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飲泉(いんせん)の楽しみ方・効果・基礎知識:飲める温泉の泉質と注意点を解説
温泉・サウナ
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飲泉(いんせん)の楽しみ方・効果・基礎知識:飲める温泉の泉質と注意点を解説

飲泉とは何か:お湯に「入る」だけではない温泉の楽しみ方

「温泉を飲む」と聞いて驚く方も多いかもしれませんが、飲泉(いんせん)は日本や欧州で古くから行われてきた伝統的な健康法のひとつです。温泉水を経口で摂取することで、その泉質に含まれるミネラル成分が消化器官を通じて体内に作用することを期待する入浴法(飲用)です。

欧州では温泉保養地(スパ)において飲泉は入浴と並ぶ主要な治療法として位置づけられており、ドイツ・チェコ・オーストリアなどのクアオルト(健康保養地)では今でも「飲泉ホール」が設けられ、医師の指導のもとで飲泉プログラムが組まれています。

日本でも鎌倉・江戸時代から一部の温泉地で飲泉の風習があったとされており、明治以降に西洋医学の影響を受けてさらに普及しました。現代においては法律・条例のもとで飲泉許可を取得した温泉地のみで正式に提供されており、誰でもどこでも飲めるわけではありません。

飲泉許可とは:法律上の位置づけ

日本では、温泉法によって温泉の飲用に関するルールが定められています。温泉水を飲用として提供するためには、都道府県知事の「飲用許可(飲泉許可)」が必要です。許可を取得している施設では「飲泉所」や「飲泉場」が設けられており、温泉水を試飲できるようになっています。

飲泉許可には、温泉水の水質基準(細菌数・有害成分の濃度など)を満たすことが求められます。すべての温泉で飲泉が許可されているわけではなく、成分が濃すぎる泉質や衛生基準を満たさない温泉は飲用不可です。

訪問する温泉施設に飲泉所がある場合は、掲示されている案内に従い、適量を守って飲むのが原則です。「せっかくだから」と大量に飲むのは禁物で、過剰摂取は体調不良の原因になることがあります。

泉質別の飲泉効果と特徴

飲泉の効果は泉質によって大きく異なります。主な泉質ごとの特徴を知っておくと、自分に合った温泉地を選ぶ際の参考になります。

炭酸水素塩泉(重曹泉・重炭酸土類泉) 消化器系への働きかけが期待される泉質の代表格です。胃腸の調子を整えたい方向けとされており、欧州では消化不良・胃炎などの改善を目的とした飲泉によく用いられてきました。爽やかな清涼感があり飲みやすいとされています。

硫酸塩泉 カルシウムを多く含む「石膏泉」やナトリウムを含む「芒硝泉」などがあります。便秘改善への働きかけが期待されることがあり、腸の動きを促すとされています。ただし飲み過ぎると下痢を引き起こすこともあるため、適量を守ることが特に重要です。

塩化物泉(食塩泉) 塩気を感じる泉質で、体内での電解質補給に関わるとされることがあります。飲泉としてはやや塩辛いことが多く、少量ずつ飲むのが基本です。

二酸化炭素泉(炭酸泉) 炭酸ガスを多く含み、爽やかな刺激感があります。飲泉として提供される場合は微炭酸のような感覚で飲みやすいとされますが、ガスが多いため適量は特に少なめにすることが推奨されています。

酸性泉・硫黄泉 殺菌力が強く、飲泉に適さない場合が多い泉質です。成分が濃く刺激が強いため、飲泉許可が下りていない施設がほとんどです。飲泉所がある場合でも、摂取量の目安を必ず守ってください。

飲泉の適量と飲み方の基本

飲泉は「多く飲めば効果が高まる」というものではありません。適量を守ることが体への負担を避ける上で最も重要です。

環境省の基準では1回の量は100〜150ml程度、1日の総量はおよそ200〜500mlまでとされており、少量から試して体の反応を確認するのが基本です。温泉地の飲泉所には適量の案内が掲示されていることが多いため、必ず確認してから利用しましょう。

飲むタイミング: 一般的には食前(30分〜1時間前)が効果的とされています。食後や就寝直前は避けることをおすすめします。

温度: 飲泉水は冷ましてから飲む施設と、適温で提供する施設があります。熱いまま一気に飲むことは避けましょう。

継続性: 一度だけでなく、数日間継続して飲むことで体への働きかけを感じやすいとされますが、その際も量を増やしすぎないことが重要です。

飲泉を避けるべき場合と注意事項

飲泉は誰にでも適しているわけではありません。次のような場合は飲泉を控えることをおすすめします。

  • 腎臓疾患のある方: ミネラル成分の代謝に影響を与える可能性があります
  • 高血圧で食塩制限中の方: 塩化物泉は塩分を多く含む場合があります
  • 妊娠中の方: 安全性の確立が不十分なため控えましょう
  • 15歳以下の方: 原則として飲用を避けることとされています
  • 薬を服用中の方: 温泉成分と薬の相互作用が生じる可能性があります。医師への確認を

また、飲泉後に腹痛・吐き気・頭痛などの症状が出た場合は直ちに飲泉を中止し、施設スタッフや医療機関に相談してください。

飲泉は温泉浴と組み合わせることで、体の内側と外側の両面から温泉の恵みを感じられる独特の体験です。正しい知識を持ち、無理のない範囲で楽しむことが、飲泉を安全に味わうための基本です。

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Written by

S

そろうコラム編集部

温泉・サウナ担当

日本刀×日本文化体験

観光スポットと刀剣文化をつなぐ多言語展開。