東京都立中央図書館
港区南麻布の緑豊かな有栖川宮記念公園に隣接する東京都立中央図書館は、国内の公立図書館のなかでも最大級の規模を誇る、知の殿堂とも呼べる施設です。研究者から一般市民まで、調べものや読書を目的とした多くの人々が日々訪れます。
230万冊超を擁する圧倒的なコレクション
東京都立中央図書館は、1973年(昭和48年)に都立日比谷図書館の蔵書を引き継ぐ形で南麻布の地に開館しました。2025年3月末時点での蔵書数は約232万2,717冊に及び、うち約35万冊が開架に並んでいます。利用者は書架に並ぶ資料を自由に手に取ることができ、それ以外の資料は閲覧申込みを通じて書庫から取り出すことが可能です。
雑誌は6,077種、新聞は1,204紙を所蔵しており、学術誌から地域紙まで幅広い分野をカバーしています。単に蔵書数が多いだけでなく、調査研究に直結する専門性の高い資料が充実している点が、この図書館の大きな特徴です。資料のジャンルは人文・社会・自然科学にとどまらず、行政資料、統計資料、法令集など実務的な調べものにも応えられる体制が整っています。
江戸・明治の貴重資料とデジタルアーカイブ
コレクションのなかでも特に注目されるのが、江戸から明治期にかけての歴史的資料群です。刊本・写本・古地図・錦絵・漢籍など、時代を映す一次資料が多数保存されています。なかでも浮世絵と江戸城造営関係資料については、デジタルアーカイブとして整備されており、遠隔地からもオンラインでアクセスできる環境が用意されています。
特別文庫室では、これらの貴重資料を専門的に管理・公開しており、研究者や歴史愛好家にとって欠かせない場となっています。特別文庫室の開室時間は月曜日から金曜日の午前10時から午後5時30分までで、一般開架フロアとは別に設けられています。こうした歴史資料群は、東京という都市の成り立ちを探る上でも非常に価値が高く、国内外の研究者が資料調査に訪れています。
充実した調査支援サービス
蔵書の規模とともに高く評価されているのが、専門スタッフによる調査相談(レファレンス)サービスです。調べたいテーマについて相談すると、必要な資料や情報源を案内してもらえます。来館での対応のほか、電話・メール・手紙でも受け付けており、遠方からでも利用しやすい体制が整っています。
また、館内では専門的なオンラインデータベースを利用することができます。学術論文データベースや新聞記事データベースなど、インターネットで一般公開されていない資料にもアクセスできるため、大学や研究機関の図書館に匹敵する調査環境が整っています。さらに、データベースの検索方法を案内するショートセミナーも定期的に開催されており、初めて利用する方でも使い方を学ぶ機会があります。電子書籍の館内利用サービスも提供されており、デジタルと紙の資料を組み合わせた調査が可能です。
パソコン持ち込み利用や館内の無線LAN(Wi-Fi)環境も整備されており、自分のデバイスで調べものをしながら資料を参照するスタイルにも対応しています。約900席(スツール席含む)という広い閲覧スペースは、長時間の調査研究にも十分応えられる規模です。
利用方法と館内環境
入館は無料で、年齢制限もなく、どなたでも自由に利用できます。受付で入館証を受け取ることで、書庫内資料やオンラインデータベース、複写サービスを利用できるようになります。ただし、個人への館外貸出は行っておらず、あくまで館内での閲覧・利用が基本となります(都内公立図書館への協力貸出は別途実施)。
複写サービスは著作権法の範囲内で提供されており、来館での複写のほか、郵送による複写申込みも可能です。資料を手元に置けない場合でも、必要な箇所をコピーして持ち帰ることができるため、継続的な調査にも対応しています。
館内は5階建てで、5階にはカフェテリア(有栖川食堂含む)が設けられており、平日には定食メニューも提供されています。長時間の調査や学習の合間に食事をとれる環境は、利用者に好評です。障害のある方向けのサービスも整備されており、幅広い方々が使いやすい図書館を目指しています。
アクセスと周辺環境
東京都立中央図書館は、港区南麻布5丁目に位置し、有栖川宮記念公園の一角に建っています。最寄り駅は東京メトロ日比谷線「広尾駅」で、徒歩約10分ほどです。なお、スポット情報で「恵比寿」と紹介されることもありますが、住所は港区南麻布であり、恵比寿駅からも徒歩圏内(約15〜20分)でアクセス可能です。
有栖川宮記念公園は四季折々の自然が楽しめる都心の緑地として知られており、図書館を訪れた際にその周辺を散策するだけでも心が和みます。公園内の木々が彩る風景は、都会の喧騒から離れた静かな時間を提供してくれます。
開館時間は、月曜日から金曜日が午前10時から午後9時まで、土・日・祝休日が午前10時から午後5時30分までと、平日は夜9時まで開いているため、仕事帰りや学校帰りにも立ち寄りやすい設計です。
こんな方におすすめ
東京都立中央図書館は、専門的な調査研究を行う社会人・研究者や、レポートや論文のための資料収集を行う学生にとって特に頼りになる施設です。学術論文や専門書を探したい方、歴史資料や古文書に触れたい方、オンラインデータベースを活用した調査をしたい方など、深い学びを求めるあらゆる人を受け入れています。
一方で、入館無料・年齢制限なしという開かれた環境のため、知的好奇心を持つ一般の方にも広く門戸が開かれています。ただし、児童書の所蔵はないため、お子さん向けの読み聞かせや絵本探しについては、都立多摩図書館の利用が案内されています。調査研究の専門的なサポートと、圧倒的な蔵書数を誇るこの図書館は、「もっと深く調べたい」という知的探求心に応えてくれる、都内でも屈指の学びの場です。
アクセス
恵比寿駅から徒歩圏内
営業時間
月〜金曜日 10:00〜21:00、土日祝 10:00〜17:30(特別文庫室は平日のみ10:00〜17:30)
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