
筑前町立大刀洗平和記念館
GALLERY
大正から昭和にかけて西日本における陸軍最大の航空拠点として機能した大刀洗飛行場。その歴史と記憶を現代に伝える施設が、福岡県朝倉郡筑前町に建つ「筑前町立大刀洗平和記念館」です。単なる郷土史博物館にとどまらず、航空技術史・戦争体験の継承・平和教育という三つの柱が交差する、九州でも屈指の見ごたえある記念館です。
西日本の空を支えた大刀洗飛行場の軌跡
館内では大正8年(1919年)から昭和20年(1945年)までの大刀洗飛行場の歩みを年表形式でたどることができます。陸軍航空の一大拠点として発展した飛行場が、航空技術の進化とともにどのような役割を担い、終戦とともにどのような運命をたどったのか。展示を追うことで、教科書には載らない地域規模での戦争史が浮かび上がります。
常設展示の圧巻・震電の実物大模型
館内のハイライトとして多くの来館者が足を止めるのが、震電の実物大模型です。前翼型の独特なフォルムを間近で目にすることで、当時の日本が追い求めた航空技術の到達点と、その歴史的意義をリアルに体感できます。360度カメラを活用した展示も用意されており、立体的な視点から展示物を観察できる工夫がされています。
企画展が語る、さらに深い歴史
定期的に開催される企画展も本館の大きな魅力のひとつです。令和8年(2026年)5月から8月にかけては「菅野泰紀 鉛筆艦船画展 肖像―黒鋼之城―鉛筆艦船画と艦内新聞で紐解く軍艦の世界」を開催中。鉛筆一本で描かれた精緻な艦船画と当時の艦内新聞を組み合わせることで、軍艦の世界を多角的に掘り下げる意欲的な内容となっています。以前には「大刀洗陸軍飛行学校 ―大空に憧れて―」と題した企画展も開催されており、テーマを変えながら航空史・戦史を継続的に発信しています。
「かたりつぐ」―証言が生み出す記憶の場
「かたりつぐ」と名付けられたコーナーでは、大刀洗ゆかりの戦争体験者やその話を直接聞いた方々の証言、来館者の感想が紹介されています。展示パネルや模型といった物的な記録とともに、生きた声の記録が加わることで、歴史が一層の厚みをもって迫ってきます。令和8年6月からは定例朗読も始まり、聴覚からも記憶を受け取る場が設けられています。
館を出ても続く、戦跡との対話
見学は館内だけでは終わりません。周辺地域には大刀洗飛行場ゆかりの戦跡が点在しており、飛行隊営門・時計台・監的壕などを巡ることができます。館では周辺の地図を整備しており、徒歩で歴史の痕跡をたどりながら当時の飛行場の規模を肌で感じる散策が可能です。
団体見学・売店・通信販売
学校や各種団体向けに事前予約制の団体見学も受け付けており、館内説明のガイドが付くためより深い学習体験が得られます。売店では飛行機模型・ストラップ・関連書籍などを販売しており、遠方からの来館者向けに通信販売にも対応。英語パンフレットも用意されているため、外国語話者の来館者も一定程度受け入れる体制が整っています。
アクセス
福岡県朝倉郡筑前町高田2561-1
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