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乳頭温泉郷七湯めぐり

乳頭温泉郷七湯めぐり

※写真はイメージです。

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秋田県の山懐に抱かれた乳頭温泉郷は、日本の秘湯文化を象徴する場所です。ブナの原生林に点在する7つの一軒宿が、それぞれ異なる泉質と情景を持ち、温泉好きの心を離さない特別な場所として知られています。

秘湯の里が生まれた歴史

乳頭温泉郷の歴史は古く、江戸時代にさかのぼります。田沢湖高原の奥地、標高600〜800メートルの山岳地帯に位置するこの地は、かつて湯治場として地元の人々や藩主に愛されてきました。特に鶴の湯温泉は、秋田藩主・佐竹氏が鷹狩りの際に利用したとも伝えられており、350年以上の歴史を誇ります。

この地域が「乳頭温泉郷」と呼ばれるようになったのは、近くにそびえる乳頭山(標高1,478メートル)に由来します。原生のブナ林に覆われた山岳地帯に7つの温泉宿が点在するこの地域は、各宿がそれぞれ独自の源泉を持ち、泉質も景観も異なるという稀有な温泉地として、全国の温泉ファンから高い評価を受けています。現在では「日本秘湯を守る会」にも加盟する宿が含まれ、手つかずの自然と素朴な湯治文化が大切に守り続けられています。

七湯それぞれの個性と魅力

乳頭温泉郷を構成する7つの温泉には、それぞれ異なる表情があります。

鶴の湯は七湯の中でも最も有名で、茅葺き屋根の湯治棟が並ぶ姿は江戸時代の湯治場の面影をそのまま残しています。乳白色の硫黄泉が湧き出る野天風呂は、雪景色の中でも人気が高く、雑誌や観光ポスターでよく目にする乳頭温泉郷のシンボル的な光景です。含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素塩泉で、肌をなめらかにする美肌効果が高いといわれています。

妙乃湯は7つの中でも洗練された雰囲気を持ち、清流・孫六川のほとりに位置する露天風呂が印象的です。「金の湯」と「銀の湯」という2種類の源泉を持ち、金銀の泉として知られています。黄金色に輝く湯と透明な湯の対比が訪れる人を驚かせます。

黒湯は最も山奥に位置する温泉で、標高が高いために冬期間は休業するほどの秘境ぶりです。黒褐色の酸性硫黄泉が特徴で、木造の湯小屋が原始的な雰囲気を醸し出しています。

蟹場温泉はブナ林の中を流れる沢沿いに露天風呂があり、森林浴と温泉を同時に楽しめる贅沢な一軒宿です。無色透明のさっぱりとした湯は長湯に向いています。

孫六温泉は木造の浴舎が風情満点で、弱酸性の硫黄泉が楽しめます。鶴の湯と同様に古い歴史を持ち、湯治の雰囲気が色濃く残る宿です。

大釜温泉は廃校になった小学校の校舎を移築・改修した建物が特徴的で、独特の雰囲気を持つ温泉宿です。硫黄の香り漂う白濁した湯が自慢で、その個性的な佇まいに驚かされます。

休暇村乳頭温泉郷は7つの中で最も設備が整った施設で、日帰り入浴から宿泊まで幅広く対応しています。初めて乳頭温泉郷を訪れる方の拠点としても利用しやすい宿です。

湯めぐり帖で七湯を制覇する

乳頭温泉郷を存分に楽しむなら、ぜひ「湯めぐり帖」を活用してください。各宿のフロントや田沢湖・角館の観光案内所などで購入でき、1冊1,800円で7つの温泉すべてに入浴できます。有効期間は1年間あるため、何度かに分けて訪問することも可能です。

さらに便利なのが「湯めぐり号」バスの存在です。アルパこまくさを起点として1日数便運行されており(運行期間:4月下旬〜11月上旬頃)、マイカーがなくても多くの温泉宿を巡ることができます。1日で七湯すべてを巡ろうとすると、移動時間も含めてかなりのハードスケジュールになります。各温泉の日帰り入浴受付時間(多くは午前10時〜午後3時頃)を事前に確認してからスケジュールを立てるのがポイントです。1つひとつの湯をゆっくり味わいたい方には、2日以上かけてのんびりと巡るのがおすすめです。

四季それぞれの楽しみ方

乳頭温泉郷は四季を通じて異なる魅力を見せてくれます。

春(4月下旬〜5月)は、残雪とブナの新緑が織り成すコントラストが美しい季節です。冬の間休業していた奥地の温泉が再開し、湯めぐりのシーズンが本格的にスタートします。残雪を踏みしめながら露天風呂に浸かる体験は格別です。

夏(7月〜8月)は、深緑のブナ林が涼やかな森の空気をつくり出し、温泉と自然を合わせて楽しむ最適な季節です。虫の声を聞きながらの露天風呂は、日常の疲れを忘れさせてくれます。近くの田沢湖で湖水浴を楽しんだ後に立ち寄るのもおすすめです。

秋(10月〜11月上旬)は、乳頭温泉郷が最も輝く季節です。ブナやナラなどの広葉樹が黄金色や赤橙色に染まり、温泉の湯けむりと相まって絵画のような景色を演出します。紅葉の見頃は例年10月上旬〜中旬で、この時期は全国から多くの旅行者が訪れるため、宿泊する場合は早めの予約が必要です。

冬(12月〜3月)は、雪深い東北の厳しさと、そんな環境だからこそ際立つ温泉の温もりを同時に感じられる特別な季節です。一面の銀世界の中で白濁した湯に身を沈める鶴の湯の野天風呂は、多くの温泉ファンが憧れる冬の絶景として知られています。ただし冬期は奥地の温泉が休業するため、事前に各宿の営業情報を確認することをおすすめします。

アクセスと周辺観光情報

乳頭温泉郷へのアクセスは、秋田新幹線「田沢湖駅」が最寄り駅です。田沢湖駅から羽後交通バスで「アルパこまくさ」まで約50分。そこから各温泉宿へは湯めぐり号または各宿の送迎を利用します。マイカーの場合は、東北自動車道「盛岡インターチェンジ」から国道46号などを経由して約1時間30分が目安です。

周辺には見どころも豊富です。田沢湖は日本最深の湖(水深423.4メートル)として知られ、深い青緑色の湖面が神秘的な美しさを放っています。湖畔には「たつこ像」が佇み、田沢湖のシンボルとなっています。また、江戸時代の町並みを今に伝える「角館」(かくのだて)は、乳頭温泉郷から車で約40分の距離にあります。武家屋敷が立ち並ぶ通りや、春には見事な枝垂れ桜で彩られる景観は「みちのくの小京都」と称されるほどの美しさです。温泉と歴史街道をセットで楽しむ旅程を組めば、秋田の魅力を存分に堪能できるでしょう。

乳頭温泉郷は、単なる温泉地ではなく、日本の原風景ともいえる秘湯文化を体験できる場所です。ブナの原生林に守られながら湧き出す7つの湯を巡る旅は、身体だけでなく心も深く癒してくれるはずです。

アクセス

JR田沢湖駅からバスで50分

営業時間

各宿の日帰り入浴時間による

編集部最終確認: 2026-04-25 (AI抽出)

予算内訳

大人

¥1,800

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