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忘れの里 雅叙苑

忘れの里 雅叙苑

※写真はイメージです。

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鹿児島県霧島市の妙見温泉に佇む「忘れの里 雅叙苑」は、旅館街の喧騒から離れた天降川沿いに、江戸時代の茅葺き古民家を移築して作られた一軒の宿です。点在する茅葺き屋根の建物が集落のように配された景色は、教科書や絵本で見た「むかしの日本」そのもの。訪れた瞬間から、現代の時間軸をするりと抜け出したような感覚に包まれます。

集落を丸ごと移築した空間

敷地内に広がるのは、ただの旅館ではありません。かつて各地に存在した古民家を移築・再構成することで、宿全体がひとつの小さな「集落」として成り立っています。茅葺き屋根の重厚な佇まいと、手入れされた庭と自然が溶け合う環境は、宿に泊まるというより、時代を遡った村に身を置く体験に近いものです。天降川のせせらぎが常に傍らにあり、静寂と水音だけが時を刻みます。

巨大な一枚岩を刳り抜いた温泉

雅叙苑の温泉でもっとも印象的なのが、巨大な一枚岩をくり抜いて造られた露天の岩風呂です。岩そのものが湯船という、他ではほぼ見られない存在感を持つこのお風呂は、源泉かけ流しで妙見温泉の湯を贅沢に楽しめます。また、「お風呂リビング」と呼ばれる空間も用意されており、入浴をくつろぎの延長として、ゆったりと過ごせる仕立てになっています。茅葺きの古民家と湯けむりが重なる情景は、滞在中の忘れられない一コマになるはずです。

自給自足の食材で作る薩摩の郷土料理

食の面でも、雅叙苑は独自の姿勢を貫いています。料理に使われる野菜は薩摩の大地で収穫されたものを基本とし、地鶏は直営農場で育てたものを使用。自給自足の精神に根ざした食材が、薩摩の郷土料理として食卓に並びます。生産から調理までの距離が近い分、素材の持ち味がそのまま皿に宿り、外から持ち込まれた均一な味とは一線を画した滋味深さがあります。

「忘れる」ために来る場所

宿の名が「忘れの里」であることは、まさにそのまま体験の本質を表しています。スマートフォンの通知も、仕事の締め切りも、都市の喧騒も——ここではすべてが遠ざかります。古民家の縁側に腰を下ろし、岩風呂に体を沈め、薩摩の土から生まれた料理をいただく。その繰り返しが、日常では手が届かないような深い休息をもたらしてくれます。霧島・妙見温泉を訪れる際には、単なる温泉宿としてではなく、日本の原風景そのものに泊まるという目的で足を運ぶ価値がある宿です。

アクセス

鹿児島県霧島市牧園町宿窪田4230

営業時間

9:00〜21:00

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