
煮干拉麺 小烏丸
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群馬県高崎市に店を構える「煮干拉麺 小烏丸」は、煮干一筋に向き合い続ける店主が、素材の選定から製麺まで自ら手がける煮干ラーメンの専門店だ。レギュラーメニューを幾度も世代交代させながら理想の一杯を追い求める姿勢は、単なる試行錯誤を超えた職人的探求心の表れといえる。
五代目煮干中華そば――王道への回帰
2024年12月から提供が始まった「五代目煮干中華そば」は、「王道への回帰」をテーマに掲げた現行のレギュラーメニューだ。四代目では秋刀魚煮干のブレンドや揚げ玉など個性派の試みを追求したものの、幅広いお客への訴求という観点から新たな方向転換を決断。五代目では奇をてらわず、煮干本来の旨味と食べやすさを徹底的に磨き上げることを優先した。片口鰯を中心に厳選した煮干を複数ブレンドして引き出す深い旨味は、「また食べたい」と思わせるシンプルさの中にある。
美瑛産「春よ恋」を選ぶ理由
麺には北海道・美瑛産の新麦「春よ恋」を使用した低加水自家製麺を採用している。「春よ恋」は北海道産小麦として広く知られるが、小烏丸が選ぶのは北海道全域のブレンドではなく、美瑛産に産地を絞ったもの。品質のブレを抑え、きめ細やかさと滑らかさを確保するためだ。店主がブログに記しているのは、この美瑛産小麦が「支那そばや」の創業者・佐野実氏が生前に使いたかったと伝えられる食材であるという事実。その意味の重みを噛みしめながら調達した麺素材であることが、一杯への向き合い方を物語っている。さらに北海道産全粒粉を配合することで、低加水麺でありながら多加水麺が持つ小麦感と食感の両立を実現している。
素材への執念――一頭買いの焼豚
豚肉に関しては、黒豚とケンボロー種を交配させた「やまざきケンボローポーク」を一頭買いで仕入れるスタイルを採ってきた。原材料費が上昇し続ける環境下でも、「厳選した良質な食材をふんだんに使う」というポリシーを崩さないことが小烏丸の一貫した姿勢だ。価格を抑えながら高品質を維持するという矛盾を、調理法とレシピの研鑽で乗り越え続けることが店主の課題であり、それがラーメンの質として皿の上に現れている。
代替わりの哲学とHQJコンセプト
初代から五代目まで、レギュラーメニューは定期的に「世代交代」を繰り返してきた。各代は前世代の学びを引き継ぎながら更新されており、店主は変更の経緯や意図をブログで丁寧に発信している。限定メニューでは「Hi quality JunK(HQJ)」という独自コンセプトも展開。料理としての繊細な品質を追求しながら、ラーメン本来のジャンクなうまさと食べごたえを両立させる世界観だ。2022年の8周年イベントで提供された「伊吹煮干ト黒さつま鶏ノ中華そば」、年の瀬に限定提供してきた「鴨と下仁田葱の年越し中華そば」なども、こうした姿勢から生まれた一皿である。煮干という素材の奥行きを、代を重ねながら掘り下げ続ける専門店だ。
アクセス
群馬県高崎市問屋町2-7(ビエント高崎1F)
店舗詳細
- 対応言語
- 日本語
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