札幌の玄関口として多くの旅行者や地元市民が行き交う札幌駅。その南口に広がる駅前広場は、単なる交通の要所にとどまらず、人々の出会いや旅立ちを演出する「人の広場」として札幌市民に親しまれてきた特別な空間です。
「人の広場」としてのコンセプト
札幌駅には南口と北口という二つの駅前広場がありますが、それぞれに異なる役割が与えられています。北口広場が路線バスやタクシーなどの交通機能を重視した「交通広場」として整備されているのに対し、南口広場は「人の広場」というコンセプトのもとに設計されました。
旅立ちや帰着の場として、また人々が出会い、集い、滞留する空間として位置づけられたこの広場は、訪れるすべての人にとって記憶に残る場所となるよう計画されています。待ち合わせの場所として、観光の起点として、あるいはただ行き交う人々を眺めながら一息つく場所として、南口広場はさまざまなシーンで市民の日常生活に溶け込んでいます。
再開発の歴史と整備の経緯
現在の札幌駅南口駅前広場が生まれた背景には、大規模な都市再開発の歴史があります。かつて札幌駅周辺では、連続立体交差事業によって函館本線が北側へ移設されたことで、旧線路の跡地が生まれました。しかし、この土地は所有が細分化されており、都心にふさわしい高度利用が難しい状況が続いていました。
こうした課題を解決するため、札幌市は平成4年(1992年)より土地区画整理事業を開始しました。国鉄清算事業団、札幌市、JR北海道という複数の地権者が持つ土地を集約し、換地を行うことで、高度な都市機能を一体的に整備できる環境を整えていきました。この過程でJR北海道本社屋の移転も実施され、平成11年度(1999年度)には一連の事業が完了し、南口地区の一体的な開発に向けた都市基盤が確立されました。
さらに平成10年(1998年)からは関連事業として地下街の増改修工事や駅前広場の整備工事が開始され、平成11年度に完成。現在の姿へと生まれ変わりました。
広場の規模と施設概要
整備された札幌駅南口駅前広場は、都市計画道路「3・2・4 札幌駅前通」に沿って広がる総面積約19,000平方メートルの広大なスペースです。この面積は約5,750坪に相当し、札幌の都心部においては非常に恵まれた空間的ゆとりを持っています。
タクシー待機場は45台分が確保されており、旅行者や買い物客など多くの利用者をスムーズに迎えられる体制が整っています。観光シーズンには周辺ホテルや観光スポットへ向かう旅行者、北海道各地への長距離バスを利用する人々など、多様な利用者でにぎわいを見せます。
施工は平成10年度から平成11年度にかけて行われ、その後も維持管理が続けられています。管理は札幌市建設局土木部道路課が担当しており、市民の安全で快適な利用を支えています。
札幌の都心を結ぶ交通の要衝
南口広場は「人の広場」でありながら、札幌都心部の交通においても重要な役割を担っています。JR札幌駅の南改札口に直結するこの広場は、大丸札幌店やJRタワーなど大型商業施設とも隣接し、ショッピングや観光の目的地として訪れる人々の主要な玄関口となっています。
広場周辺には地下鉄南北線・東豊線の大通駅や札幌駅といった地下鉄各駅へのアクセスも充実しており、乗り換えの拠点としても機能しています。さらに地下街「オーロラタウン」や「ポールタウン」とも地下通路で接続されており、北海道特有の厳しい冬の寒さや夏の突然の雨天時でも、快適に移動できるネットワークの一角を担っています。
四季折々の表情と市民の日常
約19,000平方メートルという広大な空間を持つ南口広場は、季節ごとに異なる表情を見せます。夏には青空のもと待ち合わせやストリートパフォーマンスを楽しむ人々で活気づき、北海道の短い夏を満喫しようとする市民や観光客の姿が印象的です。
冬になると札幌ならではの雪景色の中、広場は白く染まります。除雪が行き届いた広場は、雪に不慣れな観光客にとっても安心して歩ける空間として整備されています。2月に開催される「さっぽろ雪まつり」の期間中には、観光客の往来がさらに増し、国際的な観光都市としての札幌の活気を最もよく感じられる場所の一つとなります。
また、地元市民にとっては通勤・通学の通り道であり、友人や家族との待ち合わせスポットでもある南口広場は、生活の一部として根付いた存在です。「南口で待ってるね」という一言が自然に交わされる、そんな親しみある場所として、札幌の人々の日常を静かに支え続けています。
アクセスと周辺情報
札幌駅南口駅前広場へのアクセスは非常に便利です。JR各線「札幌駅」南口を出るとすぐに広場に出ます。地下鉄を利用する場合は、南北線・東豊線「札幌駅」または「大通駅」から地下通路を経由して雨や雪を気にせずアクセスすることができます。
広場に面する形で大丸札幌店やJRタワーステラプレイス、アピアといった大型ショッピング施設が並んでおり、買い物や食事のついでに立ち寄るのにも最適です。また、すすきのや大通公園へは徒歩圏内であり、北海道庁旧本庁舎(赤レンガ庁舎)なども近く、札幌観光の拠点として申し分ない立地条件を誇っています。
所在地は北海道札幌市中央区北5条西4丁目で、問い合わせ先は電話011-751-7205です。札幌を訪れた際にはぜひ足を止めて、この「人の広場」が持つ独特のにぎわいと開放感を体感してみてください。
交通
JR札幌駅南口直結
營業時間
預算