
旅館つつ井
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瀬戸内海の生口島、瀬戸田港のすぐ目の前に佇む「旅館つつ井」。明治四十三年(1910年)の創業以来、この島で最初の旅館として数多くの旅人を迎えてきた老舗だ。潮の香りと島人の温かい心で紡がれてきたおもてなしは、一世紀以上を経た今も変わらず続いている。
明治四十三年創業、生口島最初の旅館
明治四十三年(1910年)、瀬戸田港の目の前に産声を上げた「旅館つつ井」は、生口島で初めて誕生した旅館だ。以来百年以上にわたり、島を訪れた旅人や地元の人々の集いの場として歴史を積み重ねてきた。港を往来する様々な職業の人々が立ち寄り、本土からの客が運んでくる都会の風を感じながら、島の文化と外の世界が交わる場所でもあった。
画家・平山郁夫が愛した「子供に回帰する宿」
生口島を故郷とする世界的な画家・平山郁夫は、「旅館つつ井」への思いを週刊朝日の連載「ひいきの宿」に綴っている。アジアや中近東の過酷な取材旅行の途中、砂漠や不便な山岳地での宿泊が続くと、ふと美しい瀬戸内の海と新鮮な魚の記憶が蘇り、夢の中で子供の頃に帰っていく——そんな郷愁の宿として「つつ井旅館」を語っている。「子供に回帰する宿」というフレーズはそこから生まれたもので、旅館の玄関を出入りするたびに幼い日々が蘇ると語った平山郁夫の言葉は、この宿が持つ独自の空気感を端的に物語る。
港前だからこそ味わえる景観
旅館は港務所の前に位置しており、窓の外にはわずか五、六十メートル先に高根島が浮かぶ。その間を潮が静かに流れ、河のように穏やかな水面が広がる。瀬戸内海の東西南北の十字路にあたる生口島らしく、大小の島々が密集する風光明媚な眺めが目の前に広がる。港を往来する船を眺めながら過ごす時間は、ゆったりとした島の時間の流れそのものだ。
旬の海の幸と、島人のおもてなし
瀬戸内海の恵みを受けた豊かな海の幸は、この宿の大きな魅力のひとつ。新鮮な魚介を活かした食事が、訪れる人をもてなす。潮の香りとともに、島人ならではの温かい心づかいで迎えてくれるおもてなしは、長旅の疲れを癒やしてくれる。
レモン風呂と瀬戸内の旅情
当館では、生口島ならではのレモン風呂を楽しめる。柑橘の香りが漂う湯に浸かりながら、風光明媚な瀬戸内の景色とゆったりとした時間の流れを感じる——そんな滞在が、この旅館では待っている。
アクセス
瀬戸田港前(生口島)
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