
谷地温泉
GALLERY
八甲田山の深い山懐に抱かれた谷地温泉は、開湯400年以上の歴史を持つ「日本三秘湯」の一つ。周囲には高山植物が自生する谷地湿原が広がり、山中にぽつりと佇む一軒宿の木造建築は、訪れただけで時間の流れが変わるような静けさをまとっている。館内で使う水はすべて八甲田の湧き水で、その名水は飲んでも感じ取れる清冽さだ。
浴槽の底から湧き出る、二つの顔を持つ湯
谷地温泉最大の見どころは「足下自噴」の源泉かけ流し泉——浴槽の底から直接ポコポコと自噴するお湯だ。この宿には泉質の異なる二種類の湯がある。38度の「下の湯」は霊泉とも称される柔らかなぬる湯で、じっくりと長湯しながら体の芯まで温める湯治本来の浸かり方ができる。一方、42度の「上の湯」は白濁した湯で、温度のコントラストを楽しみながら交互に入れば、腰痛やアトピーへの効果があるとも言い伝えられてきた。東北訛りの世間話が飛び交う浴室の空気ごと味わうのが、この宿ならではの湯治体験だ。
高田大岳の清流が育てた岩魚料理
食事処「ぶなしずく」で供される名物は、南八甲田・高田大岳山麓から湧き出る天然水で育てた岩魚(いわな)料理。塩焼き・お造り・天ぷら・揚物・煮物と多彩な調理法で楽しめ、岩魚の骨酒も味わえる。プランによっては「岩魚3匹分」のフルコースが組まれるなど、ここに来なければ食べられない山の幸が卓を彩る。地元産の採れたて山菜やキノコを使った季節の田舎料理も並び、八甲田の自然の恵みをそのまま皿の上で受け取るような食事になる。
冬の谷地温泉:雪5メートルと星空、そして野生のテン
冬の谷地温泉は別の顔を見せる。酸ヶ湯を上回る5メートルもの積雪量は、山中の一軒宿を完全な白の世界へと変える。澄み渡った冷気の中に瞬く満天の星は、都市部では到底見られない密度の光を持つ。そして、食事処「ぶなしずく」の窓に顔を出すのが、野生の「テン」だ。この小型の野生動物が宿の敷地に遊びに来ることが知られており、その愛らしい表情は冬ならではの贈り物となっている。
瀬戸内寂聴ゆかりの「源氏の間」と昭和の客室
客室はトイレ・洗面所が共同の昭和レトロなつくりで、1名から最大6名まで対応した部屋が揃う。なかでも東館の「源氏の間」は、作家・瀬戸内寂聴先生が『源氏物語』第九巻を執筆した部屋として知られており、その静謐な山中の環境が創作を支えたことを思うと、宿の持つ空気の深さが改めて伝わってくる。
アクセス
青森県十和田市法量谷地。最寄駅等の詳細な交通情報は公式サイトに記載なし。
営業時間
電話対応時間は施設営業日の9:00〜17:00。休館日は不定期。
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店舗詳細
- 対応言語
- 日本語
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