おはらい町通りの伊勢土産店
伊勢神宮内宮への参拝を終えたあと、多くの旅人が足を向けるのが「おはらい町」です。約800メートルにわたって石畳の続くこの通りは、伊勢の食文化や伝統工芸が凝縮された場所。参拝の余韻とともに、土産選びの喜びに浸れる特別な空間が旅人を迎えてくれます。
おはらい町の歴史と成り立ち
おはらい町の歴史は江戸時代にさかのぼります。かつて伊勢神宮への参拝は「お伊勢参り」と呼ばれ、庶民の間で一生に一度の大旅行として憧れられていました。江戸時代には全国各地から年間数百万人もの参拝者が訪れたとされ、内宮へと続くこの道沿いには、旅人をもてなす旅籠や茶屋、土産物屋が自然と集まるようになりました。
しかし明治時代以降、時代の変化とともに通りは一時衰退を経験します。転機が訪れたのは1993年のこと。赤福を中心とした地元企業や自治体が協力し、江戸時代の伊勢路の風情を再現するべく「おはらい町」として整備・再生を行いました。切妻造りの町家建築を基調とした統一感ある街並みが整えられ、かつての賑わいが現代によみがえったのです。現在では年間を通じて多くの観光客が訪れる、三重県を代表する観光スポットのひとつとなっています。
伝統的な町家建築が生み出す街並み
おはらい町の魅力を語るうえで欠かせないのが、その美しい街並みです。通りに沿って並ぶ建物は、伊勢の伝統的な建築様式を基調とした急勾配の切妻屋根と格子窓が特徴的な外観を持っています。白壁と木の温かみが調和した落ち着いた色調で統一されており、現代の建物でも外観デザインに一定のルールが設けられているため、街全体として江戸・明治の雰囲気が保たれています。
通りのほぼ中間地点には、とくに賑わいの中心として知られる「おかげ横丁」があります。1993年に開業したこのエリアは、明治から大正時代の伊勢路の町並みを再現したもので、飲食店や土産物屋、体験施設などが密集しています。おはらい町と合わせて散策すれば、伊勢の食と文化をより深く味わうことができます。石畳の通りを歩くだけでも、タイムスリップしたような感覚が得られるのがおはらい町の大きな魅力です。
伊勢が誇る銘菓・名産品の数々
おはらい町通りの土産物屋に足を踏み入れると、伊勢志摩の豊かな食文化の幅広さに圧倒されます。まず誰もが目にするのが、伊勢を代表する銘菓「赤福餅」です。なめらかな餡を柔らかい餅にのせたこの菓子は1707年創業の赤福が製造・販売しており、内宮前の赤福本店では出来たてを店内で味わうこともできます。
伊勢うどんも見逃せない一品です。短くコシのない独特の太麺に、濃いたまりしょうゆベースのつゆをかけたもので、全国各地のうどんとは一線を画す個性的な味わいが特徴です。多くの飲食店が店頭で提供しており、食べ歩きにも適しています。
伊勢茶は、奈良・宇治に次ぐ日本三大茶産地のひとつとして知られる三重県が誇る銘茶です。深蒸し製法による濃厚な旨みと甘みが特徴で、お茶を使ったスイーツや飲料も多数販売されています。松阪牛のしぐれ煮や佃煮は、ご飯のお供や贈り物として人気の高い土産品です。松阪牛は日本三大和牛のひとつとして名高く、その旨みを凝縮したしぐれ煮はご飯との相性が抜群です。
海の幸も豊富に揃っています。伊勢志摩は伊勢えびやアワビの産地として知られており、干物や加工品が各店に並びます。さらに、三重県はミキモトが世界で初めて真珠の養殖を実用化した地。本真珠のアクセサリーや小物も土産物としての人気が高く、品質の確かな製品を扱う専門店が通り沿いに点在しています。
季節ごとに変わる通りの表情
おはらい町は一年を通じて楽しめますが、季節ごとに異なる表情を見せることも魅力です。
春(3〜5月)は穏やかな気候のなか、内宮周辺の桜が咲き誇る時期です。石畳の通りを歩くだけで清々しい気持ちになれます。ゴールデンウィークは特に混雑しますが、通りを埋め尽くす活気は祭りのような雰囲気を生み出しています。
夏(6〜8月)には、かき氷や冷やし甘酒など季節限定の涼菓も各店に並び、夏ならではの食べ歩きが楽しめます。夕暮れ時に石畳の通りを散策するのも格別の風情があります。
秋(9〜11月)は、秋の収穫を祝う奉納行事が神宮で行われる時期でもあります。栗を使ったスイーツや秋限定の和菓子も登場し、食欲の秋にふさわしいラインナップが揃います。落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと散策を楽しめるシーズンです。
冬(12〜2月)は、年始の初詣シーズンがピークとなります。伊勢神宮は日本を代表する初詣スポットのひとつであり、元日から三が日にかけて全国から多くの参拝者が訪れます。おはらい町の各店も年始仕様の品揃えで迎えてくれます。
アクセスと周辺観光情報
おはらい町へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。近鉄・JR伊勢市駅または近鉄宇治山田駅から、三重交通バスに乗車して「内宮前」バス停で下車すれば徒歩すぐです。伊勢市駅からの所要時間は約15〜20分です。名古屋からは近鉄特急を利用すれば約1時間20分でアクセスできます。
車でのアクセスには、伊勢自動車道の伊勢インターチェンジが便利です。ただし内宮周辺は観光シーズンを中心に渋滞が発生しやすいため、少し離れた駐車場からシャトルバスを利用する方法も検討してみてください。
おはらい町を訪れたなら、ぜひ伊勢神宮内宮への参拝もセットで計画したいところです。日本最高位の神社として知られる伊勢神宮は、天照大御神を祀っており、荘厳な森に囲まれた神域は訪れる人に深い感動をもたらします。また、内宮から車で約10分の外宮も合わせた「両宮参拝」は、伊勢観光の王道です。二見浦の夫婦岩や鳥羽の水族館・真珠島など、周辺には多彩な観光スポットも点在しています。おはらい町を拠点に、三重・伊勢志摩の旅をたっぷりと満喫してください。
アクセス
近鉄「五十鈴川駅」からバスで10分
営業時間
9:30〜17:00(季節により変動)
料金目安
500〜5,000円
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