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コイコイ商店

コイコイ商店

※写真はイメージです。

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京都・左京区の鹿ヶ谷で、タイ料理と民藝が静かに交差する場所がある。コイコイ商店は、店主が全国の職人から直接買い付けた手仕事の器でタイ料理を提供するという、他に類を見ないコンセプトの一軒だ。食べることと、良い道具に触れることを同時に体験できる——ふだん使いの豊かさを問い直す空間である。

全国の職人が宿るうつわたち

店で使われる器はすべて、全国各地の作り手から直接仕入れた本物の民藝品だ。福岡・風見窯による蓮花文が彫り込まれた飯碗や、淡い青磁釉薬をまとった5寸深皿。大分・小鹿田焼からは、伝統技法「飛び鉋」が施された緑釉の6寸丼。愛媛・砥部焼の陶房遊からはまる文様の磁器碗や花散らし文の蕎麦猪口。さらに、愛媛の吹きガラス作家・村上恭一による9角・8角・6角といった多角形のグラス類は、吹きガラス特有の揺らめきが光を美しく屈折させる。山梨・石黒雄大の作品も扱うなど、産地もジャンルも多彩で、民藝の美的世界が食卓全体に宿っている。

タイ料理を民藝のうつわで味わう

店舗では汁麺やお粥、タイ料理を提供している。料理が盛られるのは、上に挙げたような職人たちの手仕事の器だ。小鹿田焼の丼で汁麺をすすり、砥部焼の碗でお粥をいただく——そういった体験が日常の一コマとして成立している。異国の料理と日本の民藝が同じ食卓に並ぶその取り合わせは奇妙ではなく、むしろ「良い道具で食べる」という根源的な楽しみを静かに再発見させてくれる。

手料理・手仕事を日々の糧に

店主のスタンスは一貫している。「手仕事、手料理を通して、日常生活のちょっとした豊かさを見出すお手伝いができれば」という言葉に、この店の核心が凝縮されている。民藝は博物館や美術館のものではなく、毎日使ってこそ輝く——その信念が、料理と器を切り離さずに提供するスタイルに体現されている。定期的に手仕事カレンダーや本日のメニュー、レシピも公開しており、店に来られない日でも民藝と料理のある暮らしのヒントが手に入る。

店舗使用品を次の使い手へ

器は常に入れ替えを続けるため、実際に店で使ってきたうつわを格安で次の使い手へ譲り渡す取り組みも行っている。風見窯の飯碗や村上恭一の吹きガラスのグラス、砥部焼の蕎麦猪口など、日常的に料理を盛り付けてきた一点物ばかりだ。使用感はあれど欠けのある品は出品しないというポリシーのもと、本物の民藝を手頃な価格で日常に取り入れたい人にとってのもう一つの入口になっている。

アクセス

京都市左京区鹿ヶ谷法然院西町30

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