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北海道の澄んだ空気と石狩湾から吹き渡る潮風のなか、約100年もの歴史を刻んできた小樽カントリー倶楽部旧コース。本州のゴルファーはもちろん、北海道在住のプレイヤーにとっても一度は訪れたい、道内ゴルフの聖地ともいえる存在です。
北海道ゴルフの夜明け――1928年開場の歴史
小樽カントリー倶楽部旧コースは1928年(昭和3年)に開場した、北海道最古のゴルフコースとして知られています。当時の北海道はまだゴルフ文化が根付いておらず、札幌や小樽を中心とした実業家や外国人居留者たちがスポーツとして楽しんでいた時代。そんな黎明期に誕生したこのコースは、開場から一世紀近くの歳月を経た今もなお現役のゴルフ場として多くのプレイヤーを迎え続けています。
昭和初期に設計されたコースレイアウトは、当時の英国式リンクスの思想を色濃く受け継いでいます。地形を大きく改変することなく、自然の起伏や植生を最大限に活かしたホール設計は、現代のコース設計とは一線を画す趣があります。フェアウェイに点在する深いブッシュ、石狩湾に面した地勢がもたらす海風——これらすべてが100年前から変わらぬ姿でプレイヤーを試し続けているのです。
リンクスコースならではの戦略性
旧コースの最大の特徴は、英国式リンクスを彷彿とさせる戦略性の高さにあります。コースの随所に配置された深いブッシュは、一度捕まると脱出だけで数打を費やすこともある難敵。ラフエリアへの安易な打ち込みは致命的なスコアロスに直結するため、ティーショットからグリーンへの攻略ルートを慎重に組み立てる思考力が問われます。
さらに大きな攻略要素となるのが、石狩湾から吹き込む海風です。同じホールでも風向きや強さによってクラブ選択はまったく変わり、アゲインスト時とフォロー時では体感距離が数十ヤード異なることも珍しくありません。経験豊富なゴルファーほど「風を読む」楽しさを深く味わえるコースといえるでしょう。
フラットなだけのコースでは物足りないという方にとって、旧コースの起伏とハザードは知的な挑戦を提供してくれます。スコアよりもコースマネジメントの妙味を楽しむ、本来のゴルフの醍醐味を体感できる貴重なフィールドです。
9ホールを2ラウンド――「2通りの攻略」の楽しみ方
旧コースの運営スタイルとして特徴的なのが、9ホールを2回プレーする計18ホールという形式です。同じホールを1日に2度回ることになりますが、これが単調さどころか驚くほど異なる体験をもたらします。
午前のラウンドと午後のラウンドでは、ティーグラウンドの位置が変わるホールがあります。また午前中は穏やかだった風が昼過ぎには海から強く吹き込んでくることも多く、まるで別のコースをプレーしているかのような感覚を覚えるほどです。午前のラウンドで「あのホールはこう攻めてみよう」と頭の中で戦略を練り、午後にそれを実践する——この試行と検証の繰り返しが、旧コースならではの楽しみ方です。
また、1ラウンドが9ホールという構成は、体力的な負担が少なく、ゴルフを始めたばかりの方や久しぶりのラウンドでも気軽に取り組みやすいという利点もあります。もちろん上級者にとっても、コンパクトなコースの中に凝縮された戦略性は十分な手応えを与えてくれます。
四季折々の北海道ゴルフを楽しむ
北海道のゴルフシーズンは概ね4月下旬から11月初旬。本州のゴルファーには馴染み薄かもしれませんが、この期間に訪れる小樽カントリーはそれぞれの季節で全く異なる顔を見せてくれます。
春(5〜6月)は残雪が解け、芝が一気に青さを取り戻す季節。空気が澄んでいて視界がよく、コースの全景を見渡しやすいのもこの時期の特徴です。石狩湾越しに望む景色は清々しく、「北海道ならではのゴルフ」を実感できます。
夏(7〜8月)は本州の蒸し暑さとは無縁の爽やかな気候のなかでプレーできます。最高気温が30度を超える日は少なく、海風が常に吹いているため、夏でも快適にラウンドできるのが道内ゴルフの大きな魅力です。日照時間が長く、夕方遅くまで明るいのも北海道ならでは。
秋(9〜10月)は木々が色づき始め、コース内の景観が一段と豊かになります。ブッシュの葉が紅や黄に染まる頃、旧コースは最も絵になる風景を見せます。気温も落ち着いてプレーしやすく、シーズン締めくくりのラウンドに訪れるリピーターも多い季節です。
アクセスと周辺情報
車でのアクセスは抜群の利便性を誇ります。札樽自動車道の銭函ICから約5分という近さで、札幌駅からは約40分、JR手稲駅からは約15分と、道央エリアから気軽に日帰りゴルフが楽しめる立地です。
周辺には石狩湾を眺めながらドライブを楽しめる海沿いのルートがあり、ゴルフ前後の観光も充実しています。小樽市街地まで足を延ばせば、歴史的な石造り倉庫群が並ぶ小樽運河や、新鮮な海産物が揃う市場・寿司屋通りといった観光名所が待っています。ゴルフ後の夕食に小樽の寿司を楽しむという贅沢なプランも、札幌圏ならではの楽しみ方です。
また、近郊には温泉施設もあり、ラウンド後の疲れを癒す環境も整っています。ゴルフと観光と温泉を組み合わせた1泊2日のプランは、遠方からわざわざ足を運ぶ価値のある充実した旅程になるでしょう。
100年の歴史が刻む、北海道ゴルフの原点
スコアだけを追い求めるゴルフではなく、コースの歴史、自然との対話、そして思考の楽しさを一緒に味わえる場所——それが小樽カントリー倶楽部旧コースの本質です。1928年の開場以来、北海道のゴルフ文化を牽引してきたこのコースは、数多くのゴルファーの記憶に刻まれ、今なお新たなプレイヤーを迎え続けています。
北海道最古のコースという称号は、単なる歴史的な肩書きではありません。それは100年近くにわたってプレイヤーの心を掴み続けてきた、コースとしての本質的な魅力の証明です。リンクスの海風を感じながら、歴史あるフェアウェイを歩く体験は、きっと忘れられないゴルフの記憶となるはずです。
Access
札樽自動車道銭函
Hours
Budget
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