
青荷温泉(ランプの宿)
GALLERY
青森県黒石市の山間深く、携帯電話の電波も届かない青荷渓谷に、ひっそりと湯煙を上げる秘湯がある。青荷温泉「ランプの宿」は、電灯もテレビもエアコンも存在しない宿だ。現代の利便を手放したとき、人は初めて自分のまわりにある静けさや自然の豊かさに気づく——公式が掲げる「不便という名の贅沢」とは、まさにその感覚を言い当てた言葉である。
ランプ点灯という夕暮れの儀式
日が傾くと、職人がランプを吊るした棹を肩に担いでランプ小屋から現れる。廊下や客室の前に、橙色の炎が一灯ずつ丁寧に灯されていく。揺れるガラスと傘がかすかな音を立てるなか、館内はゆっくりと暖かな光に包まれていく。圏外のまま机の上に置かれたスマートフォンに、いつしか手が伸びなくなるのは、この点灯の儀式を目にしてからのことが多い。
4つの湯処、それぞれの佇まい
浴場はヒバ材の清涼な香りに包まれた4種類——本館内湯、健六の湯、滝見の湯、そして露天風呂(混浴)。滝見の湯では渓谷を流れる水の音を耳に感じながら湯につかることができ、開放感のある露天風呂では青荷渓谷の緑や岩肌が目と肌の両方に迫ってくる。どの浴場も装飾を省き、湯と静寂だけがある。
囲炉裏と四季の田舎料理
食の場でも、この宿は飾らない。豊穣な自然と清流が育んだ滋味を、ゆったりと、ときに心深く澄ますようにいただく田舎料理が膳を彩る。タグが示す通り、春は雪解けとともに届く山菜、秋は紅葉の季節に合わせたきのこ料理が登場し、冬には囲炉裏を囲んで夜を過ごすことができる。夏は蝉時雨と深緑のなか、渓谷の涼しさが自然の冷房代わりになる。料理そのものが、青荷の四季を伝える手段となっている。
3つのはなれ——本館とは異なる趣
本館のほかに「ふるさと館」「幻渓楼」「十方堂」という3棟のはなれが用意されており、それぞれ本館とは異なる趣を持つ。グループや記念日の宿泊で、より静かな環境を求める場合の選択肢になる。
日帰り入浴と四季のアクセス
宿泊だけでなく日帰り入浴も受け付けており、2026年4月より料金改定が実施されている(最新料金は公式サイトまたは電話で要確認)。住所は青森県黒石市沖浦青荷沢滝ノ上。山間の立地ゆえ、2026年3月に一時実施された一般車両通行止めのような季節的な道路規制が発生することもあるため、訪問前に公式サイトのお知らせを確認しておくと安心だ。電波の届かない「ここだけの時間」を求めて、東北の秘湯を目指す価値は十分にある。
アクセス
黒石駅から車で約40分
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店舗詳細
- 対応言語
- 日本語 / 英語
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