外国語メニュー・多言語表示の作り方
1. なぜ外国語メニューで売上が変わるのか
訪日客にとって最大の注文ハードルは「何が出てくるかわからない」ことです。日本語だけのメニューを前にすると、多くの人は①写真があるものだけ頼む、②隣の席と同じものを頼む、③入店自体をあきらめる、のどれかになります。つまり外国語メニューの有無は、客単価と入店率の両方に直接効きます。
逆に言えば、看板メニューが数品でも外国語で説明できれば、追加の一品・ドリンク・おすすめの提案がすべて可能になります。全品の完璧な翻訳は不要です。まず「よく出る10品」から始めましょう。
2. 基本原則:翻訳ではなく「説明」
外国語メニューでいちばん多い失敗は、料理名の直訳です。「肉じゃが」を機械翻訳にかけて Meat Potato と書いても、初めて見る人には何も伝わりません。伝えるべきは料理名ではなく「素材・調理法・味」の3点です。
- 素材:何の肉か・何の魚か(beef / pork / chicken / mackerel …)
- 調理法:焼く・煮る・揚げる・生(grilled / simmered / deep-fried / raw)
- 味:甘辛い・しょうゆベース・ピリ辛(sweet soy / soy-based / mildly spicy)
例:肉じゃが →「Nikujaga — beef and potatoes simmered in sweet soy broth」。ローマ字の料理名+短い英語の説明、が基本形です。料理名をローマ字で残すのは、SNSや口コミで「Nikujaga」と検索・共有されるためです。
3. 作り方の実務:5つのステップ
- 対象を絞る:注文の多い10〜15品+ドリンクだけ。全品対応は後回し。
- 説明文を日本語で書く:素材・調理法・味の3点を1〜2文で。ここが翻訳の元原稿になります。
- 英語に変換する:機械翻訳を使う場合も、料理名の直訳ではなく説明文を訳す。当サイトのAI英語紹介文ツールのように、特徴を書けば英文を組み立ててくれるツールも活用できます。
- 価格・税・サービス料を明記する:税込か税抜か、お通し(table charge)の有無は、トラブルが最も起きやすい箇所です。
- ネイティブ視点で一度読み返す:常連の外国人客や地域の国際交流協会に見てもらえると理想的。難しければ、機械翻訳で英語→日本語に逆翻訳して意味が壊れていないか確認するだけでも大きく違います。
4. 写真・ピクトグラムの使い方
文章より速く伝わるのが写真です。よく出る料理は必ず写真を付けてください。スマートフォンで自然光の下で撮るだけで十分です。写真があれば「これをください」と指させるので、言葉の壁はほぼ消えます。
ピクトグラム(絵文字アイコン)は、辛さの度合い・豚肉使用・アルコール使用・ベジタリアン対応などの「注意情報」に向いています。文字で書くより一覧性が高く、多言語対応の手間も省けます。凡例(アイコンの意味の一覧)をメニューの最初のページに載せるのを忘れずに。
5. アレルギー・宗教・ベジタリアン対応
完璧な対応(専用調理器具・認証取得など)ができなくても、「何が入っているかを正確に答えられる」だけで選ばれる確率は大きく上がります。訪日客が最も困るのは、対応してもらえないことではなく「確認できない」ことだからです。
- アレルギー:主要な原材料(小麦・卵・乳・そば・落花生・えび・かに・くるみ等)が入っているかを品ごとに把握しておく。
- 豚肉・アルコール(ムスリムの方):肉の種類と、みりん・料理酒の使用有無を答えられるように。対応できない場合も正直に伝えれば問題になりません。
- ベジタリアン/ヴィーガン:出汁(かつお・煮干し)が動物性である点は見落とされがち。対応可能な品が1〜2品あるだけでグループ客全体を取り込めます。
「できること・できないこと」をメニューや店頭に書いておくと、口頭での説明負担が減り、スタッフによる回答のブレも防げます。詳しい対応方法は、観光庁の「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド(令和6年4月版)」が公的な一次資料としてまとまっています(ピクトグラム表示・原材料の透明性・多言語表記を推奨。無料配布のピクトグラム素材あり)。
6. 無料で使えるツール
自治体・公的機関が無料の多言語メニュー作成支援を提供しています。デザインまで整った印刷用データを無料で作れるものもあるため、外注の前にまず確認してみてください。
- EAT TOKYO(東京都・都内飲食店限定):東京都が提供する無料の多言語メニュー作成サイト。13言語から最大5言語を選んで、テンプレートとピクトグラム付きの印刷用メニューを作成できます(menu-tokyo.jp)。都外の方も、同種のサービスを都道府県・市区町村の観光課や商工会議所が提供していることが多いため「(自治体名)多言語メニュー 支援」で確認してみてください。
- 観光庁のおもてなしガイド・共通ピクトグラム:前章で紹介した公的ガイドに、無料で使えるピクトグラム素材と表示例がまとまっています。
- 当サイトのAI英語紹介文ドラフト:お店紹介の英文づくりに無料で使えます。
7. 作ったメニューを集客につなげる
外国語メニューは「店内で使う道具」で終わらせず、店の外に見せることで初めて集客になります。Googleマップの写真に外国語メニューを追加する、店頭に「English menu available」と掲示する、多言語の情報サイトに掲載する——この3つで「入店前の不安」を取り除けます。
SOROU.JP では、対応言語・決済手段などの受け入れ情報を掲載情報として載せられます。整えた対応を、お店を探している訪日客にそのまま届けましょう。
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整えた受け入れ体制は、見つけてもらって初めて集客になります
SOROU.JP は日本全国のローカル情報を多言語で届けるプラットフォームです。決済手段・外国語メニュー・免税対応などの情報を掲載して、お店を探している国内外のユーザーに届けましょう。掲載は無料、審査は2〜3営業日です。
関連ガイド:小さなお店でもできる訪日客の集め方/免税店になるには