
久渡寺
GALLERY
津軽の大地に静かにたたずむ久渡寺は、西暦800年ごろにまで遡る長い歴史を持つ真言宗智山派の古刹です。青森県弘前市坂元の出羽丘陵北端、標高663メートルの久渡寺山を背に構え、津軽三十三観音霊場の第1番札所として、今も多くの巡礼者や参拝者を迎え続けています。
千年を超える創建の歴史
伝承によれば、延暦年間(782〜803)に坂上田村麻呂が蝦夷征伐で津軽を訪れた際、阿闍羅山(現・大鰐町)に本陣を構え、岩木山まで峰伝いに「阿闍羅千坊」と呼ばれる千の坊舎を建てたことに起源が求められます。その後、建久2年(1191)に唐の僧侶・円知上人が津軽を訪れ、荒廃していた阿闍羅三山坊を見て再興を図りました。円知上人はこの地に聖観音を遷し、「小沢山救度寺」と称して布教の本拠地としました。本尊の聖観音は円仁(慈覚大師)の作と伝わります。
慶長年間(1596〜1615)には寛海和尚によって再興され、津軽一統を志した大浦為信が寺領を寄進。寺を坂元村に遷し「護国山観音院」と改称しました。元和5年(1619)には二代藩主・津軽信枚が堂舎を再建して藩の祈願所と定め、寛永3年(1626)には最勝院・百沢寺・国上寺・橋雲寺とともに津軽真言五山の一つに列せられました。寛永10年(1633)、三代藩主・信義が寺領百石を寄進し、現在の寺名「久渡寺」へと改められています。
弘前市有形文化財・円山応挙の幽霊画
久渡寺を語る上で欠かせないのが、写生を重んじる画風で知られる江戸時代の絵師・円山応挙が描いたと伝わる幽霊画「返魂香之図」です。その史料的価値の高さが改めて認められ、令和3年(2021年)5月25日に弘前市有形文化財に指定されました。この幽霊画は特別公開時に拝観できます。
津軽三十三観音霊場の旅立ちの地
久渡寺は、寛延年間(1749〜1751)に定められた津軽三十三観音霊場巡りの第1番札所です。記録によれば、はじめは「護国三十三ヵ所」と呼ばれており、江戸時代中頃から番付が改められて当寺が一番札所となり、結願は観音山普門院と定められました。明治維新の廃仏毀釈で一時大きな影響を受けたものの、明治中頃から観音めぐりが復活し、現在も多くの参拝者が全国から訪れます。御朱印やお守りは郵送での受け付けも行っており、遠方の方にも対応しています。
王志羅講と民間信仰の息吹
久渡寺ではまた、古くから王志羅講(大白羅講)と呼ばれる民間信仰が伝承されてきました。これは津軽地方固有の信仰形態であり、寺の歴史と地域の精神文化が深く結びついてきたことを示す重要な伝承です。
久渡寺山のハイキングと「こどもの森」
境内の奥に広がる久渡寺山は豊かな自然環境に恵まれており、参詣とあわせてハイキングを楽しめます。ビジターセンター南側のハイキングコースを進むと鳥居があり、約20メートル上がったところには眼病に効能があるという湧水が湧く羽黒神社があります。さらに上には玄舟寺(本尊・延命地蔵)があり、山頂には「山の神」と呼ばれる御堂が祀られています。久渡寺から編笠林道を通り、一野渡の座頭石(市民の森)を経て狼森へ至る道は「東北自然歩道(座頭石と久渡寺参拝のみち)」に指定されており、自然の中を歩く巡礼路として親しまれています。
また、久渡寺32世の高坂智晋住職が100ヘクタールの山を無償開放し、昭和44年(1969)に開場した「弘前市こどもの森」も隣接しています。ビジターセンター・植物園・あそびの森・キャンプ場などを備え、自然観察や野外活動の場として地域住民に長く愛されており、平成元年には環境庁より「ふるさと・いきものの里」に認定されました。
参拝案内
拝観時間は9:00〜16:30(特別公開時は17:00まで)。拝観料は大人500円、中高生200円、小学生100円(特別公開時は各100円増)。駐車場あり。バスでは弘南バス久渡寺線「久渡寺」バス停で下車できます。
アクセス
弘前弘南鉄道大鰐線 千年駅から車で13分 弘南バス久渡寺線 久渡寺で降車
営業時間
9:00~16:30(特別公開時は9:00~17:00)
料金目安
大人500円、中高生200円、小学生100円(特別公開時は大人600円、中高生300円、小学生100円)
外部予約・検索サイトで探す
下記の外部サイトで本店舗・施設の予約・在庫状況をご確認いただけます。
※ 外部サイトへのリンクには広告 (アフィリエイト) を含みます。
店舗詳細
- 価格帯
- $
- 対応言語
- 日本語
RELATED SPOTS
関連するスポット(8件)
青森県青森市
ねぶたの家 ワ・ラッセ
青森ねぶた祭の大型ねぶたを常設展示する文化施設。迫力ある実物のねぶたを間近で鑑賞できる。
青森県弘前市
弘前城
現存天守12城の一つ。春には約2,600本の桜が咲き誇り、日本屈指の桜の名所として有名。
青森県十和田市
十和田湖
二重カルデラ湖の神秘的な青い湖面が広がる景勝地。高村光太郎作「乙女の像」が佇む。
青森県十和田市
奥入瀬渓流
十和田湖から流れ出る約14kmの渓流。苔むした岩と清流が織りなす自然美は東北随一の景勝地。

青森県弘前市
津軽藩ねぷた村
弘前ねぷたの展示と津軽の文化を体験できる施設。津軽三味線の生演奏やこぎん刺し体験も。
青森県弘前市
弘前りんご公園
約80種2,300本のりんごの木が植えられた公園。りんご狩りや岩木山の絶景を楽しめる。
青森県青森市
A-FACTORY
青森駅前の複合商業施設。地元りんごのシードルやクラフト雑貨、青森土産が充実。
NEARBY
周辺のスポット(8件)










