
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
GALLERY
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館は、単なる展示施設にとどまらない。奈良県内の埋蔵文化財発掘調査を統括する研究所が直接運営する場であり、現在進行形の発掘成果がリアルタイムで展示に反映される、研究と公開が一体化した稀有な博物館だ。
国宝・藤ノ木古墳 ─ 40年前の大発見の今
この博物館を語るうえで欠かせないのが、藤ノ木古墳の出土品だ。「40年前の大発見」として知られる発掘の記録を振り返る写真展が開催され、続編の展示「再び輝き始めた藤ノ木古墳2」へと受け継がれた。国宝に指定された出土品は現在も修理・保存事業が続けられており、安定台座の製作など最新の保存技術が施される過程も研究所の活動として公開されている。発掘から数十年を経てもなお研究が深化し続ける藤ノ木古墳の現在地を、ここで確認することができる。
アトリウム展示 ─ 常に動く研究成果の窓口
館内のアトリウムでは、特定テーマに絞った企画展が定期的に入れ替わる。直近では「研究員による最新研究成果2025」「桜井茶臼山古墳の調査風景」「バハレーン・マカバ古墳群の調査2022年度–2025年度」などが開催された。バハレーンの古墳群という国際的な調査成果がここ橿原で見られることは、研究所の活動が国内にとどまらないことを示している。また、富雄丸山古墳の造出し埋葬施設に関する調査成果も随時発表されており、奈良発の最前線考古学がアトリウムに凝縮されている。
飛鳥宮跡 ─ 進行中の発掘と復元プロジェクト
研究所は史跡飛鳥宮跡の発掘調査を長年継続しており、2025年だけで第191次・第192次の調査が実施された。発掘現場では現地説明会が随時開かれ、市民が発掘の様子を直接目にする機会が設けられている。さらに2026年度には飛鳥宮の復元模型制作業務が進められており、研究成果を立体的に再現するプロジェクトが動き出している。英語・中国語・韓国語のリーフレットも用意されており、国際的な来訪者にも対応している。
公開講演会と学術出版 ─ 知識を社会へ
研究所の知見は展示にとどまらず、多様な形で社会に発信されている。公開講演会は2025年度で第45回を迎え、奈良での開催に加え、東京でも第15回の出張講演会が行われた。研究紀要『青陵』や学術誌『考古学論攷』はPDFが無料公開されており、専門家だけでなく考古学に関心を持つ一般の人々も最新の研究成果にアクセスできる。博物館の訪問をきっかけに、こうした出版物を手がかりとして奈良の歴史をさらに深掘りする楽しみ方もある。
アクセス
橿原市畝傍町3-9-1
営業時間
9:00~17:00
料金目安
400円~600円
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