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函館の防災・災害対策ガイド|北海道で安全に暮らす備え
函館で安心して暮らすためには、この地域特有の災害リスクを正しく把握し、日常的な備えを積み重ねることが何より大切です。北海道の中では比較的温暖な函館ですが、それでも地震・津波・豪雪・暴風雪といった複数のリスクが存在します。「自分の地域は大丈夫」という思い込みを捨て、正しい知識と具体的な準備を持つことが、いざという時に命と生活を守る力になります。
函館特有の災害リスクを知る
函館が直面する主な自然災害は、地震・津波・豪雪・暴風雪の4種類です。
2018年に発生した北海道胆振東部地震(最大震度7)では、道内全域でブラックアウト(大規模停電)が起きました。函館市内でも長時間にわたって電気が止まり、真夏であったにもかかわらず冷蔵庫の食料が傷み、ATMや信号機も機能停止するなど、ライフラインへの依存リスクが広く認識されました。この経験は、北海道で暮らすすべての人に「停電への備え」の重要性を改めて教えてくれました。
津波リスクも見逃せません。函館は港湾都市であり、過去には1960年のチリ地震津波で甚大な被害を受けた歴史があります。函館湾の地形は津波のエネルギーを集中させやすく、沿岸部に住む方は特に注意が必要です。
冬季の豪雪・暴風雪も深刻な脅威です。函館の年間降雪量は約6メートルに達することもあり、屋根からの落雪による事故や、吹雪時の「ホワイトアウト」(視界がほぼゼロになる現象)による交通事故は毎年報告されています。不要不急の外出を避ける判断力も、函館での冬の安全に欠かせない備えです。
ハザードマップは函館市の公式ウェブサイトから無料でダウンロードできます。洪水・土砂災害・津波・地震の各リスクが地図上で確認できるため、移住前・引越し前に必ず確認する習慣をつけてください。年に一度、最新版に更新されていないかチェックすることもおすすめです。
自宅の防災対策と備蓄品の準備
自宅での備えは「家具の安全対策」と「備蓄品の確保」の二本柱で考えましょう。
家具の転倒防止は最も優先度の高い対策です。タンスや本棚にはL字金具やつっぱり棒を設置し、寝室にはできるだけ大型家具を置かないようにしましょう。就寝中の地震では家具の下敷きになるリスクが高いため、逃げ道の確保も意識してください。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼ることで、地震時のガラス破片による怪我を防げます。
北海道特有の備えとして、停電時の暖房確保は生死を分ける問題です。電気に依存しない暖房手段として、カセットガスストーブ(5,000円前後)と予備ボンベ10本以上の備蓄が現実的な選択肢です。ポータブル電源(3万〜10万円)は冬の停電対策として特に有効で、電気毛布や小型ヒーターの使用にも活用できます。窓への断熱シート(1,000円前後)は停電時の室温低下を和らげる手軽な対策です。
食料・飲料水の備蓄は最低3日分、理想は1週間分を確保してください。水は1人あたり1日3リットルが目安です。アルファ米・缶詰・カロリーメイト・乾麺など、調理が不要または簡単な長期保存食を家族の人数分ストックしましょう。定期的に消費しながら補充する「ローリングストック」の方法なら、賞味期限切れを防ぎながら常に一定量を維持できます。
避難計画と冬の避難に備える
指定避難所は市内の学校・公民館・体育館を中心に50か所以上が設定されています。自宅から最寄りの避難所への経路を複数ルート確認しておくことが大切です。特に函館の場合、積雪・凍結した道路や橋の状況によって、通常の経路が使えないケースもあります。
冬の避難は「防寒」が最優先課題です。非常用持ち出し袋には、ダウンジャケット・防寒用手袋・ニット帽・カイロ・保温シート(アルミブランケット)を必ず入れてください。凍結した路面に対応できるよう、滑り止め付きの防寒ブーツも準備しておきましょう。夜間の避難に備えたヘッドライト(両手が使える懐中電灯)も必需品です。
避難所では長期滞在になることもあるため、常備薬・充電ケーブル・現金(硬貨と千円札中心に5万円前後)・身分証のコピーなども持ち出し袋に入れておくと安心です。
地域コミュニティとの連携
函館市内の多くの町内会では、除雪連絡網が整備されています。この連絡網は、大規模災害発生時の安否確認ネットワークとしても機能します。普段から顔の見える関係を築いておくことが、いざという時の「共助」につながります。
移住者・転入者には特に、地域の防災訓練への参加をおすすめします。避難経路の確認だけでなく、近隣の方々と顔見知りになる機会としても貴重です。実際に被災した際、見知らぬ人より顔見知りの方からの声かけやサポートは大きな心強さになります。
「家族防災会議」を年2回(防災の日のある9月と、大地震が多い3月がおすすめ)開く習慣もつけましょう。家族それぞれの連絡手段、集合場所、役割分担を確認しておくことで、バラバラの状況でも落ち着いて行動できます。
保険と防災投資の考え方
火災保険への加入は基本中の基本ですが、地震保険特約を付帯しているかどうかも必ず確認してください。地震保険は建物最大5,000万円・家財最大1,000万円まで補償され、年間の保険料目安は2万〜6万円程度です。函館では冬季に水道管が凍結・破裂するトラブルも多く、火災保険の水漏れ特約で補償される場合があるため、加入内容を見直しておきましょう。
蓄電池(40万〜100万円)への投資は、停電リスクが高い北海道では長期的に合理的な選択です。太陽光パネルと組み合わせれば、停電時でも最低限の電力を自給できます。初期費用は高いですが、安心感と実用性を考えると「コスト」ではなく「投資」と捉えるべきでしょう。
防災グッズは年1回(9月1日の防災の日前後がおすすめ)に一斉点検し、賞味期限切れの食料・消耗した電池・劣化したアイテムを交換してください。年間の家計予算に「防災費」として数万円を組み込むことで、無理なく備えを継続できます。
まとめ:備えは「当たり前」の習慣に
函館の防災は、北海道特有の寒さと雪のリスクを加味した独自の準備が必要です。一度にすべてをそろえようとせず、優先度の高いものから少しずつ準備を進めることが長続きのコツです。ハザードマップの確認、家具の固定、3日分の備蓄、冬用の避難グッズ——この4つを今週中に着手するだけでも、暮らしの安心感は大きく変わります。
「備えは面倒」という感覚は最初だけです。準備が整うにつれ、日常の安心感が着実に高まっていきます。函館での豊かな暮らしを長く続けるために、防災を生活の一部として取り込んでいきましょう。
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