
青森駅西口駅前広場
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青森の旅は、この広場から始まる。JR青森駅の西口を一歩出ると、潮の香りをわずかに帯びた海風が旅人を出迎え、眼前に広がる開放的な空間が「ここが旅の舞台だ」という期待感を高めてくれる。青森市の中心部に位置する青森駅西口駅前広場は、交通の結節点でありながら、街歩きの出発点として、また青森らしい風景を体感できる場所として、多くの旅人に親しまれてきた。
青森の玄関口に立つ
青森駅は1891年(明治24年)に開業した歴史ある駅で、長らく青森市の玄関口としての役割を担ってきた。東北新幹線が2010年に新青森駅まで延伸されて以降、新幹線の乗り換え拠点は隣の新青森駅へと移ったが、青森駅は今もあおい森鉄道や奥羽本線、津軽線が乗り入れる在来線の要衝として多くの利用者でにぎわっている。
西口駅前広場はその青森駅の顔ともいえる空間だ。バスターミナルやタクシー乗り場を兼ねた交通の要所でありながら、観光客が荷物を下ろして一息つき、青森の空気を初めて吸い込む場所でもある。広場の先には青森湾が広がり、好天の日には青く輝く港の水面と空の境界線を見晴らすことができる。港町ならではの開放感は、内陸の街とはひと味違う青森独自の魅力のひとつだ。目の前の大通りを進めば、飲食店や商業施設、観光スポットが徒歩圏内に集まっており、旅のベースキャンプとして申し分のない立地といえる。
ねぶた祭りとの深いつながり
青森といえば、何よりも「青森ねぶた祭」の名が浮かぶ。毎年8月2日から7日にかけて開催されるこの祭りは、武者や神話の登場人物などをかたどった巨大な光の山車「ねぶた」が市内を練り歩く壮観なイベントだ。国の重要無形民俗文化財にも指定されており、東北三大祭りの一つとして全国から100万人を超える観光客が訪れる。
青森駅周辺はねぶた祭りのメインルートにあたっており、駅前広場もその熱狂の渦に包まれる。山車に先行して踊り手たちが跳ねる姿と「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声が鳴り響き、見物客の熱気とあわさって夜の街は別世界へと変わっていく。祭り期間中に青森を訪れるならば、駅前広場はその興奮の出発点として格好のロケーションとなる。
さらに、駅のすぐそばには「ねぶたの家 ワ・ラッセ」がある。ここでは実物大のねぶたを年間を通じて展示しており、祭り期間外でもその迫力を間近で体感できる貴重な文化施設だ。映像や解説展示を通じてねぶたの歴史や製作工程も学べるため、青森を初めて訪れる旅人にも強くおすすめしたい施設といえる。
駅前に息づく青森の文化と風景
青森駅西口から歩いて数分の距離には、青森湾を見渡せる親水空間が広がっている。湾岸の遊歩道を歩けば、港を行き交う船や対岸の山並みなど、青森らしい景色がゆったりと楽しめる。青森市は1945年7月の空襲で市街地の多くを失った歴史を持つが、戦後の復興を経て現在の姿へと至った。そうした歴史に思いを馳せながら港の景色を眺めるひとときは、旅に深みを与えてくれるだろう。
青森駅周辺には地元の食を楽しめるスポットも充実している。駅に隣接する青森県観光物産館「アスパム」には新鮮な海産物や青森の銘産品を扱う店舗が集まっており、旅の初日に青森の食文化を概観するにはうってつけの場所だ。りんごを使ったスイーツや地酒、ホタテなど、青森ならではの味覚をここで入手する旅人も多い。
四季それぞれの楽しみ方
青森駅西口駅前広場は、季節によって全く異なる表情を見せる。
春(4〜5月)は、周辺に植えられた木々が芽吹き、冬の厳しさから解き放たれた清々しい空気の中で散歩を楽しめる。電車で約30分の距離にある弘前城は日本有数の桜の名所として知られており、駅前広場を起点に弘前へ足を延ばす春旅もおすすめだ。
夏(7〜8月)はねぶた祭りのシーズンであり、駅前広場は熱気と興奮に満ちた空間へと変貌する。一般の観光客も「ハネト」と呼ばれる踊り手として祭りに参加できる機会があるため、衣装をまとって積極的に飛び込んでみるとよいだろう。
秋(9〜11月)は実りの季節。青森はりんごの生産量で日本一を誇る県であり、この時期の市内ではりんごにまつわる催しや産品が豊富に並ぶ。駅前から出発して県内各地の農園を巡るルートは、秋旅の定番コースとして多くの旅人に親しまれている。
冬(12〜3月)は一面の雪景色が広がり、青森独特の「白い世界」が駅前広場を包む。青森市は国内でも有数の豪雪地帯であり、積雪した市街地の風景はそれ自体が一枚の絵画のように美しい。防寒対策をしっかり整えたうえで、静寂に包まれた雪の青森をゆっくりと歩いてみてほしい。
アクセスと周辺情報
青森駅へのアクセスは、新青森駅から奥羽本線で1駅(約5分)が最も便利だ。東北・北海道新幹線を利用する場合は新青森駅で乗り換えとなる。東京から新幹線利用の場合、新青森駅まで最速約3時間20分、そこから青森駅まで5分ほどで到着する。仙台からは東北新幹線で約1時間40分と、東北内からのアクセスも良好だ。
青森駅から徒歩で行けるおもな観光スポットとして、前述の「ねぶたの家 ワ・ラッセ」(徒歩約1分)、青森県観光物産館「アスパム」(徒歩約5分)、青森ベイブリッジ周辺の港エリア(徒歩約5分)などが挙げられる。市内の他のエリアへは路線バスが充実しており、縄文時代の大規模集落跡として世界文化遺産にも登録されている三内丸山遺跡へも、青森駅前バス停からバスでアクセスが可能だ。
青森駅前には観光案内所も設置されており、地図やパンフレットの入手、観光情報の問い合わせができる。旅のプランに迷ったときは、ここで地元スタッフに相談してみよう。青森の旅は、この広場から始まり、この広場へと帰ってくる——そんな安心感をくれる場所でもある。
アクセス
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