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うすくち龍野醤油資料館

うすくち龍野醤油資料館

※写真はイメージです。

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淡口醤油の発祥地として知られる兵庫県たつの市に、日本でただひとつの「醤油専門の資料館」がある。ヒガシマル醤油の旧本社社屋を活用した「うすくち龍野醤油資料館」は、4世紀以上にわたる龍野醤油の歴史を、本物の道具と映像で体感できる施設だ。

この建物自体が歴史遺産

資料館の建物は1932年(昭和7年)、片岡家が創業した菊一醤油造合資会社の本社として建てられた。その後、浅井醤油合名会社との合併を経て龍野醤油株式会社となり、のちにヒガシマル醤油株式会社と改称してからも本社として使われ続けた由緒ある建物だ。木造建築でありながら外観はレンガ造り風のルネッサンス様式を呈しており、2008年(平成20年)には国登録有形文化財に登録。さらに「兵庫県景観形成重要建造物」「地域活性化に役立つ近代化産業遺産」にも認定されている。城下町の面影が残る播磨の小京都・龍野の町並みの中でも、ひときわ存在感を放つ外観だ。

全国初の醤油資料館として開館した経緯

1979年(昭和54年)11月、この建物は全国で初めての醤油専門の資料館として生まれ変わった。展示の核となっているのは、江戸時代から受け継がれてきた醤油醸造用具や文書など約2400点。これらは「兵庫県重要有形民俗文化財」に指定された貴重なコレクションであり、ヒガシマル醤油だけでなく、龍野醤油協同組合各社が保管してきた資料も含まれる。ひとつひとつの道具に、名もなき職人たちの知恵と工夫が刻まれている。

龍野でしか生まれなかった淡口醤油

龍野の醤油づくりは天正年間(1580年頃)、円尾孫右衛門長村・横山五郎兵衛宗信・片岡治兵衛らによって始まったとされる。この地が淡口醤油の産地として栄えた背景には、地理的な好条件が重なっている。南北を流れる揖保川がもたらす鉄分の少ない軟水(伏流水)、播磨平野で育った良質な小麦と米、山裾でとれる大豆、そして赤穂の塩。これら良質な原料が揃う「山紫水明の地」だからこそ、色が淡く素材の味を引き立てる醤油が誕生した。京・大阪の食文化に育まれながら洗練されてきたこの調味料は、和食だけでなく洋食や中華にも広く使われるようになっている。

映像と展示で知る「匠の技」

館内では約15分の映像「その風土と淡口醤油造りと匠の技」が放映される。土地の風土と醤油づくりの関係、そして製造工程における先人の技が丁寧に描かれており、約2400点の実物展示と合わせて見ることで、醤油が食卓に届くまでの長い歴史がより立体的に理解できる。

醤油蔵ギャラリーも併設

資料館の敷地内には、醤油蔵を活用したギャラリーも設けられている。ここでは洋画家・山下摩起画伯の作品が展示されており、歴史資料の見学とは異なる静かな鑑賞体験が楽しめる。醤油の香りが漂う蔵の空間で絵画と向き合う時間は、資料館ならではの余韻として残る。

アクセス

JR本竜野駅から徒歩20分

営業時間

9:00〜17:00 定休日: 土・日・祝日・年末年始・夏期休暇

料金目安

500円~1,500円

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