
横手城(横手公園展望台)郷土資料館
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秋田県横手市の中心部、朝倉山の頂に立つ横手城(横手公園展望台)は、1965年(昭和40年)11月1日の開館以来、城の歴史と眺望を同時に体験できる展望台兼資料館として親しまれてきた。三層の天守閣様式を模した建物は、城が実際に存在した中世から戦国期にかけての記憶を今に伝えながら、4階展望室からは横手盆地、横手川、そして秋田富士とも称される鳥海山の壮大なパノラマを四季を通じて望める。
「韮城」と呼ばれた戦国の要害
横手城の起源は1550年頃にさかのぼる。秋田県南部に勢力を誇った小野寺氏によって「朝倉城」として築かれたこの城は、朝倉山を包むように横手川が流れ、背後を奥羽山脈の山並みが連なるという自然の防御地形を最大限に活かした平山城だった。
特筆すべきは築城の工夫だ。石垣を積む一般的な手法は取らず、「土居削崖(どいさっかい)」と呼ばれる土を削り落とす急斜面で敵の接近を防ぎ、その斜面にはあえてニラ(韮)を植えた。足がかりを奪うことで敵が這い登れないようにするためで、この独特の仕掛けがそのまま別名「韮城(にらじょう)」の由来となった。
1868年の戊辰戦争で横手城は落城し、城の実体は失われた。その後は横手公園として整備されたが、昭和40年に焼け残った遺構を活かして三層の展望台が建てられ、現在の姿へと生まれ変わった。
城址に刻まれた人物たちの痕跡
歴史の重みを感じさせる史跡が園内に点在している。城址南東の一角には「本多上野介正純公の墓碑」がある。「宇都宮釣天井」事件で知られる人物で、将軍暗殺計画に加担したと疑われ失脚した江戸初期の大名だ。その墓碑がここ横手に残ることは、近世東北の歴史的経緯を伝える無言の証言でもある。
北側に立つ「平和観音像」、そして本丸跡には焼け残った横手城の遺構を用いて建立された「秋田神社」。これら城址の各所に残る構造物が、単なる公園以上の歴史的重層感をこの場所に与えている。
常設展示と年間を通じた企画展
建物内は複数フロアに分かれ、1階と3階には城と地域の歴史に関する常設展示が置かれている。2階では年間を通じてテーマを替えた企画展が開催され、十文字和紙の作品展、秋田の伝統的な編組細工展、伝統こけしコレクション展など、秋田県南の工芸・文化を幅広く紹介してきた実績がある。
2026年6月12日から7月20日にかけては「横手城と城下町展」が開催中で、絵図などの資料をもとにかつての城と城下町の姿を辿ることができる。この手の文献展示は、城そのものの形状や配置をイメージする上で貴重な機会だ。
御城印と観覧情報
令和7年8月1日からは「横手城 御城印」の販売も始まった。1枚300円で受付にて購入でき、登城の記念として手に取る来訪者も多い。
観覧料は4館共通入場券100円。横手市内の「ふれあいセンターかまくら館」「後三年合戦金沢資料館」「石坂洋次郎文学記念館」の3施設もあわせて回れるお得な仕組みで、中学生以下は無料となっている。
開館期間は4月1日から11月30日まで、そして2月の「かまくら」イベント期間中にも臨時開館する。毎年2月に横手市内で催されるかまくら雪まつりに合わせて展望台から雪景色を眺める体験は、夏とはまったく異なる表情を見せてくれる。夜景の美しさも知られており、夕刻から夜にかけて訪れた際の横手市街の灯りもまた見どころの一つだ。
アクセス
横手市横手町
営業時間
09:00〜16:30(開館期間:4月1日~11月30日、2月のかまくら期間中)
料金目安
100円(4館共通入場券、中学生以下無料)
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