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九州のほぼ中央に位置する阿蘇は、世界最大級のカルデラを擁する火山地帯として知られ、雄大な自然景観が国内外の旅行者を魅了し続けている。その阿蘇の大自然の中に、60年近い歴史と格式を誇るゴルフ場がある。それが赤水ゴルフリゾート(旧:あつまる阿蘇赤水ゴルフ倶楽部)だ。
阿蘇の大地に刻まれた60年の歴史
赤水ゴルフリゾートが開業したのは昭和41年(1966年)のこと。高度経済成長のただなかにあった日本で、ゴルフがスポーツとしての地位を確立しつつあったその時代に、このコースは産声を上げた。
設計を手がけたのは、日本ゴルフ界の黎明期を支えた名匠・赤星四郎。彼は関東の名門コースを数多く手がけたことで知られ、地形を巧みに活かしながら戦略性と美しさを兼ね備えたコース設計で高い評価を受けてきた人物だ。その赤星が阿蘇の火山地形を舞台に仕上げたこのコースは、自然の起伏や岩石、樹木といった素材をそのまま活用した「手造り」の趣が随所に感じられる。
開業以来、このコースは多くのトーナメントの舞台となってきた。とりわけ「ブリヂストン阿蘇オープン」の開催地として名を馳せ、日本を代表するプロゴルファーたちが阿蘇の大地でしのぎを削った。その歴史と伝統は今もこのコースに刻まれており、フェアウェイを歩くたびにかつての名勝負の余韻が漂ってくるようだ。
二つのコースが織りなす個性的な18ホール
赤水ゴルフリゾートの魅力を語るうえで欠かせないのが、杵島(きじま)OUTコースと中岳INコースという、対照的な個性を持つ二つのコース構成だ。
杵島OUTコースは、その名の通り阿蘇五岳のひとつ「杵島岳」の裾野に広がるコースだ。最大の特徴は、樹齢50年を超える木々が立ち並ぶ豊かな森の中を進んでいく点にある。フェアウェイの両側には年輪を重ねた大木が静かにたたずみ、深い緑のトンネルを形成している。ほとんどのホールはフラットに設計されており、フェアウェイも広々としているため、思い切ったショットを楽しめる。初心者から上級者まで幅広いゴルファーが爽快なプレーを体験できるのがこのコースの強みだ。緑に包まれた静謐な空間の中で、木々のざわめきだけを聞きながら打つアイアンショットは格別の気持ちよさがある。
一方の中岳INコースは、阿蘇のダイナミックな火山地形をより強く感じられるコースだ。フェアウェイのあちこちに点在する火山岩が印象的で、これが他のゴルフ場では味わえない独特の景観を生み出している。阿蘇カルデラの複雑な地形を最大限に活かした変化に富んだレイアウトは、戦略的な思考を要求し、上級者にとっては攻略のしがいがある。火山岩の存在はプレーにも影響を与えることがあるため、コースマネジメントの巧拙が스コアに直結する。まさに阿蘇ならではの個性が凝縮されたホールが続く。
名匠・赤星四郎の設計が生み出した自然との一体感
赤星四郎の設計思想は、自然をできる限りそのままに活かすことにあった。阿蘇という特異な地形を前に、彼は削ることや埋めることに最小限の手しか加えなかった。その結果として生まれたのが、阿蘇の地球の息吹をダイレクトに感じながらプレーできる唯一無二のコースだ。
標高約500メートルの高原に位置するこのコースでは、プレー中のどのホールからも阿蘇五岳を望むことができる。根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳からなる阿蘇五岳は、天候や時間帯によって表情を変え、時に神秘的な雲海に包まれることもある。スコアカードを片手にグリーンを読むだけでなく、視線を上げれば目の前に広がる雄大な山容と対峙できる——それがこのコースでゴルフをする最大の醍醐味のひとつだ。
コース内には国立公園の自然がそのまま残されており、プレー中に野鳥のさえずりや高原の風を感じることができる。都市部のゴルフ場とは異なる、本物の自然の中でのラウンドは、身体だけでなく精神的なリフレッシュにもつながるだろう。
四季折々の阿蘇ゴルフを楽しむ
赤水ゴルフリゾートは、季節ごとに全く異なる表情を見せてくれる。一年を通じて訪れる価値があるが、それぞれの季節に固有の楽しみがある。
春(4月〜5月)は、高原に遅い春が訪れる季節だ。阿蘇の野焼きが終わった後に芽吹く青々とした草原と、コース内の新緑が鮮やかなコントラストを描く。ミヤマキリシマなど九州固有の植物が花をつける時期とも重なり、プレー中に色とりどりの花を楽しむことができる。高原の澄んだ空気の中でのラウンドは、冬の閉じこもりから解放された喜びを体全体で感じさせてくれる。
夏(6月〜8月)は、平野部と比べて気温が低い阿蘇高原が輝く季節だ。熊本市内が猛暑に包まれる日でも、このコースでは爽やかな風が吹き抜けることが多く、快適なプレーが期待できる。朝霧の中での幻想的なスタートも、夏の阿蘇ゴルフならではの体験だ。
秋(9月〜11月)は、多くのゴルファーが最も好む季節かもしれない。阿蘇の草原が黄金色に染まり、紅葉が杵島コースの木々を赤と黄に彩る。空気の透明度が増し、阿蘇五岳の山容が一年で最も鮮明に見える季節でもある。高原の清涼な空気の中でフルスイングする気持ちよさは格別だ。
冬(12月〜3月)は積雪によってクローズする場合もあるが、雪が少ない日には冬枯れの草原と霞がかった山並みが織りなす静寂な景色の中でのラウンドが楽しめる。
アクセスと周辺情報
赤水ゴルフリゾートへのアクセスは、九州自動車道を利用するのが一般的だ。熊本インターチェンジを降りてから阿蘇方面に向かい、国道57号線を経由してアクセスすることになる。熊本市内からは車で約1時間程度を見込んでおくとよいだろう。
周辺には阿蘇の観光スポットが豊富に点在しており、ゴルフと観光を組み合わせた一泊二日の旅程もおすすめだ。阿蘇山ロープウェイや阿蘇火口、大観峰からの絶景など、ゴルフ以外にも楽しみは尽きない。温泉も阿蘇エリアには多数あり、ラウンド後の疲れた体を癒すには最適な環境が整っている。
ゴルフの実力に自信のある方はもちろん、阿蘇の自然を全身で感じながらのびのびとプレーしたいという方にとって、赤水ゴルフリゾートは理想的な選択肢のひとつだ。60年近い歴史が積み重ねてきた格式と、阿蘇の大自然が生み出す唯一無二の景観——その両方を同時に堪能できる贅沢な時間が、ここには待っている。
Access
九州自動車道熊本
Hours
Budget
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