土間と廊下が続き、奥に宿泊室、台所、浴室、中庭へとつながります。かつて炊事場があったころの井戸跡には今も水脈が残り、ポンプで水を汲み上げることができるなど、往時の生活の名残があちこちに見受けられます。昭和の記憶と江戸期からの建築が溶け合ったその空間は、まさに「生きた歴史」に泊まるような体験を与えてくれます。
なお、2023年2月に家主が体調を崩して以降、民泊は一時休止中です。公式サイトでは再開を願いながら当時の記録が丁寧に保存されており、営業再開の際はウェブサイトや電話でご確認ください。
旅人を包む和の空間 — 客室と設備について
宿泊に使用するのは、建物入口に近い和室二間です。畳の上でゆったりと足を伸ばし、古民家ならではの静寂の中で夜を過ごすことができます。1組最大3名まで受け入れ可能で、グループ旅行や家族旅行にも対応しています。
設備面では、台所・浴室・洗面設備・エアコン・洗濯機・小型冷蔵庫・電子レンジ・食器類が完備されており、LAN・WiFiも利用できます。宿泊は金・土・日曜日の16時チェックインから翌朝10時チェックアウト。宿泊料金は1名6,000円、2名で10,000円、3名で14,000円(消費税10%込み)と、価格もリーズナブルです。支払いは現金のみで、クレジットカードやキャッシュレス決済には対応していません。
食事の提供はありませんが、家主が用意する三原駅周辺・本町エリアの飲食店マップを活用して、地元の食を楽しむスタイルです。瀬戸内の新鮮な魚介類や広島ならではのグルメを地元の店で味わうことで、旅の醍醐味がいっそう深まります。館内は全面禁煙で、入浴は23時までとされています。住宅密集地に位置するため、静かに過ごすことが求められています。
瀬戸内の港町をめぐる — 三原の観光と街歩き
古民家しみずが立つ本町エリアは、歴史ある寺社が点在する三原の旧市街です。宿から歩いて約5分のところにある妙正寺は、高台から瀬戸内海を一望できるスポットとして知られています。晴れた日には島々の向こうに四国山脈の稜線が見えることもあり、その眺めは格別です。1802年に描かれた妙正寺の登覧画図には、城と島々が重なる光景が残されており、現代の眺めとの変遷を想像するだけでも歴史の深みを感じます。
三原市は、毛利元就の子・毛利隆元の子・小早川隆景が16世紀に三原城を築いた城下町です。三原駅のすぐそばには三原城の天守台跡が残り、駅のホームからも城壁の石垣を眺めることができます。駅北側を見渡せば、かつて城の本丸から見えたと伝わるのと同じ山容が今も変わらず連なっており、歴史好きにはたまらない風景です。
また三原市は「タコのまち」としても有名で、瀬戸内海でとれた新鮮なタコを使った料理は名物のひとつ。タコ飯やたこ天ぷらなど、地元の食堂や居酒屋で気軽に味わえます。三原港からはしまなみ海道方面へのフェリーも出ており、島めぐりの起点としても便利な立地です。
アクセスと宿泊予約 — 新幹線で直結する好立地
三原駅は山陽新幹線が停車する広島県内でも数少ない駅のひとつです(ただし「こだま」のみ停車)。また呉線の起点駅でもあり、呉・広方面へのアクセスも良好です。在来線では広島駅から約1時間、福山駅から約30分と、広島県内各地から訪れやすい位置にあります。
宿泊施設までは三原駅の西口を出て、北西方向へゆっくり歩いて約5分。案内の略図は家主が用意しています。駐車場はありませんので、車でのお越しの際は周辺の有料駐車場をご利用ください。なお、宿の玄関から廊下まで広い土間が続いているため、自転車は何台でも置くことができます。
宿泊予約は一週間前までにメールで申し込む形式です。家主から承諾の返信があった時点で予約が成立します。現在は民泊を休止中のため、再開状況については公式サイトや電話(0848-62-2968)でご確認ください。
カフェ・ギャラリー・地域の集い — 宿泊以外の楽しみ
古民家しみずは宿泊機能だけでなく、地域の文化拠点としての顔も持っています。カフェは月に一度、毎月第三日曜日の14時から15時にオープンします(猛暑・厳寒の月は休み)。ペットボトル1本100円という気軽な価格設定で、地元の人も旅行者も立ち寄れる憩いの場となっています。
ギャラリーは宿泊がある金・土・日曜日の16時から翌10時まで開放されており、宿泊者はゆっくりと作品を鑑賞することができます。
さらに家主は『三原市史』を読む会も主宰しており、2024年に3回、2025年も春から初夏にかけて計3回開催しました。地域の歴史を住民と共に掘り起こすこの取り組みは、古民家という場が持つ「記憶をつなぐ」役割を体現しています。機械の故障で一時休止中ですが、研究が進み次第再開が予定されています。
旅の拠点として、あるいは三原の文化と歴史に触れる場として、古民家しみずはほかでは出会えない滞在体験を提供してくれます。新幹線を降りてすぐ、瀬戸内の風情が残る路地の奥にある、築150年の古民家の扉を、ぜひ一度たたいてみてください。
アクセス
JR三原駅西口から北西へ徒歩5分
営業時間
カフェ:第三日曜日 14:00-15:00(民泊は休止中)
料金目安
¥100 〜 ¥14,000
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