
国宝犬山城と城下町
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愛知県犬山市にそびえる国宝犬山城は、戦国時代から江戸時代へと続く歴史の重みをそのまま纏った、日本が誇る名城のひとつです。木曽川のほとりに立てば、400年以上の時を超えてなお凛々しく佇む天守の姿が、訪れる人の心を静かに捉えます。
日本最古の天守が語る、歴史の重みと誇り
犬山城の天守が現存する日本最古の木造天守であることは、城好きならずとも知られた事実です。築城は1537年(天文6年)、織田信康によるものとされ、以来幾度かの改修を経ながらも、その基本的な構造を今日まで保ち続けています。天守は国宝に指定されており、日本全国に現存する5つの国宝城郭のひとつとして、特別な地位を占めています。
城は木曽川沿いの標高約88メートルの丘「天守山」に建てられており、その立地は戦略的な意味合いとともに、圧倒的な景観美をも生み出しています。三層四階の天守は、最上層に高欄(縁側)を備えた「望楼型」と呼ばれる古式ゆかしい様式で、江戸時代以降に多く建てられた「層塔型」とは異なる、どこか荒削りで力強い美しさがあります。内部は木の温もりと急勾配の階段が旅人を迎え、当時の建築技術の精巧さをじかに感じることができます。
天守最上階から望む、木曽川と濃尾平野の絶景
犬山城の最大の魅力のひとつが、天守最上階から広がる360度のパノラマビューです。眼下を悠々と流れる木曽川は、かつて東西交通の要衝であり、この城が軍事・交通の両面で重要な役割を担っていたことをあらためて実感させてくれます。
北から西にかけては濃尾平野が広大に広がり、晴れた日には遠く名古屋のビル群や伊吹山まで見渡すことができます。木曽川の対岸は岐阜県となっており、まさに尾張と美濃の境界線を天空から眺める体験は格別です。春には桜並木が川沿いを彩り、秋には山々が赤や黄に染まる紅葉が眼下に広がるなど、季節によってその表情を変える景観は、何度訪れても飽きることがありません。
城内の見学では、最上階への急な階段も城の歴史の一部。手すりを頼りながら慎重に上るその先に待つ絶景は、労苦に十分値するものです。
江戸情緒あふれる城下町での食べ歩き
犬山城の門前に広がる城下町は、古い町家を活かしたショップやカフェが立ち並ぶ、散策が楽しいエリアです。本町通りを中心とした一帯は整備が行き届いており、観光客がのんびりと歩きながら食べ歩きを楽しめる雰囲気が漂っています。
城下町グルメの代表格といえば、五平餅です。長野・岐阜・愛知にまたがる山間部の郷土料理で、潰したご飯を竹串に形作り、甘辛いタレを塗って炭火で焼いたもの。香ばしい香りとモチモチの食感は、一度食べたら忘れられないおいしさです。田楽も同様に人気が高く、豆腐や里芋などに味噌を塗って焼いたシンプルながら奥深い一品。こちらも城下町ならではの風情とともに味わえます。
女性を中心に人気なのが「恋小町だんご」。ピンク・白・黄色と色鮮やかな三色のだんごは、見た目の可愛らしさからSNS映えするとして話題を集めており、城下町散策のお土産にもぴったりです。そのほかにも、地元産の食材を活かしたスイーツや手作り雑貨のお店が充実しており、気が付けば何時間でも歩き続けてしまいます。
春の桜と秋の紅葉——四季折々の美しさ
犬山城は春と秋に特に多くの観光客が訪れますが、その理由は申し分のない自然の美しさにあります。春には城周辺のソメイヨシノが一斉に開花し、白亜の天守と薄桃色の桜のコントラストが幻想的な景色を作り出します。木曽川沿いの桜並木もあわせて楽しめ、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。
例年3月下旬から4月上旬にかけての開花時期には、夜間ライトアップも実施され、昼間とはまた異なる幽玄な雰囲気が楽しめます。日没後、ライトに照らされた天守と満開の桜が水面に映る光景は、まさに一枚の絵画のようです。
秋は11月が紅葉の見頃で、城山の木々がオレンジや深紅に染まるなか、白い天守が際立つコントラストが美しい季節です。また、毎年4月の第1日曜日に開催される「犬山祭」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている伝統行事で、13輌の豪華絢爛な車山(やま)が城下町を練り歩く様子は圧巻です。
周辺の見どころとアクセス情報
犬山エリアには犬山城以外にも見逃せないスポットが点在しています。木曽川沿いにある「明治村」は、明治期の建造物を移築・保存した野外博物館で、犬山城とあわせて訪れれば歴史好きには一日では足りないほどの充実感があります。また、国宝茶室「如庵」を有する「有楽苑」は、城のすぐそばにあり、静謐な日本庭園と茶道文化に触れることができます。
木曽川の清流を活かした「犬山橋」周辺では、伝統的な鵜飼いも楽しめます(鵜飼いは6〜10月の期間限定)。川の上から天守を望みながらの観覧は、陸上からとは異なる城の表情を発見できる特別な体験です。
アクセスは名古屋から名鉄犬山線で約30分、犬山駅から城下町・犬山城まで徒歩約15分と、都市部からも気軽に日帰り旅行が楽しめる立地です。名古屋観光の拠点から一足伸ばすだけで、歴史と自然と食が一体となった豊かな旅が待っています。
アクセス
名鉄犬山遊園駅から徒歩15分
営業時間
9:00〜17:00
予算内訳
大人
¥550
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