
沼津港深海水族館
GALLERY
駿河湾を目の前にした沼津港の一角に、日本で唯一(世界でも唯一)の深海専門水族館がある。「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」は、日本一深い湾として知られる駿河湾の豊かな深海生態系を軸に、常時100種類以上の深海生物を展示する。単なる水族館の枠を超え、冷凍シーラカンスや希少映像など、ここにしか存在しない標本と資料が揃う唯一無二の施設だ。
世界中でここだけ——冷凍シーラカンスの衝撃
館の最大の見どころは、冷凍シーラカンス2体とはく製3体の展示である。シーラカンスは3億5千万年前から姿をほとんど変えていない「生きる化石」で、長らく絶滅種とみなされていたが、1938年にアフリカのコモロ諸島で生きた個体が発見され、全世界に衝撃を与えた。現在はワシントン条約によって商取引が厳しく規制されているため、新たに入手することは不可能だ。当館が所蔵するのは、規制前に日本の調査隊が捕獲した個体。冷凍状態で保存された実物標本を間近に見られるのは、文字通り世界中でここだけという事実が、この展示の重みを物語る。さらに世界初のシーラカンス遊泳映像も公開されており、謎多き古代魚が海中を動く姿を映像で確認できる。
駿河湾の深海から世界の深海へ——個性的な生物たち
展示の主役は深海生物の多様性だ。駿河湾に生息する世界最大のカニ「タカアシガニ」は、その迫力ある脚の長さで訪れる人を驚かせる。メキシコの深海800メートルに生息する「ダイオウグソクムシ」、かつての海をそのまま体現するような古代ザメ「ラブカ」、そして全長5メートルを超える「メガマウスザメ」のはく製など、通常の水族館では絶対に出会えない生物が並ぶ。なお、人気の高いメンダコは、深海底引き網漁の禁漁期にあたるため現在は展示していないが、10月中旬の漁解禁後に再開予定とのことで、季節を選んで訪れるのも一つの楽しみ方だ。2026年6月には「古代の海エリア」に新展示もオープンし、館内の見どころはさらに広がっている。
体感型アトラクションで深海に潜る
展示を見るだけにとどまらない仕掛けも充実している。レーザー銃を手に2人乗りの探査ポッドで深海エリアを進み、沈没船やクジラの墓場といったステージで生物をゲットしていくシューティングアトラクションは、子どもから大人まで楽しめる。また、VR空間に再現された駿河湾を舞台に、潜水艦に乗って未踏の海底遺跡を探検する4D対応VR深海アドベンチャーも体験できる。知識として深海を「知る」だけでなく、疑似体験として深海を「感じる」ことができるのがこの館の強みだ。
飼育員の言葉と映像でさらに深く知る
館内の展示を補完するコンテンツも充実している。飼育員が日常の飼育状況や新たな発見をつづる公式ブログ「飼育日誌」では、展示生物の素顔に迫るエピソードが随時更新される。また公式YouTubeチャンネルでは、駿河湾で採取した珍しい生物や新入りの生物の遊泳映像を公開しており、訪問前後の予習・復習にも役立つ。深海という日常からかけ離れた世界を、複数の角度から立体的に体験できる施設として、子ども連れはもちろん、生き物好きの大人にも強く響く場所だ。
アクセス
静岡県沼津市千本港町83番地
営業時間
10:00〜18:00(最終入館17:30)
料金目安
2,000円~3,500円
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