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鳴門市ドイツ館

鳴門市ドイツ館

※写真はイメージです。

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徳島県鳴門市に建つ鳴門市ドイツ館は、「第九が日本で初めて演奏された地」として知られる史料館だ。第一次世界大戦中に設けられた板東俘虜収容所でのドイツ兵たちの生活と、地元住民との温かな交流の記録を今に伝える。単なる戦争史の展示施設にとどまらず、国境を超えた人道的な精神の証として、多くの来訪者を引きつけている。

世界も驚いた「バンドーのラーゲル」

当時のドイツ兵捕虜が残した言葉がある。「世界のどこに、バンドーのようなラーゲルがあったでしょうか」。板東俘虜収容所での処遇が、戦時下の施設としては異例なほど人道的であったことを示す証言だ。収容所内ではドイツ兵たちが音楽やスポーツをはじめ様々な活動に従事し、地域の住民とも積極的に交わりながら生活を送っていた。ドイツ館ではそうした日常の様子を具体的な史料と展示で紹介しており、当時の捕虜たちの暮らしぶりと地域との絆を実感できる。

第九シアターで体感する初演の奇跡

館内の目玉展示が「第九シアター」だ。ベートーヴェンの交響曲第九番が板東で日本初演されたエピソードを、映像とロボットが織りなす演出で語る。パネル展示では味わえない臨場感で「なぜこの地で第九が生まれたのか」を体験的に知ることができる点が、他の歴史施設にはない特色だ。施設が「奇跡の歴史をその目でお確かめ下さい」と案内するとおり、多くの来訪者がこの展示を目当てに足を運ぶ。

収容所の「命令」から読み解く捕虜の日常

常設展示に加え、テーマを絞った特別展も随時開催している。「板東俘虜収容所の『命令』から見る捕虜の日常」と題した企画では、収容所内で発せられた命令文書を切り口に、当時の生活規則や文化活動の実態に迫る。こうした一次史料群はユネスコ記憶遺産への登録申請が進められており、その学術・文化的価値は国際的にも注目されている。

音楽と写真が交差する文化発信地

第九の精神を受け継ぐように、ドイツ館は現在も地域の文化発信拠点として機能している。チケットが即完売となるピアノリサイタル、写真展、和と洋の文化融合をテーマとしたコンサートなど、多彩なプログラムが組まれている。歴史展示と生きた文化体験が同じ屋根の下で出会う施設として、繰り返し訪れる価値がある。

アクセス

鳴門市大麻町桧字東山田55-2

営業時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)。休館日:第4月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末12月28日~12月31日

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