
湯泉神社
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有馬温泉の中心に鎮座する湯泉神社は、温泉地の氏神・守護神として千年以上にわたって人々の信仰を集めてきた古社です。子宝神社として全国的な知名度を持ちながら、一件ずつ丁寧に行う個別ご祈祷の姿勢でも知られています。
千年以上の歴史を刻む由緒
延長5年(927年)に撰上された「延喜式神名帳」において有馬郡の大社として記載されており、その歴史は優に千年を超えます。「日本書紀」には舒明天皇・孝徳天皇・白河法皇といった歴代の天皇・法皇が参拝したことも記録されており、古くから皇室とも縁の深い神社です。
祀られているのは大己貴命(大黒さま)・少彦名命(医薬の神)・熊野久須美命の三神。創建当初は大己貴命と少彦名命の二神でしたが、仁西上人が有馬を再興した1191年頃から熊野信仰の影響を受けて熊野久須美命が加わり、「有馬温泉鎮護三神」と称されるようになりました。
三羽のカラスが導いた温泉発見の伝説
湯泉神社には、有馬温泉そのものの発見にまつわる伝説が受け継がれています。大己貴命と少彦名命の二神が人々を病から守るべく国々を旅して薬草を探していたとき、傷ついた三羽のカラスが赤い水を浴びて傷を癒しているのを目にしました。その赤い水こそが有馬の温泉であり、二神はこうして有馬温泉を発見したと伝えられています。温泉の恵みを神々の導きとして位置づけるこの由来は、温泉守護神としての神社の性格を象徴しています。
平安期から続く「玉鉾さま」「阿福さま」の子授け信仰
湯泉神社が広く知られるもう一つの顔が、子宝・子授けの神としての信仰です。「有馬の湯に浴し当社で祈願すれば子宝に恵まれる」という言い伝えは今も生き続けており、全国各地から参拝者が訪れます。
なかでも「玉鉾さま」「阿福さま」と呼ばれる子授けのお守りは特別な歴史を持ちます。その起源は平安時代末期に編まれた日本最古の辞書「伊呂波字類抄」に記されており、子宝を望む人々が男形・女形それぞれをかたどったものを夜陰ひそかに神前に献じて祈願していたことに由来します。千年近い信仰の積み重ねを背景に持つ、この神社ならではのお守りです。
三社巡りで感じる自然のエネルギー
湯泉神社の参拝をより深く体験するものとして「三社巡り」があります。本社の湯泉神社・摂社の水天宮・別宮の有馬天神社の三社を巡るもので、木々や湧き出る清水に包まれた境内を歩くことで自然のエネルギーを感じられると言われています。有馬温泉で湯に浸かって身を清めたあと三社を参拝するという流れは、温泉地ならではの心身の浄化体験として旅の締めくくりにふさわしいでしょう。
江戸時代から続く年間行事と丁寧なご祈祷
毎年1月2日に執り行われる「献湯祭(入初式)」は、江戸時代から続く神仏合同の古式祭典です。その年の初湯を神前に奉り、湯泉大神と有馬の開祖行基・仁西両上人への感謝とともに、温泉地の繁栄と安全が祈願されます。また1月11日から13日にかけては、神様にお供えしたお餅と野菜で作った「厄除雑煮」が参拝者に振る舞われるという、温かみある行事も行われています。
子宝・安産祈願をはじめ、厄除祈祷・交通安全・商売繁盛・健康長寿など各種祈祷は一件ずつ個別に丁寧に行うのが同社の姿勢です。地鎮祭・上棟祭・工事安全祈願などの出張祈願にも対応しており、直接参拝が難しい場合は問い合わせフォームや電話から相談できます。なお昇殿祈祷を希望する場合は、社務の都合もあるため事前予約が必要です。
アクセス
兵庫県神戸市北区有馬町1908
営業時間
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