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横浜の地酒と肴|熊澤に合う神奈川県の絶品おつまみ
神奈川が誇る酒蔵・熊澤酒造とは
茅ヶ崎の住宅街に静かにたたずむ熊澤酒造は、明治5年(1872年)創業の老舗蔵元です。代表銘柄「天青(てんせい)」は、北宋の詩人・蘇東坡が「雨過天青雲破処(あめすぎてんせいくもやぶるところ)」と詠んだ一節に由来し、雨上がりの空のように澄んだ味わいを追求しています。神奈川県内では数少ない現役の酒蔵として、地元の水と米にこだわった酒造りを続けており、湘南の豊かな風土が育む地酒として高い評価を受けています。
熊澤酒造の特徴のひとつが、酒蔵の敷地内に複数の飲食施設を併設していること。レストラン「MOKICHI TRATTORIA」ではイタリア料理と日本酒のペアリングを提案し、「蔵元直売所」では限定品を含む天青シリーズが購入できます。さらに敷地内にはベーカリーやビアテイスティングルームもあり、一日かけてゆっくりと過ごせる空間として地元住民にも観光客にも愛されています。
天青の味わいと代表的なラインナップ
天青シリーズは、辛口でキレのある仕上がりが持ち味です。仕込み水には丹沢山系から湧き出る清澄な軟水を使用しており、口当たりのやわらかさと繊細な米の旨味がバランスよく調和しています。
「天青 千峰(せんぽう)」は、精米歩合50%の純米大吟醸で、フルーティな吟醸香と上品な甘みが特徴。冷酒でゆっくりと楽しむのがおすすめです。「天青 雨過(あますぎ)」は特別純米酒で、米の旨味をしっかりと感じながらも後味がすっきりとしており、食中酒として幅広い料理に合わせやすい一本。燗酒にすることで旨味がさらに引き立ちます。「天青 吟望(ぎんぼう)」は純米吟醸で、リンゴや洋梨を思わせる爽やかな香りと、柔らかな甘みが印象的。日本酒初心者でも飲みやすく、女性にも人気があります。
価格帯は720mlで1,500円〜2,800円程度。酒蔵直売所では蔵限定の熟成酒や季節限定の生酒なども取り扱っており、ひと味違う天青を求める酒好きにとっては訪問必至の場所です。
天青に合う神奈川の海の幸
神奈川県は三浦半島を中心とした豊かな漁場を持ち、地元の海の幸は天青との相性が抜群です。まず外せないのが「生しらす」。湘南・江の島周辺で水揚げされる生しらすは、透き通った身の繊細な甘みが特徴で、醤油をほんの少し垂らして食べると口の中でとろけます。天青の千峰のような吟醸酒とともに味わうと、互いの繊細な甘みが引き立て合い、上品な余韻が長く続きます。
三浦半島の「まぐろ」も見逃せない存在です。三崎港は日本でも有数のまぐろの水揚げ港として知られており、本まぐろの赤身・中トロは脂の乗りとさっぱりとした旨味のバランスが絶妙。天青 雨過の特別純米酒は、まぐろの赤身と合わせると酒の酸味が魚の旨味を引き締め、互いの味わいを高め合います。
また、小田原沿岸で獲れる「あじ」の干物も、燗酒にした天青との定番ペアリングです。炭火でじっくりと焼き上げた干物の香ばしさと、温めた日本酒の芳醇な香りが交じり合うと、どこか懐かしい日本の食卓の原風景が浮かびます。地元の酒屋や鮮魚店では、朝に仕入れた新鮮な干物が夕方には売り切れることも珍しくないため、早めの購入をおすすめします。
神奈川の発酵食品と天青の深い関係
海の幸と並んで天青に合うのが、神奈川の発酵食品の数々です。小田原の「かまぼこ」は全国屈指の産地として知られており、その歴史は室町時代にまで遡ります。小田原かまぼこは弾力のある食感と上品な旨味が特徴で、わさびを添えて食べるのが地元流。天青の吟望のように甘みのある吟醸酒とかまぼこを合わせると、魚の旨味と酒の甘みが絶妙に調和し、箸が止まらなくなります。
三浦半島の「奈良漬け」も天青との相性が優れたおつまみです。大根や白瓜を酒粕に漬け込んだ奈良漬けは、甘みと塩気のバランスが取れた複雑な味わいを持っています。天青の特別純米酒と合わせると、酒粕由来の風味が共鳴し合い、深いコクが生まれます。老舗の漬物店では、熊澤酒造の酒粕を使った奈良漬けを販売しているところもあり、蔵元の食文化が地域に根ざしていることを実感できます。
さらに、箱根・足柄エリアで作られる「わさび漬け」も忘れてはなりません。神奈川県はわさびの産地としても有名で、本わさびをすりおろした辛みと、酒粕の甘みが組み合わさったわさび漬けは、ピリッとした刺激が天青の澄んだ味わいをひき立てる名コンビです。
熊澤酒造周辺でおつまみを揃える
熊澤酒造を訪れたなら、周辺の食材も合わせて探してみてください。茅ヶ崎駅から酒蔵まで徒歩約20分の道すがらには、地元の食材を扱う商店が点在しています。駅前商店街の鮮魚店では、相模湾で水揚げされたその日の魚を販売しており、旬の食材を手頃な価格で手に入れることができます。
酒蔵に隣接するベーカリーでは、米粉を使ったパンや、天青の酒粕を練り込んだクリームを使ったロールケーキなど、蔵元ならではのオリジナル商品が揃います。甘みのある酒粕スイーツは、吟醸酒とのデザートペアリングとしても楽しめます。
もし時間に余裕があれば、酒蔵見学(要予約・有料)に参加してみましょう。醸造の現場を案内してもらいながら、仕込み水の試飲や酒造りの工程について学べます。見学後には直売所で限定酒を購入する方がほとんどで、試飲しながら自分好みの一本を選ぶ時間は、旅の醍醐味のひとつとなるでしょう。
自宅でも楽しむ天青と神奈川おつまみの世界
熊澤酒造の天青は、県内の百貨店や酒専門店のほか、公式オンラインショップからも購入できます。自宅で天青を楽しむ際は、冷酒・常温・燗酒それぞれの飲み方を試してみてください。同じ銘柄でも温度によって全く異なる表情を見せるのが、日本酒の奥深さです。
おつまみは通販でも神奈川の名産品が手に入ります。小田原かまぼこや三浦大根の漬物、生しらすの佃煮など、産地直送の商品を組み合わせて「神奈川の食卓」を再現してみてはいかがでしょうか。天青の澄んだ味わいとともに神奈川の食文化を深く味わうひとときは、地域の風土と歴史を食卓に招く、豊かな体験となるはずです。
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