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成人が受けるべきワクチン・予防接種完全ガイド2026|帯状疱疹・インフルエンザ・肺炎球菌・HPVまで
ヘルスケア
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成人が受けるべきワクチン・予防接種完全ガイド2026|帯状疱疹・インフルエンザ・肺炎球菌・HPVまで

「子どもの頃に予防接種を全部受けたから、大人になったら打たなくてもいい」——こう考えている方は少なくありません。しかし成人・高齢者向けのワクチン接種は予防医学の重要な柱であり、適切な時期に適切なワクチンを接種することで、重大な感染症や合併症のリスクを低減することが期待できるといわれています。本稿では、成人・高齢者が知っておくべきワクチンの種類・接種タイミング・費用・公費助成制度を体系的に解説します。

なぜ成人もワクチンが必要なのか

免疫は時間とともに低下する 幼少期に接種したワクチンの効果(免疫記憶)は永続するものではなく、一部のワクチンは10〜20年で効果が弱まります。破傷風・ジフテリアトキソイドは10年ごとの追加接種が推奨されており、「子どもの時に打ったから大丈夫」とはならないケースがあります。

加齢による免疫機能の低下(免疫老化) 60〜70代以降は免疫機能が自然に低下し(免疫老化)、若い時に感染しても軽症で済んでいた病気が重篤化しやすくなります。帯状疱疹・肺炎球菌感染症・インフルエンザによる死亡リスクは高齢者で著しく高く、ワクチン接種の効果が特に重要です。

職業・生活スタイルによるリスク差 医療従事者・保育士・学校教員・旅行者など、感染リスクが高い職業・生活環境の方には追加のワクチン接種が推奨されます。

成人が受けるべき主要ワクチン一覧

帯状疱疹ワクチン(50歳以上に特に推奨)

水ぼうそう(水痘)と同じウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が原因で、幼少期に水ぼうそうにかかった人の体内に潜伏したウイルスが、加齢や免疫低下で再活性化して起こります。50歳以上の約3人に1人が生涯で帯状疱疹を経験するとされ、皮膚の激しい痛みと水疱が特徴。後遺症として「帯状疱疹後神経痛」(PHN)が数か月〜数年続くケースもあり、生活の質を著しく損ないます。

ワクチンの種類 - *シングリックス(組換えサブユニットワクチン)*: 2回接種。50歳以上に対して高い発症予防効果が報告されています。帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防にも効果が期待できるとされています。2023年より一部自治体で公費助成開始。 - *ビケン(生ワクチン)*: 1回接種。予防効果はシングリックスより低め(50〜70%)だが費用が安い。

費用: シングリックス2回で3〜5万円(公費助成なしの場合)。自治体によって助成額が異なるため、居住地の保健センターに確認を。

インフルエンザワクチン(毎年接種推奨)

毎秋(10〜11月)の接種が基本。特に65歳以上・基礎疾患(糖尿病・心臓病・呼吸器疾患)がある方・妊婦・医療従事者・乳幼児と同居する方は優先的に接種を。65歳以上は定期接種として市区町村から助成を受けられます(自己負担額は自治体により異なる、0〜2,500円程度)。

有効性の注意点: 流行するウイルス株とワクチン株の一致度によって予防効果は変わります(50〜70%程度が目安)。それでも「発症後の重症化・入院リスク」を低減する効果が報告されているとされています。

肺炎球菌ワクチン(65歳以上・基礎疾患のある方)

肺炎は日本の死亡原因の第5位(2022年)で、高齢者に多い肺炎球菌感染症は、ワクチンによる予防が期待できる代表的な疾患とされています。

ワクチンの種類 - *23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックス)*: 65歳以上に定期接種(5年ごとに1回)。公費助成あり(自己負担2,000〜4,000円程度)。 - *15価・20価結合型肺炎球菌ワクチン(バクニュバンス/プレベナー20)*: より広範な血清型をカバー。任意接種(自費3,000〜8,000円)。2種類の組み合わせが推奨されることも。

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(女性・男性ともに)

子宮頸がんの原因の90%以上がHPV感染。日本では女性向けに9〜14歳を対象に定期接種(公費)が実施されていますが、接種機会を逃した女性(いわゆる「キャッチアップ接種対象」は2025年3月末で終了)や、15〜26歳の女性は任意接種で対応可能です。

近年では男性へのHPVワクチン接種も注目されています。男性の咽頭がん・肛門がん・陰茎がんの予防、さらにパートナーへのHPV感染予防の観点から、米国CDCをはじめ多くの機関が男性への接種も推奨。日本でも任意接種が可能です(費用:1回約1〜2万円×2〜3回)。

破傷風トキソイド(成人の追加接種)

幼少期のDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンの免疫は10〜15年で低下します。成人では庭仕事・アウトドア・動物との接触で土壌中の破傷風菌に感染するリスクがあります。けがをした際に「最後に接種してから10年以上経っている」と気づいた場合は追加接種を検討してください(費用:約3,000〜5,000円)。

COVID-19ワクチン(2024〜2026年の動向)

日本では2024年から「秋冬の定期接種(65歳以上が対象)」に移行しました。変異ウイルスへの対応ワクチンが毎年更新されており、基礎疾患のある方・高齢者は毎年の接種が推奨されています。

旅行前・海外渡航者向けワクチン

海外に渡航する場合、渡航先の感染症リスクに応じた追加ワクチンが必要です。主な例: - A型肝炎: 東南アジア・中南米・アフリカへの渡航前 - B型肝炎: 医療従事者・長期滞在者(3回接種が基本) - 腸チフス: 南アジア・東南アジア・アフリカ - 狂犬病: 動物との接触リスクがある渡航(長期滞在・フィールドワーク) - 黄熱: 南米・サブサハラアフリカへの入国に必須(接種証明書が入国条件)

渡航ワクチンは「トラベルクリニック」(国際医療機関・成田空港クリニック等)での相談が効率的です。

公費助成・定期接種の活用方法

住んでいる市区町村から定期的に「高齢者用インフルエンザ・肺炎球菌ワクチン」の接種案内が届きます。案内を捨てずに活用しましょう。自治体のウェブサイトや広報誌で「予防接種」の情報を確認するか、かかりつけ医・薬局で「受けるべきワクチンは何か」を相談するのが最も確実です。

まとめ:ワクチンは「自分と周囲を守る」投資

ワクチン接種は病気にかかってからの治療費・入院費・後遺症のリスクと比べると圧倒的にコスト効果が高い予防投資です。「今は健康だから必要ない」と思わず、年齢・職業・渡航予定に応じてかかりつけ医や地域の保健センターに相談し、「自分が受けるべきワクチン」を確認してみてください。特に40〜50代を迎えたタイミングで帯状疱疹・肺炎球菌ワクチンについて医師に相談することを強くお勧めします。

【2025年4月から定期接種化】高齢者の帯状疱疹ワクチン最新情報

2025年(令和7年)4月1日から、65歳になる方などを対象に、帯状疱疹ワクチンが予防接種法に基づく「定期接種」の対象となりました。従来は全額自己負担の任意接種で、組換えワクチン(シングリックス)は2回接種で数万円の費用がかかっていましたが、定期接種の対象者は市区町村の公費助成を受けて一部負担で接種できるようになっています。

定期接種の主な対象者(2026年度時点) - その年度に65歳になる方 - 経過措置として、2025〜2029年度の各年度に70・75・80・85・90・95・100歳になる方(100歳以上は2025年度に限り全員が対象) - 60〜64歳でヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

接種するワクチンは「生ワクチン(水痘ワクチン・1回接種)」と「組換えワクチン(2回接種)」の2種類から選べ、接種回数・費用助成額・効果の持続期間が異なります。助成額や自己負担額は市区町村によって差があるため、お住まいの自治体の予防接種担当窓口やかかりつけ医で最新の案内を確認してください。(出典:厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」)

成人ワクチンに関するよくある質問

Q. 大人になってから受けるべきワクチンを効率よく知る方法は? 最も確実なのは、かかりつけ医や地域の保健センターに「年齢・持病・職業・渡航予定」を伝えて相談することです。自治体から届く高齢者向けインフルエンザ・肺炎球菌ワクチンの案内や、勤務先の健康診断・産業医面談も、接種状況を見直すよい機会になります。

Q. 複数のワクチンを同時に接種してもよいですか? 不活化ワクチン同士は原則として同時接種が可能で、医師の判断のもと左右の腕に分けて接種することもあります。ただし生ワクチンには接種間隔などの個別ルールがあるため、必ず接種前に医師へ確認してください。

Q. 費用を抑えられる公的制度はありますか? 高齢者インフルエンザ・肺炎球菌、そして帯状疱疹(65歳など)は定期接種として公費助成の対象です。任意接種でも、自治体独自の助成や勤務先・健康保険組合の補助が使える場合があるので、接種前に自治体・保険者へ確認しましょう。

ワクチン接種歴は健康診断人間ドックの結果とあわせて見直すと、予防医療の抜け漏れを防げます。詳しくは日本の健康診断完全ガイドや、50代からの健康寿命を考える介護予防・フレイル対策完全ガイドもあわせてご覧ください。

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Written by

伊藤 健太

メンズヘルス・予防医学ライター