
割烹加津屋
GALLERY
大阪・福島の路地にひっそりと佇む「割烹加津屋」は、戦前の屋台串カツから数えて約100年の歴史を刻む割烹料理店。三代にわたって守り続けてきた「食材への一切の妥協を許さない」姿勢と、カウンター越しに紡がれる料理人との会話が、この店を単なる食事処ではなく、大人のための「もう一つの居場所」にしている。
串カツ屋台から割烹へ――100年の歩み
店名「加津屋」の由来は、そのまま「カツ屋」にある。戦前の大阪福島で串カツの屋台として産声を上げた初代は、豚肉と玉葱だけにとどまらず牛肉・魚介・野菜など多彩な具材を揃え、"安い旨い"を信条に繁盛した。屋台裏の鍋で煮込んだ「どて焼き」と「おでん」はお土産にする客がいるほどの名物だったという。戦後は中津で屋台を再開し、1970年に発祥の地・福島へ店舗を構え、1980年に二代目が日本料理の提供を始める。そして平成後期に三代目へと引き継がれた現在も、先代からのこだわりは変わらない。
中央卸売市場で磨いた、鮮魚を見極める目
この店の核心は、代々大阪の中央卸売市場と向き合い続けてきた「目利きの力」にある。その日に納得できる素材だけを仕入れるため、献立には素材名しか記されていない。「何をどう調理してほしいか」は客が決める。刺身にしてもらうか、揚げてもらうか、焼いてもらうか――あるいは「おまかせ」にすれば、和洋の垣根を越えた創作の一皿が次々と供される。「次に何が出るんだろう」というワクワク感と、予想を超える驚きが、この店に通う客を飽きさせない。冬の自慢は「クエ鍋」。希少な高級魚クエを惜しみなく使った鍋は、季節ならではの贅沢として知られている。
4席カウンターという親密な空間
店内のカウンターはわずか4席。これほど小さな空間だからこそ、料理人と客の距離は極めて近い。食べたいものをその場で伝えれば可能な限り対応してもらえる懐の深さが、割烹の醍醐味だと三代目は言う。「料理へのワガママをどんどんおっしゃって」というスタンスは、来店前の予約時に食材のリクエストを伝えておけば、わざわざ仕入れておいてくれるほど徹底されている。おまかせコースは6,000円から予算に応じて組んでもらえ、好みの味・食事のペース・日本酒か焼酎かといった嗜好を感じ取りながら、その日その時に最適な流れを作ってくれる。
地酒と四季の料理
割烹料理に合わせて、全国の地酒を常時7種類ほど用意している。銘柄選びに迷えば、料理との相性を踏まえた1本を提案してもらえる。料理は旬の食材を軸に四季とともに変化し、素材の味・香り・見た目の美しさを丁寧に引き出した皿が並ぶ。「四季を丁寧にいただく」というコンセプトのもと、春夏秋冬それぞれの顔を持つ一皿が、通うたびに新しい発見をもたらしてくれる。
個室での特別な時間
カウンターとは別に、座敷の個室(4席)が1室用意されている。接待や記念日の食事はもちろん、結納・顔合わせといった慶事、故人を偲ぶ法事まで、その席の意味に合わせた料理と空間を整えてくれる。予算・人数・用途を事前に伝えておけば、心を込めた準備が待っている。
大人の隠れ家として
JR福島駅から徒歩5分、梅田からも近い立地でありながら、表通りから少し外れたひっそりとした佇まいがこの店の空気感を作っている。他の宴席の締めに、落ち着いたカウンターでゆっくり語り合う場としても重宝されており、通えば通うほど使い勝手が良くなる「大人のための隠れ家」として、長年の常連に愛され続けている。気取らず、アットホームに過ごせる空気も、この小さな割烹が100年近く愛される理由のひとつだ。
アクセス
JR福島駅から徒歩5分
営業時間
11:30〜14:00、17:00〜23:00、定休日: 日・祝
料金目安
おまかせコース 6,000円〜
店舗詳細
- 価格帯
- $$$
- 個室
- あり
- 決済方法
- クレジット
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