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男性更年期(LOH症候群)完全ガイド2026|症状・原因・治療法と生活習慣改善の全知識
ヘルスケア
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男性更年期(LOH症候群)完全ガイド2026|症状・原因・治療法と生活習慣改善の全知識

「最近疲れやすくなった」「やる気が出ない」「性欲が低下した」「イライラが続く」——こうした症状を「歳のせい」「仕事のストレス」と片付けてしまっていませんか。実はこれらは男性更年期障害(LOH症候群:加齢性腺機能低下症)の典型的なサインかもしれません。日本では女性の更年期障害に比べて認知度が低いですが、40代以降の男性の約20〜30%が何らかの症状を持つとも言われており、適切な対処で改善が期待できます。

LOH症候群とは何か:メカニズムの基礎知識

LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)とは、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の緩やかな低下が原因で生じるさまざまな心身の不調の総称です。

テストステロンの役割 テストステロンは男性の体内で精巣から分泌されるホルモンで、筋肉量の維持・骨密度の保持・性欲・精力・意欲・集中力・脂質代謝など、男性の心身機能の多くに深く関わっています。

加齢による変化 男性のテストステロン値は20〜30代でピークを迎えた後、40代から年間約1〜2%ずつ緩やかに低下します。女性の閉経のように急激には低下しないため自覚しにくく、「じわじわと不調が増えていく」という形で現れるのが特徴です。

LOH症候群と「ただの疲れ」の違い LOH症候群の特徴は、休養や気分転換で解消しにくい持続的な不調です。睡眠を十分に取っても疲労感が抜けない、趣味への関心が薄れた、朝立ちが減少したなど、複数の症状が重なる場合は専門医への相談を検討してください。

主な症状チェックリスト:17項目

泌尿器科学会が推奨するAMS(Aging Males' Symptoms)スコアに基づく自己チェックリストです。

身体的症状 - 全身の倦怠感・疲れやすさ - 筋力の低下・体脂肪の増加(特に腹部) - 関節痛・筋肉痛(特定の疾患がないのに続く) - 睡眠障害(寝つきが悪い・熟睡できない) - 発汗・ほてり(血管運動神経症状) - 骨密度の低下(骨折リスク増加)

精神・神経的症状 - 気力・意欲の低下(何もやる気が起きない) - 集中力・記憶力の低下 - 抑うつ気分・不安感 - イライラ・短気になった - 自信の喪失・社会からの孤立感

性機能的症状 - 性欲の低下 - 勃起機能の低下(ED) - 朝立ちの消失または減少 - 射精量・精液の変化

AMSスコアで26点以上(各症状を1〜5点で評価)の場合、LOH症候群の可能性が高く、専門医の診察が推奨されます。

受診すべき診療科と検査内容

受診科: 泌尿器科・男性科・内分泌科 LOH症候群は泌尿器科または男性科が専門です。大きな病院では「男性更年期外来」「メンズヘルス外来」として設置しているところもあります。内分泌科でも対応可能です。

血液検査でわかること 採血でテストステロン値(総テストステロン・遊離テストステロン)を測定します。総テストステロンが250ng/dL未満、または遊離テストステロンが8.5pg/mL未満を目安に「低テストステロン」と診断されます。ただし午前中(9〜10時)の採血が推奨されます(テストステロン値は日内変動が大きく、朝に最高値をとるため)。

鑑別診断の重要性 LOH症候群と症状が重なる疾患(甲状腺機能低下症・うつ病・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群など)の除外診断も行われます。LOH症候群の診断は「テストステロン低値+症状の存在」の両方が揃って初めて確定されます。

治療法の選択肢:TRTから生活習慣改善まで

テストステロン補充療法(TRT) 医師の処方のもと、テストステロンを外から補充する治療法。注射(2〜4週間ごとに筋肉注射)・ゲル剤(毎日皮膚に塗布)・貼付剤の3種類があります。効果は比較的早く現れ、倦怠感・性欲・集中力の改善が多くの患者で報告されています。

TRTの注意点・禁忌 前立腺がんの既往・疑いがある場合はTRTは禁忌です。定期的なPSA(前立腺特異抗原)検査・赤血球増加症のモニタリングが必要です。治療開始前に必ず前立腺の精査を行います。

漢方治療 八味地黄丸・補中益気湯などの漢方薬がLOH症候群の補助療法として使われることがあります。TRTほどの即効性はありませんが、副作用が少なく長期使用しやすいのが利点です。

生活習慣改善 テストステロン値は生活習慣で大きく影響されます。以下の改善がテストステロン自然増加に寄与することがわかっています: - 筋力トレーニング(特に大筋群を動かす複合種目: スクワット・デッドリフト) - 十分な睡眠(7〜8時間) - 内臓脂肪の減少(体脂肪率25%以上でテストステロン産生が低下) - 過度な飲酒・喫煙の回避 - 亜鉛・ビタミンD・オメガ3脂肪酸の積極的摂取

テストステロンを自然に高める食事・栄養

亜鉛を豊富に含む食品: 牡蠣(亜鉛含有量トップクラス)・牛赤身肉・豚レバー・大豆製品。亜鉛はテストステロン合成の必須ミネラル。

ビタミンD: サーモン・サバ・いわし・卵黄・きのこ類(干し椎茸)。ビタミンD不足はテストステロン低値と相関することが複数の研究で示されています。日光浴(1日15〜30分)でも産生されます。

マグネシウム: ナッツ類・豆類・玄米・ほうれん草。慢性的なマグネシウム不足がテストステロン低下と関連するという研究があります。

避けるべきもの: 過度なアルコール(肝臓でのテストステロン代謝を促進)、超加工食品・高GI食(インスリン抵抗性を高めテストステロン産生を妨げる)。

メンタルヘルスとLOH症候群の関係

LOH症候群の精神症状(抑うつ・意欲低下)はうつ病と非常に似ており、LOH症候群が診断されずうつ病として治療が続けられるケースも少なくありません。テストステロン低下による抑うつ症状は抗うつ薬だけでは改善しにくく、TRTを加えることで改善することがあります。40〜50代男性のうつ症状には必ずLOH症候群の除外検査を受けることをお勧めします。

まとめ:男性更年期を「隠さず・向き合う」時代へ

男性の「つらさ」は我慢して当然という風潮が、LOH症候群の診断・治療の遅れを招いてきました。しかし2020年代以降、男性のヘルスケアへの意識は急速に高まっています。症状の自覚がある方は一人で抱え込まず、まず泌尿器科・男性科へ相談してみてください。テストステロン値は血液検査一本でわかります。早期に適切な対処を行うことで、仕事・家庭・趣味における生活の質(QOL)を大幅に改善できる可能性があります。

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Written by

伊藤 健太

メンズヘルス・予防医学ライター