
津軽こけし館
GALLERY
津軽こけし館は、青森県黒石市の豊かな民芸文化を体感できる専門施設です。全国から集められた約4,000本のこけしと木地玩具が一堂に会し、単なる展示にとどまらず、伝統工芸の「今」を直接体験できる場として多くの訪問者を迎えています。
江戸の商家をイメージした建築と入口の迫力
館の外装は、国指定重要文化財である江戸時代の商家「中町・高橋家」と、雪除けの屋根付き歩廊「こみせ」をイメージして設計されています。敷地内にはこけしの原木であるイタヤカエデとミズキが植樹されており、建物に一歩足を踏み入れる前から伝統工芸の世界観が始まります。
1階入口では高さ4.219メートルのジャンボこけしと2メートルの木地ダルマが出迎え、その存在感は写真映えするだけでなく、こけしというジャンルのスケール感を一気に印象づけます。
棟方志功が描彩した一点物のこけし
館内で特に注目すべきは、世界的版画家・棟方志功が昭和39年頃に描彩したこけしの展示です。木地は津軽こけしの創始者として知られる故盛秀太郎による手仕事で、1尺2寸のこけしには「大寿天福」、8寸のこけしには「乾坤」の文字が記されています。平成6年に館の所蔵となったこの作品は、民芸と美術が交差した唯一無二の文化財です。
2階の展示室には盛秀太郎・佐藤善二両氏の専用コーナーも設けられており、津軽こけしの系譜をより深く辿ることができます。また、各界の著名人が絵付けした「こけしアートコレクション」も並び、伝統工芸が現代の表現者たちにどう受け継がれているかを示しています。
津軽系こけしの個性と全国11系統の比較展示
2階の展示の見どころの一つは、全国11系統のこけしを一覧できることです。津軽系は青森県の温湯温泉や大鰐温泉を中心に生まれ、アイヌ模様やダルマ絵、すそ広がりのふくらんだ胴部が特徴です。津軽藩の家紋である牡丹の花を模様に用いたものも存在します。宮城・岩手・秋田・山形・福島の各系統と並べて見ることで、地域ごとの気候・文化がいかにこけしの形や彩色に反映されているかが実感できます。
こけし絵付け体験と工人の実演
体験学習室では、あらかじめ白木を削った状態のこけしに筆で絵付けをする「こけし絵付け体験」が楽しめます。実演中のこけし工人が直接指導するため、初めて訪れる方も無理なく取り組めます。さらに、工人が実際にろくろを使って木地を成形する実演見学も可能で、展示ケース越しではなく職人の手仕事をすぐそばで観察できる機会は貴重です。
隣接する津軽伝承工芸館と周辺へのアクセス
平成12年4月にオープンした津軽伝承工芸館が隣接しており、一帯でより幅広い津軽の工芸・文化に触れることができます。黒石ICからは車で約10分、青森空港からは約40分とアクセスしやすく、十和田湖観光や弘前城下町めぐりと組み合わせたルートにも組み込みやすい立地です。「全国伝統こけし工人フェスティバル」など館主催のイベント期間中は、各地から集まった工人たちの実演が一堂に並ぶため、通常来館とはまた異なる熱気を体感できます。
アクセス
JR黒石駅から弘南バスで約25分 JR弘前駅から弘南バスで約50分 マイカー: 黒石ICから約10分
営業時間
9:00~17:00
料金目安
500円~1,000円
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