
川場村 りんご狩りと田園カフェ
GALLERY
群馬県の山間に静かに佇む川場村は、清流と緑に恵まれた自然豊かな農村地帯です。武尊山(ほたかやま)を間近に仰ぎながら広がる高原の果樹園では、毎年秋になると色とりどりのりんごが枝もたわわに実り、訪れる人々を出迎えます。都会の喧騒を離れ、澄んだ山の空気の中で旬のりんごをかじる体験は、日常では味わえない豊かなひとときを与えてくれます。
川場村とりんご栽培の歴史
川場村は群馬県北部、利根郡に位置する人口約3,500人の小さな村です。標高は村の中心部でおよそ500〜700メートルを超え、武尊山や谷川岳といった山々に囲まれた高原地帯にあります。この地理的条件が、りんご栽培に欠かせない「寒暖差」を生み出します。昼間は太陽の光をたっぷり浴びて糖分を蓄え、夜間は気温がぐっと下がることで酸味が引き締まる。この気候こそが、川場産りんごを甘くて風味豊かに育てる最大の秘訣です。
川場村でのりんご栽培の歴史は数十年に及び、地域の農家が代々丁寧に受け継いできた農業文化の一つです。化学肥料に頼りすぎない栽培方法を守りながら、清流・薄根川の豊かな水を利用した農業が今も続けられています。村全体として農業観光(アグリツーリズム)に力を入れており、りんご狩りはその代表的な体験として首都圏からの来訪者に広く知られています。
りんご狩りの楽しみ方と品種ガイド
川場村のりんご狩りシーズンは例年9月上旬から11月下旬にかけて続きます。この2ヶ月半の間に、複数の品種が順を追って旬を迎えるため、訪れる時期によって異なるりんごとの出会いがあります。
9月〜10月上旬:つがる シーズン最初に登場するのが「つがる」。黄緑色がかった果皮が特徴で、果汁が多くさっぱりとした甘さが魅力です。りんごの中では比較的柔らかく、子どもから年配の方まで食べやすい品種です。
10月:紅玉(こうぎょく)・秋映(あきばえ) 秋の深まりとともに登場するのが「紅玉」。鮮やかな深紅色で、甘さの中に程よい酸味があり、お菓子作りにも適したりんごとして名高い品種です。同時期には「秋映」も楽しめ、濃い赤紫色の外観と濃厚な甘みが人気を集めています。
10月下旬〜11月:ふじ シーズンの締めくくりを飾るのが「ふじ」。日本で最も広く愛されるりんごで、蜜入りのものも多く、噛むたびにじゅわっと広がる甘さは格別です。貯蔵性も高く、お土産としても人気の品種です。
りんご狩りは基本的に「食べ放題」スタイルで楽しめます。摘み取りのコツは、りんごを上に持ち上げながらくるりとひねること。樹から外れたらそのまま口へ——採れたての新鮮さは、スーパーで買うものとは段違いです。
武尊山を背景にした果樹園の絶景
川場村のりんご園が特別な理由の一つは、その景観の素晴らしさにあります。標高2,158メートルを誇る武尊山(日本百名山の一つ)を背景に広がる果樹園は、まさに絵画のような光景です。
秋には果樹園の緑と赤いりんごのコントラストが美しく、晴れた日には澄み渡る青空の下で武尊山の稜線がくっきりと映えます。10月中旬を過ぎると周囲の山々が紅葉し始め、赤・黄・橙色に染まる山肌とりんごの赤が重なる光景は圧巻です。写真好きの方にとっても見逃せないロケーションで、SNSでも多くの美しい写真が投稿されています。
果樹園の中を散策しながら自分でりんごを選ぶ時間そのものが、都市生活では得られない贅沢なひとときです。鳥のさえずりと山の風、りんごの甘い香りに包まれながら過ごす時間は、訪れた人の心にいつまでも残ります。
田園カフェで味わうりんごスイーツ
りんご狩りの後は、隣接する田園カフェでひと息つきましょう。川場村の農村景観を眺めながら、りんごを使ったスイーツや飲み物を楽しめます。
定番人気のメニューはアップルパイとりんごのタルト。地元産りんごをふんだんに使ったこれらのスイーツは、外はサクサク、中はりんごの果肉がぎっしりと詰まった本格派の味わいです。甘さも控えめで、採れたてのりんごを食べた後でも軽やかに楽しめます。
飲み物にはりんごジュースがおすすめです。果汁100%のジュースは、添加物を一切使わない素直な甘さと香りが特徴。子どもから大人まで喜ばれる一杯です。温かい季節にはジュース、肌寒い秋の終わりにはホットのアップルティーが体を温めてくれます。
カフェのテラス席からは果樹園と山々の景色が広がり、食事と眺望を同時に楽しめるのも魅力の一つ。週末は混雑することも多いため、午前中の早めの時間帯に訪れることをおすすめします。
道の駅「川場田園プラザ」と周辺の楽しみ方
川場村のりんご狩りと合わせてぜひ立ち寄りたいのが、道の駅「川場田園プラザ」です。全国の道の駅の中でも常に上位にランクインする人気施設で、川場村の農産物や加工品が豊富に揃っています。
地元産の新鮮野菜・果物はもちろん、川場村の清流で育った川魚の加工品、地元のクラフトビール「水紀行」シリーズなども購入できます。フードコートでは川場産食材を使ったメニューが充実しており、ランチも道の駅で楽しむことができます。
周辺には川場スキー場(冬季営業)や薄根川沿いの散策路もあり、シーズンを通じてアウトドアアクティビティを楽しめる環境が整っています。紅葉シーズンには川沿いのモミジやカエデが美しく色付き、ハイキングと組み合わせた訪問もおすすめです。
アクセスと訪問のポイント
電車・バスでのアクセス: JR上越線「沼田駅」から関越交通バスで約30分。川場村内のバス停で下車後、徒歩またはタクシーを利用します。
車でのアクセス: 関越自動車道「沼田IC」から国道120号経由で約20分。駐車場は道の駅「川場田園プラザ」が広く使いやすいです。
訪問の注意点: りんご狩りの受付時間や営業状況は農園によって異なり、天候や収穫状況によって急遽変更されることもあります。訪問前に農園に直接確認することをおすすめします。また、10月の紅葉シーズンは特に混雑するため、平日の訪問や早めの時間帯がおすすめです。服装は動きやすい格好で、秋は朝晩の冷え込みに備えて一枚多く持参すると安心です。
川場村のりんご狩りは、秋の自然と農業文化を一度に体感できる特別な旅の目的地です。武尊山の麓で自らの手でもぎ取ったりんごの味は、きっと旅の大切な思い出になるでしょう。
アクセス
関越道沼田ICから車で15分
営業時間
9:00〜16:00(9月〜11月)
料金目安
¥500〜¥800
施設の特徴
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